冒険へ出発するための準備です
2/17 敵モンスターの名前に『』を追加しました。
一部分章を改稿しました。
【冒険者ギルド】に戻ってきた2人。
ギルドでは様々な窓口がある。
まず1つ目が、事務窓口である。
具体的には、先ほどの職業案内や、クエストの発注などが行われている。
2つ目は、イベント窓口である。
イベントの参加や情報の確認などができる。
こちらは、イベントが行われないと開かれないため、現在は閉じている。
最後に3つ目の窓口として冒険者窓口がある。
これは、クエストの受注、完了報告といった類から、ギルドの発足や解散に至るまでの窓口となっている。
今回、用があるのは3つ目の窓口となる。
2人は、窓口に向かい、クエストの受注を伝える。
現在、2人が受けられるクエストは、
○薬草の採取 E-
○キノコの採取 E-
○『野兎』の討伐 E-
○『野鳥』の討伐 E-
○『野犬』の討伐 E
○『ウルフ』の討伐 E+
となっていた。
クエストの横に書いてあるのがランクであり、ある程度の目安となる。
最初にギルド登録した時がEランクとなる。
E→D→C→B→A→S→SS→SSS
の順で表され、同じランク帯のクエストを複数回こなすことで、次のランクとなれる。
E→DになるためにはE-であれば20回、Eであれば10回、E+であれば5回であがることができる。
(E-を仮に1点とすれば、Eが2点、E+が4点と考えることができるため混同でやっても問題ないそうだ。)
2人で行うとはいえ、理沙は初心者であるため、美紀の判断を待つことにする。
美紀は、職員さんにいくつか質問をすると、クエストを決めたようだ。
「それじゃ、『野犬』と『野兎』、後は採取クエストを受けるけどいい?」
「私は、よくわかんないけど、美紀が判断するならいいんじゃない?
でも、そんなに受けても大丈夫なの?」
「大丈夫、そこは今聞いたから。
しばらくレベルを上げることになるんだし、周辺の雑魚狩りついでにクエストをこなしちゃえばいいんだよ。」
と、なんとも軽い調子で言う美紀。
そんなもんなのかな~、と疑問に思いつつも、VRMMO経験者である美紀の判断を信じることにする。
薬草と採取するキノコの特徴を見せてもうと、薬草は青菜、キノコは椎茸に似ていた。
クロにも見せておくと、クロは匂いを嗅いでいる。
もしかして、クロが見つけてくれるかもしれない。
そんな期待を込めてみたが、顔を背けてしまった。
どうやら匂いは、御気に召さなかったらしい。
クエストの受注が確認され、冒険の準備を行うことになった。
武器はチュートリアルクエストで貰った短剣がある。
必要だとしたら防具だろう。
そこで、まずは防具屋を訪ねることにする。
アリアの街の防具屋は、ギルドからそう離れてはいなかった。
防具屋の店員は、無愛想であまり利用したくはないと思える。
手持ちは最初に一律1000Gを所持している。
買える鎧の中で、一番防御力が高い鎧を買おうとしたら美紀に止められる。
「理沙、そっちを買う必要はないよ。
理沙は皮の鎧で、その子用の防具を買ったらいいんじゃない?」
とのこと。
確かに、自分のことだけを考えていて、クロの防具をすっかり忘れていた。
私とクロ、どっちがより前線に立つかというと圧倒的にクロである。
クロ用の防具がないか尋ねると、丸い玉が置いてある棚に案内される。
最初は馬鹿にされているのかと思っていたが、話を聞くと、調教用モンスターにあわせてサイズが変わる鎧だという。
成長するにつれ、一々買いなおしていたのでは手間だし、お金が足りなくなるという配慮らしい。
皮の鎧が300G。つまりクロの防具の予算は700Gである。
値段を見ると、一番安いので500G、次が1000Gとなっていた・・・。
ないよりはましだろうと、購入し、早速クロに装備してみる。
外見は、ただ布を巻きつけただけに見える。
だが、これでDEFの値が+3されていた。
そのことに不思議を感じながら、準備を終えたことを確認し、いよいよ街の外に踏み出すのであった。




