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『進化』は存在するんです!

まずは、状況を整理してみようと思った途端に、周りの景色が歪みだした。

次から次に起こる事態についていけず、思考を放棄してしまう。


やがて、歪みが収まると同時に、いつもの賑やかな噴水前の広場に立っていた。


「戻ってこれたんだ・・・。」


これだけは、間違いないだろうと確信し呟く。

状況の把握をする前に、はぐれてしまった美紀を探すことにする。

美紀はどこにいるだろう、手当たり次第に動いても見つからない可能性が高い。

かといって、どうするかと悩んでいると後ろから声がかかる。


「や~~っと見つけた!

 どこ行ってたのよ!探したんだよ!?

 ってうわっ!?もしかして、これクロなの!?

 いなくなった間に一体何があったの!?」


振り返ると、驚きのあまり口が塞がっていない美紀がいた。

美紀も、理沙たちの姿を見て、混乱してしまったようだ。


立ち話でもいいが、今は少しでも休みたいので、一度【わんにゃんかふぇ】まで行くことを提案する。

美紀も、なんとなく察してくれたのか特に反論はなく、カフェまで歩いていく。


「あら~?お帰りなさい~。

 お昼の休憩は終わったの~?」


ミルさんの間延びした声を聞き、脱力感と共に安心感を覚える。

その途端、力が入らなくなり、座り込んでしまった。


「理沙!?大丈夫!?」


「う・・・うん・・・。ちょっと・・・疲れて立ってるのもしんどい・・・。」


「あら~、ちょっと奥で飲み物とってくるわね~。

 リエ~?ヒールの準備お願いね~、どうやら何かあったみたいだから~。」


美紀に、肩を貸してもらい奥にある椅子に座らせてもらう。

と、そこにリエルさんが、勢い込んで走ってくる。


「大丈夫!?怪我とかはしてない!?何があったか教えてくれる!?」


「いえ・・・怪我は・・・今は大丈夫です・・・。」


心配ないことだけは伝えておく。

ただ、本当に喋る元気もないぐらいに疲れてしまっている。

これだけを伝えるのも一苦労だった。


「ちょっと待ってね・・・。

 『彼の者に癒しと潤いを与えん!【ヒール】』。」


リエルさんの言葉と共に、緑色の光が私の周りを飛び、それと共に疲れが少し減ったように感じる。

【ヒール】には、体力とスタミナの回復の効果があるそうだ。

習うには、スキル屋で買うか、魔法の街である、【クライムの街】に行き講習を受けるかで覚えられるそうだ。

勿論、スキル屋で買ったほうが高くつくため、急いで取る必要性がなければやめておいたほうがいいとのこと。


「さて、理沙?何があったの?

 一緒にログインしたはずなのに、いなかったから焦っちゃったよ?」


美紀には迷惑掛けたな~と思いながら、今回起こったイベントの事を話す。

そして、クロの成長のことを知らせていると、リエルさんが反応する。


「クロちゃんの成長か~、確かに大きくなってるわね。

 本来なら、『進化』でしか、変化はないと思ってたんだけど。」


「『進化』ですか?要は、あのポケ○ンのように姿形が変わっちゃうんですか?」


「そうね。βテストの時は『野兎』を進化させた人がいたわ。

 頭から角が生えた、『アルミラージ』って存在になっていたわね。」


『進化』と聞いて、クロの姿形が変わっちゃうのか~という思いと、どんな姿になるんだろうという思いが芽生える。

だが、続く言葉を聞いて少しがっかりする。


「『進化』させるにはある程度レベルを上げた状態で、特殊なアイテムを持っていたら『進化』させることができるって聞いたわ。

 『野兎』の場合は、確か森で採取できる、『真鍮の槍の穂先』ってアイテムがいるって話よ。」


つまり、クロが仮に『進化』するとしても、素材がわからなかったらいつまでも進化できないと言うことなのだろう。

それでも、βからオープンにかけて色々と変更になっている部分もある。

一概には言えないだろうから、期待しておくことにする。


成長した、クロの手触りをリエルさんが、これは逸材ねと呟きながら撫でている。

若干、クロの顔がどや顔に見えてくるのは何でだろうか・・・。

まだまだこのゲームには色々知らないことがあるんだと思えてくる理沙であった。

次のイベントは、スタンプラリーの続きとなります。


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