調教師への道その2
「ん?どうかした?何かおかしなところでもあった?」
猫は、不思議そうな感じでそう聞いてくる。
なんて答えたらいいのかわからず、口をパクパクさせていると、
「あぁ~。なんで猫が喋ってるんだ~とかそういうことかな?
それなら調教モンスターの身体を借りているんだよ。
調教師としてのスキルを見せるのにピッタリだからね。」
猫はネタ晴らしをするかのように語る。
まるでドッキリでした~、とでも言うように。
実際猫にとってはドッキリのつもりなのだろう。
そのことを理解し、猫の言葉を反芻する。
「えっ?ちょっと待って?つまり調教師を極めていけば動物の姿に成れるの!?」
「成れるよ~。ただし、対象となる調教モンスターが許可を出してくれればね。
無理矢理は君だって嫌だろう?それと同じさ。」
さらりと凄いことを言い出す猫。
理沙にとって調教師をますます極めたいと思える理由ができた。
「あ~そろそろいいかな?書類の方を渡してもらえる?」
「あっすみません。こちらです。」
猫に持っていた書類を手渡すと、猫が何かを呟く。
すると魔方陣と共に猫から人が現れた。
いや、先ほどの会話からすると分離した、というのが正しいのだろう。
「うん。間違いはないね。
ようこそ、調教師の道へ。」
この人が調教師NPCなのだろう。
白いローブを着て、眼鏡を掛けた白髪の青年。
見た目はただの好青年に見えるが、耳が尖っていた。
この特徴は確かエルフのはず。
「僕が、調教師のマスターを勤める
ティル=ムルグ。親しみを込めてティムと呼んでくれ。」
「ご紹介ありがとうございます。リーザと言います。
こちらこそよろしくお願いします。」
初印象は大事だ。この人に教えてもらえばあんなスキルが覚えられるのだ。
動物と触れ合うために色々学ばなければ。
「さて、早速だが調教師のことを教えるよ。
僕についてきてくれ。」
そういうと奥にある部屋を指差した。
あの部屋で講義を受けるのだろう。
ティムさんは猫を大事そうに抱えると奥の部屋に入っていく。
期待を膨らませ、奥の扉を潜った。
名前を見てするにわかると思いますが
テイム→ティムです。
なんの捻りもないですね・・・。
もう少しネーミングセンスが欲しいところです・・・。