秋風のお見送り
掲載日:2026/10/15
お〜いと呼んで
眩しい笑顔で手を振る 小さな君
いつも君は私を一番に見つけるね
どこにいても 豆粒くらいに遠くても
道路を挟んだ あちらとこちら
本当にとっても嬉しそう
行き交う車も人にだって 見向きもしないね
手を振りかえす私も 嬉しくて愛おしくて……
でも
いつしか君は 私を見つけなくなった
それに気がつくように
今日は私が 君を見つけた
信号待ちの こちらとあちら
通り過ぎる君の名を呼ぼうとしたけれど
開いた口から 声が出なかった
真っ直ぐに前を向いて歩いてゆく君の
成長を喜び 離れてゆく温もりに切なさを想う
秋風がそっと髪を揺らした頃
君の背は いつしか遠く青空へと消えていく
私は今 どんな顔をしているのだろう




