狩りの時間です!
3度目の浮遊感は、さすがに慣れてしまったのですぐに周りの状況を確認する。
すぐ後ろには、宿屋が見える。
宿屋の入口付近にログインしたみたいだ。
隣では、美紀がウィンドウを開いて何か操作しているのが見えた。
恐らく、リエルさんたちと連絡を取っているんだろう。
その間、邪魔しないようにクロをだしてモフモフしておく。
クロのお腹を撫でていると、美紀が呼びかけてくる。
「今、ギルドマスターであるリエルさんが準備のためにログアウトしたんだってさ。
戻ってくるのは明日昼ぐらいみたい。
しょうがないから狩りにいこうか?」
ギルドに入るには、私たちが入りたいギルドに申請を出し、その後ギルドマスターが許可を出すことで晴れてギルドの一員となれる。
副ギルドマスターが許可を出せるゲームもあるらしいが、FOGではギルドマスターのみとのこと。
「それじゃぁ仕方ないね。
狩りでもしてレベル上げようか。」
どのみち、ギルドの申請が終わった後は狩りをする予定であったので予定に変更は無い。
準備は終わっているので、街の外に行くだけである。
クロを抱き上げ、街の外に向かうことにする。
街の外にでて、草原を見渡してみるが、ほとんど人がいないことに気づいた。
「あれ?いると思ったのにほとんどいない・・・。」
「あ~。多分、大体の人がレベル上げのフィールドを森に移したんだと思うよ。」
ここら辺の敵は、街の近くということもあり、比較的弱い。
そのため、経験値もあまり貰えない。
なので5レベル程になったら、すぐに森に行き狩ったほうが効率がいいとのこと。
「後1レベル上げたら5レベルになるから森で狩ったほうがいいのかな?」
「ん~。あそこはステータスも振った上で5レベルから狩れるってだけで、本来なら適正レベルは10~15レベルなんだよね。」
運営からのステータスボーナスがあるからこそ、森の中で早めに狩ることができるらしい。
本来なら、ここの草原で5レベルまで、森と草原の狭間で10レベルまで、それから森で15レベルまで上げるのが一番いいらしい。
(美紀から、今の状況は、《背伸び狩り》と呼ばれていると聞いた。
本来なら、狩ることが無理な敵をステータスの差で無理矢理狩っている様なものだから背伸びと呼ばれるとのこと。)
「じゃぁ、森で狩るのはまだ後でいいかな~。
スキルとか買ってからにしたいし。」
「そうだね。スキルで補正が付くものもあるし、いきなりステータスが伸びすぎるとびっくりすることもあるからね。」
振る速度が違えば、攻撃するタイミングもずれてくる。
その時、早すぎた場合、空振ってしまうことも考えられるため、ステータスを急激に伸ばすのはお勧めされないとのことだ。
美紀が、序盤少しずつポイントを振っていたのは、その為である。
美紀からの講義を終え、歩いて数歩の所で『野犬』が3匹出てくる。
相変わらず、律儀に待ってくれているようなタイミングである。
武器を構え、狩りの感覚を思い出し、狩りに向かう理沙であった。




