クロの変化です!
クロと『ウルフ』の一騎打ちは、お互いボロボロではあるが、防具の差なのか少しだけクロが有利そうに見えた。
クロに加勢したいが、周りを片付けないと囲まれてしまうであろう。
気力を振り絞って、『野犬』と『野兎』を倒していく。
最後の1匹を倒し終え、2匹の方を振り返ると、
「ギャウン。」
と、鳴き声をあげながら何かがこちらに飛んでくる。
抱きしめながら確認すると、それはクロであった。
どうやら、気絶しているようだ。
群れの主としての意地を見せたのか、有利な状況であったクロを倒した『ウルフ』が次の獲物として理沙を見つめる。
クロのHPが残っていることを確認して、一旦ケージの中に入れてアイテムボックスに避難させる。
クロが攻撃している分、『ウルフ』に余裕は無いはずだろう。
現に、足が震えていて、立っているのもやっとだとわかる。
と考えていた矢先に突然、こちらに飛び掛ってくる。
僅かに反応が遅れて、爪が脇腹を掠る。
それだけで、HPが大きく減るのが分かる。
油断は禁物という言葉が脳裏に浮かび、実際にその通りだと実感する。
何度も何度も飛び掛ってくるのをかわし、ナイフを突き立てる。
しかし、怪我を負ったせいか、『ウルフ』の動きを捉えきれずにいた。
「もう・・・当たれば終わるのに・・・!」
思い通りに当たらないことに、苛立ちを覚え一人呟く。
やっと、尻尾に掠り、少しだけ相手の動きが止まる。
チャンスと思い、ナイフを振りかぶり、突きおろす。
これが致命傷となったのか、『ウルフ』の姿が消える。
そして、それと同時に、ファンファーレが流れる。
【○広場に迫るモンスターを迎撃せよ! E+
クエストクリア条件:敵モンスターの全滅
クエスト失敗条件:プレイヤーの死亡
CLEAR 称号【襲撃を退けし者】の称号を手に入れました。
報酬と経験値をお渡しします。】
次の瞬間、身体に広がるレベルアップのときの感覚。
だが、1回だけではなく、2回、3回、4回と来た。
つまり、4レベルもアップしたということである。
さすがに、これは上がりすぎなんじゃないかと考えるが、あれだけ苦労したから妥当かな?とも思える。
アイテムボックスからケージを取り出し、クロの様子を確認する。
だが、クロの見た目が違う。
「あれ・・・?こんな大きかったっけ・・・?」
今までのクロは、狼と言っても子供であるから、せいぜい、小型犬が少し凛々しくなった感じだった。
だが、今のクロは、中型犬と同じような大きさで、非常に野生味のある顔になっていた。
まさしく、テレビでみるような狼の顔である。
そしてなにより、尻尾がさらに毛でモフモフしていた。大事なことなのでもう一度言うがモフモフしているのである。
インフォメーションで流れるかと思ったが、何も流れない。
普通に考えたら成長した、ということなのだろうか?
ステータスの確認をしてみる。
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種族:獣人(狐)
名前:リーザ
LV:9
職業:調教師
HP:24/71(+1)(2↑)
MP:25/32(+1)(2↑)
STM:16/123(+1)(4↑)
STR:40(+5)
DEF:20(+6)
INT:10(+1)
MR :12(+1)
QUI:30(+1)
DEX:18(+2)
SKILL:【テイム】、【リリース】、【指示】、【協力】、【索敵】、【指導LV1】、【短剣術LV1】
称号:なし
残りステータスP:26
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種族:フォレストウルフ(成獣)
名前:クロ
LV:9
HP:12/50(+1)(3↑)
MP;9/26(+1)(2↑)
STM:35:161(+1)(3↑)
STR:22(+1)
DEF:18(+4)
INT:14(+1)
MR :14(+1)
QUI:30(+1)
DEX:15(+1)
SKILL:【噛み付き】、【引っ掻き】、【周囲警戒】、【追撃】、【形態変化】、【麻痺付与】
残りステータスP:28
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・・・成長したというのは間違ってはいないのだろう。
成長ボーナスで色々ステータスがあがっているのだろうと予想もできる。
だがこれは上がりすぎじゃなかろうか・・・。
色々と起こりすぎて、混乱してしまう理沙であった。
モフモフ度がアップしたクロです。
顔の部分が想像できないって方はシベリアンハスキー辺りを思い浮かべてください。




