表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/25

(3)

 謁見の後、私は次代聖女候補の少女に会った。


 彼女の名はエリシア。孤児院で育った、十歳の少女だ。


「あなたが――聖女の娘?」


 エリシアは大きな目で私を見つめた。


「ええ。でも、私は聖女にはならないわ」


「なぜ?」


「だって、聖女は大変でしょう?」


 私は優しく微笑んだ。


「皆の期待を背負って、常に完璧でいなければならない」


 エリシアは小さく頷いた。


「でも――私がなるの?」


「そうよ。でもね」


 私は彼女の手を取った。


「あなたは一人じゃない。私たちが、あなたを支える」


「本当?」


「本当よ」


 私は約束した。


「これからは、聖女一人に負担を押し付けない。医療制度で、皆が支え合う」


 エリシアは安心したように笑った。


「わかった。頑張る」


 私は彼女を見送った後、窓の外を見た。


 王都の街並み。そこには、新しい未来が待っている。


 ――母さん。


 私は心の中で呟いた。


 ――あなたの願いは、これから実現する。制度という形で。


 そして――私は、影からそれを守り続ける。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ