耳、そして尻尾!これは大事だから譲れない!
美紀の反応がない。
どうしたのかと思って見ると、ぽかんとした表情で固まっていた。
やっと搾り出すように声が出たと思ったら。
「えっ・・・?そんなこと?」
美紀にとってはどうでもいいことだったのだろう。
だが、理沙にとっては一大事である。
「そんなこととは何さ!?大事なことなんだよ!?」
「いや・・・確か自分の意思で自由に出したりできるはずだけど・・・」
理沙はその言葉を聞くや否や、すぐさま自分の身体にモフモフした耳と尻尾があることをイメージする。
すると、理沙の頭の上には三角の耳、そして背中には思わず顔を埋めたくなるような尻尾があった。
髪型も合わせて変わった様で金色のようになっていた。
「はぁ~このゲーム始めてよかった~。」
「ちょっと、早いって。もうエンドロール流れてんの?」
「あっそうだね。まだまだこれからモフモフするんだもんね。」
理沙が漸く落ち着いた頃、ギルド職員からの呼び出しがかかる。
慌てて呼ばれた窓口まで辿り着く。
「それではリーザ様、こちらがギルドカードとなります。
ギルドカードに記載されたものはステータス画面からも確認可能となります。
併せてご確認ください。
なお、チュートリアルクエストは10番の窓口にて発注を行っております。
是非参加なさってください。
他に質問はございますか?」
「いえ、特にないです。ありがとうございました。」
続けて、美紀のほうも呼ばれたようだ。
2分ほど待つと美紀も説明が終わったようで帰ってくる。
「さてチュートリアル行きますか~。」
「そうだね、何か仕様変更とかあったかもしれないからね。」
10番窓口は不思議と混んではいなかったためすぐに呼ばれた。
「調教師のチュートリアルクエストですね。
こちらの書類をお持ちになって向かいの建物の1階の受付にお渡しください。」
説明は恐らくこれだけなのだろう。
これならすぐに終わるため混んでいないのは納得である。
美紀もすぐに終わり、2人はチュートリアルクエストを受けるために向かいの建物である【職業斡旋所】に向かうのであった。
さて、明日はやっとメインともいえる調教モンスターを出せそうです。
勿論モフモフな子です。