チハココカラ〈4〉
「まずは、タクトさんに、刺されたままの矢を、取り除きましょう」
話をかわしやがった!
とことん、口を割らないつもりだな?
――タッカが言ってた。あれ、なんとなく判った。
アルマに似すぎてる。あいつも〈こいつ〉の素性を知っている様子だった。
だが、それと、これとは、違う。列車を減速させた目的が何かを、追求しなければならない。
あと《闇》だ。
師匠は《それ》に手を出していた。
きっかけは何だよ?
俺達まで、巻き込んで、アンタは何をしたいのだよ?
――。妙に引っ掛かる。
【国】では、何かが起きている。
――〈阻止〉をする。それには《血》が邪魔――
師匠の言葉を繋ぎ合わせると、そう、解釈される。
せめて《鍵》が何を示すのかと、判ればいいが、タクトがあんな目にあっちまった。
これ以上タクトは巻き込ませたくない。
〈別の何か〉を、探す。
絶対に、あるはずだ。目の前にいる〈こいつ〉がそれを知っている――。
「どうぞ」と、ロウスが、ティーカップを双方が座るテーブルに運び置き、ティーポットから、茶を注ぎ入れる。
「遠慮なく、いただきます」
女性はそう、言って、カップに口をつける。
この、お茶の種類は何ですか?
――。今、では、手に入りにくい、ハーブティーです。
思い出しましたわ。この、お茶を囲み、会話を弾ませた方が、いたこと―――。
女性の眼差し、ロウスに射し込む。
――なんだ?こいつら。
即、思考より撤去。
「さっきの続きだ」
取引をしよう。て、ところだろう?
はて。何故、そのような解釈ができるのでしょうか?
あんた、性格かなり品曲がってそうだ、な?
あなたの側に居られた、アルマさん、て、方よりはまだましですよ。
―――。で、タクトに刺さった矢をどうやって、抜くのだ?
「その前に、タクトさんに承知して、いただきます」
―――《闇》を中和させる為に“力”が必要なのです。この列車に乗る誰かより、提供してもらうことに、なりますからね。
「シーサの“力”をお願いします」
タクト、ベッドに横になったまま、女性に向けて言う。
「選ばれた理由は?」
「大人の勝手な都合で、その、女の子は“力”を植え付けられた。それを、取り除きたかったのです」
――自由な生き方を、させてあげたいのです。
言葉、聡明。瞳、澄みきる。それは、タクト。