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状況整理をさせてください

『ふむ、そうか。

 それでは、これを渡しておこう。

 完了したら、報告するといい。』


それではな、と言い残し、また空を駆けて見えなくなる。

突然の来訪、突然の内容、突然の帰還。

さっきまでのことは、実は夢だったのではないかと思えるが、クロを見ると、口に何かを咥え、尻尾をぶんぶんさせている。

ついさっきまで、何も咥えてなかったはず。

さっきのは、現実だったのだろう。

クロから、貰い受け、そのアイテムを確認する。

________________________

○フェンリルの勾玉

フェンリルの所有している、勾玉。

複数存在し、勾玉を所有しているもの同士で会話ができる。

※借り物です。捨てることはできません。

________________________


遠く離れていても会話ができるようだ。

これで報告しろということだろう。

そう思い、勾玉をアイテムボックスに入れる。


【調教師クエスト:始まりの試練を開始しました。】


いきなり、流れだすインフォメーション。

つまり、あれはクエストなのだろう。

最初は、フェンリルさんの大きさと迫力に食われて死ぬんじゃないかと思えた。

蓋を開けてみれば、クエストであった。

たちの悪いドッキリに引っかかった気分である。


(そういえば、ティムさん。

 なんでこのクエストのこと教えてくれなかったのだろうか・・・。)


フェンリルさんの話では、調教師となったとき教えてもらえるはずである。

後で、ティムさんにあったら聞いておこうと思う。


美紀は、事情が飲み込めていないようで困惑しているようである。

美紀が落ち着くのを待って、先程のクエストのことを説明しておく。


「ってことは何?今のはクエストで、調教師の人が受けることのできる職業クエストってこと?」


美紀は、ホッとしたという表情で溜息をつく。

いつもの美紀に戻ったところで質問をしておく。


「ところでさ、美紀。

 加護ってなんのこと?」


「ん~、確か称号のことだった気がするよ。

 称号持ってると発動するクエストだとかあったはず。」


加護=称号のことらしい。

美紀の話によると、称号はつける必要がなく、常時発動するパッシブ型で、ステータス増加や一部イベントに関わるようだ。


休憩の時間に起きた来訪で、とてもじゃないが狩りの続きをする気にはなれなかった。

一旦街に戻り、クエストの報告をして、状況を整理することになった。


街に戻る途中、他のプレイヤーが話しかけてくるため、事情を話しておくことにする。

ほとんどのプレイヤーは成程と納得してくれた。

ただ、一部は信じていないようで、しつこく迫ってくる。

その度に、美紀が前に出て、会話を中断してくれる。

本当に、美紀には頭が上がらない。

今度、お菓子を買っていってあげようと誓う。


街に入り、すぐに冒険者ギルドに向かう。

まずは、採取クエストの報酬を受け取るためだ。


クエスト報酬は、薬草が1茎15G、キノコが1株20Gのようだ。

350Gと昨日より少ないと感じるが、狩りは危険が伴うため、そういうものなのだろうと割り切ることにした。


ギルドの前で、一旦美紀と別れることにする。

状況を整理する前に、まずはティムさんに聞きたいことがある。

不安を抱えながら、【職業斡旋所】に向かう理沙であった。

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