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陽の咲く国〈13〉

「バース?それに、やたらと引き連れている者達は一体何なんだ!」


〈時の境目〉に戻ると、アルマが一行に紛れてる三人対して、唖然と、なる。


「待て、追い追いと、説明する!その前に、エルマとタクトは何処にいる?」


「あっちでタクトを……」と、アルマはその方向を指で差して示す。


先程まで、此処にいる女性達の《闇》を振り払っていた。止せと、言ったのにそれすら聞かずに……私達に“力”を貸してくれたものだから――。


「こいつなりに、おまえ達を守ろうと必死だったんだよ」


バースはタクトの元へ歩み寄り、その前髪を掻き分ける。


「俺達の帰りも、待っててくれたのだよな?ご苦労だ。タクト」


「バース、ご免なさい。あなたに、タクトを任されていたのに……こんなことになってしまって――」

エルマは涙声で、バースにそう、言う。


その……男の子……よかったら、私に見せて頂けますか?


「あなたは……?」

エルマの形相がふわりと柔らかくなり、そして、ぴくりと、身体を震えさせていく。


「そのまま、その男の子は、膝の上でいいわ」

カナコはそう言うと、微動しないタクトの手をそっと、包み込んでいく。

「大丈夫……《闇》に少し、やられてるけど、すぐに元気になるわ」


カナコは瞼を綴じ、その手より“黄金色の光”を注ぎ込み始める。


バースさん、そして、其処にいらっしゃる女性の方、申し訳ありませんけど、助けて頂けますか?


双方、カナコの促しに、頷き、その側へと寄り、手を伸ばしていく。


「呼吸を調えて、この子に私達の“光”を届けましょう……」

「随分と、神々しい“光”をそなたは持っているのだな?」

アルマはそう言うと

「まずは……こちらに集中してください」

カナコは言葉を静かに解き放し、更に“光”を輝かせていく。


“光”は重なり合い、タクトも身体を輝かせていく。

「おい……ちょっと、動いたぞ?」

「まだ、手を離さないでください!もう少し……もう少し――」


――俺達の“力”もお裾分けさせてくれ!


「タッカ?おまえがそうやって、率先するのは、天変地異が起きるぞ!」

「冷やかしいいから……場所を開けろ!」

タッカは苦笑しながら、バースの横に付き

「おまえ達もさっさとこい!」

と、佇む隊員に向けて、そう、罵声をさせる。


タクト……。


タクトくん、頑張って!


おまえは、俺達の〈弟〉だ。


僕も……見習うよ。


俺の作る食事を旨そうにして、食べるおまえが、何よりの励みだ。


俺の“力”で、おまえが笑顔になるなら……いくらでも、注いでやる!


「タクト、奴等の声が聞こえたか?皆、おまえが必要なんだ!」


「私もだ……。おまえの純粋な……澄みきった……優しさが……何より―――」


――アルマ、こいつに言いたいことあるなら、思いっきり、ぶっかませよ……。


――いいのか?


――俺は〈大人〉だ。タクトにいっちいち、妬いていたら、きりがない!


――後から、ほじくり返すなよ……。


――いいから……言え――。


「……タクトより世話が焼くのはバース、おまえだ」

「ああ、その通りだ……」


アルマはタクトの手を深く握りしめ、その耳元へと唇を乗せていく。



―――愛してる………。



陽光隊の“光”更に眩く輝き……タクトを照らしていく。



―――たくさん……聞こえた……。皆の……僕への気持ち……とか、皆の《絆》の深さとか……全部……僕に―――。




タクト―――――!!!



瞼を開き、涙で頬を濡らすタクトに……一同、一斉に……飛び付き、そして、ひたすら……号泣をする。

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