表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/86

チハココカラ〈4〉

「まずは、タクトさんに、刺されたままの矢を、取り除きましょう」


話をかわしやがった!


とことん、口を割らないつもりだな?


――タッカが言ってた。あれ、なんとなく判った。


アルマに似すぎてる。あいつも〈こいつ〉の素性を知っている様子だった。


だが、それと、これとは、違う。列車を減速させた目的が何かを、追求しなければならない。


あと《闇》だ。


師匠は《それ》に手を出していた。


きっかけは何だよ?


俺達まで、巻き込んで、アンタは何をしたいのだよ?


――。妙に引っ掛かる。


【国】では、何かが起きている。


――〈阻止〉をする。それには《血》が邪魔――


師匠の言葉を繋ぎ合わせると、そう、解釈される。



せめて《鍵》が何を示すのかと、判ればいいが、タクトがあんな目にあっちまった。


これ以上タクトは巻き込ませたくない。


〈別の何か〉を、探す。


絶対に、あるはずだ。目の前にいる〈こいつ〉がそれを知っている――。



「どうぞ」と、ロウスが、ティーカップを双方が座るテーブルに運び置き、ティーポットから、茶を注ぎ入れる。


「遠慮なく、いただきます」


女性はそう、言って、カップに口をつける。


この、お茶の種類は何ですか?


――。今、では、手に入りにくい、ハーブティーです。


思い出しましたわ。この、お茶を囲み、会話を弾ませた方が、いたこと―――。



女性の眼差し、ロウスに射し込む。


――なんだ?こいつら。


即、思考より撤去。



「さっきの続きだ」


取引をしよう。て、ところだろう?


はて。何故、そのような解釈ができるのでしょうか?


あんた、性格かなり品曲がってそうだ、な?


あなたの側に居られた、アルマさん、て、方よりはまだましですよ。


―――。で、タクトに刺さった矢をどうやって、抜くのだ?


「その前に、タクトさんに承知して、いただきます」



―――《闇》を中和させる為に“力”が必要なのです。この列車に乗る誰かより、提供してもらうことに、なりますからね。



「シーサの“力”をお願いします」


タクト、ベッドに横になったまま、女性に向けて言う。


「選ばれた理由は?」


「大人の勝手な都合で、その、女の子は“力”を植え付けられた。それを、取り除きたかったのです」



――自由な生き方を、させてあげたいのです。



言葉、聡明。瞳、澄みきる。それは、タクト。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ