幻林間〈15〉
あー、今日はひじょーに残念なお知らせを君達にしなければならなーい。
バース、列を成す子供達の前、目頭押さえ、言葉にする。
「ロウスが、元気に……。もとい、訳あって、本日をもって、この大自然さんにお別れを告げる事と、なってしまった。其処で、お世話になった、お礼も含め、立鳥そのあと濁しはしない。お片付けをしっかりと、頼むのであーる!」
りょーかいっ!
子供達、一斉に清掃を始める。
「さて、こっちは、と………」
バース、怒りを膨らませながら、隊員三名を見る。
貴様達は、子供達をそっちのけで何をやらかしたーっ!
「朝食を終えた子供らより、遅く起きたおまえに、説教される覚えはないっ!」
「その、手際がもたついていたから、だ。アルマ」
「俺は、タッカに手助けをしてこいと、言っただけで、とばっちりを受けたんだ!アニキ」
どいつも、こいつも、やっかましいーっ!罰として、おまえら全員、この川の上流までダッシュして10分以内に戻ってこーいっ!!!
「全員て、おい……」
アルマッ、おまえもだっ!!!
「さっさと、行け。今度はちゃんと、ペナルティも付けてやる!」
アルマ等、背筋を伸ばし、猛烈に、川の上流を目指して駆けていった。
バースさん、そんな、大きい声でポンポンと、怒鳴ると………。
タクト、苦笑いをしながら、バースに歩み寄る。
「あまりにも、みっともないからな。思わず、だ」
朝飯、俺の分はないだろう?
いえ、コータのグループが、あなたの分と、作ってくれました。
「ほう!」と、バース。眼差しぱっと、輝かせる。
「かなり、率先力があって、僕でも感心してます」
よーし!このまま〈陽光隊〉の一員に、加えるか!!
バースさんっ!
「冗談だよ」
バース、微笑を含めて、タクトの頬を指先で挟み込む。
「バースさん、朝御飯」
「ん、列車が走り出してから、ゆっくり味わう」
手にする、容器の中、形はデコボコの卵焼き、少し焦げた、ウインナーソーセージ。そして、更に段を持ち上げると〔たのしかった〕と、胡麻の文字がご飯に振り掛けられていた。
――そして、出発の時刻を迎える―――。
「全車両異常なし!」
「子供16名、全員乗車しました!」
タッカとタクト。紅い列車の乗降口前にて、列を成す隊員と共に、バースに、報告する。
直立姿勢のバース、なお、穏やかな眼差しを向ける。
「この地で、おまえ達から、特に報告を受けるつもりはない。幸いにも、子供達は全員無事で過ごせたことに、心から感謝する」
隊員一同、安堵の面持ちを向ける。
バース、一人一人の顔を見つめ、頷き「乗車して、各配置に着け」と、言葉静かに告げる。
――列車はまた、空想のような現実を刷り込ませ
何処かを目指すように、駆け出していった――。




