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え!王子の私がパーティーで断罪されるの!?

作者: 夜明青




どんぐりころころよろしく、池に落ちて思い出した。

ここ乙女ゲームじゃん、しかも妹がやってたやつ。



ファンタジー学園物乙女ゲーム、タイトルは何故か思い出せない。


まずいのが、このゲームはヒロインを選べるってこと。


実は貴族の血をひいているけど何故か市井で暮らしてて光魔法が使えることで聖女だと発覚する正統派乙女ゲームモード。


公爵家の娘で強い魔力持ちの正統派乙女ゲームモードだと悪役として立ちはだかる相手を選ぶ、悪役令嬢モード。


僕である第三王子のルピナスは正統派乙女ゲームモードの個人ルートと逆ハーレムルートのとき攻略される。

ちなみに攻略対象だけあって顔はとても良い。


正統派乙女ゲームモードでは全く攻略されないかちゃんと攻略されたら大丈夫だけど、攻略が中途半端だったりすると王位継承権を奪われ、塔へ幽閉されてしまう。

なお理由は忘れた。


悪役令嬢モードだと、正統派乙女ゲームモードの攻略相手は正論とどんでん返しをくらって大体全員終わる。

悪役令嬢の婚約者のお兄様も、侯爵家も伯爵家も男爵家も、ついでに僕も終わる。

唯一無事なのは妹の見方をする公爵家の跡取りくらい。

終わるって言っても死ぬとかではなく、家督がつげなくなるとか生涯幽閉だから良いかな、いや、うん。

貴族として死ぬし幽閉されるんだから、死んだと同じだわ。なんもよくねえわ。


しかし、まだ僕は4歳!伸び代しかない!

勉強サボって池に落ちたけど心を入れ替えて頑張るのだ!

回避せよ!幽閉ライフ!



あまりにも勉強も魔法も剣術も頑張りすぎてたら神童とかいわれたり、僕を王位へという派閥ができたから、人に見せる時は適度に手を抜いてやるようにしたら凡人扱いに戻りホッとした。

幽閉ライフ回避するのに、死亡フラグ立てるところだった。



それから10年たって学園生活がスタートしたのだけど、どうもおかしい。

正統派乙女ゲームモードなのか悪役令嬢モードなのか判別できないというか、どちらのイベントもおきてるのもあれば、ないのもあるのだ。


ただお兄様と令嬢(悪役令嬢になりそう感じゼロ)の仲は悪くないし、聖女とくっつく感じもない。

というか今、聖女と一番仲良いのって公爵家の跡取りでは?

あれ?そんなルートあったっけ?


まあよく解かんないけど、魔力や体力を高めるために学園をこっそり抜け出して髪と目の色を変えて覆面をつけて冒険者をやったりもしている。

今では上位冒険者だ、これ以上になると国王に挨拶し実技を見せなくてはならないからそれは出来ないので、ここまでかな。


そんなある日、聖女と図書室でたまたまぶつかってしまった。

その拍子に彼女に近い距離で覆いかぶさってしまい、それを公爵家の跡取り眼鏡に見られた。


何故か跡取り眼鏡(ムカつくから名前なんて覚えたくない)は彼女の心配をしてるし、聖女は跡取りにこれは事故なのと何故か哀れぽく同情心を誘うように説明している。


おい、本当に事故以外の何物でもねーよ。

私(僕は王族としてNGとので矯正された)は胸がでかい女が好きなんだよ。

いくら美少女でも、そんなささやかな胸は好きじゃねえ。

だって丘じゃん、そいつの胸。せめて山になってから出直してきてくれ。


そんなこと考えてたら跡取り眼鏡に凄まじい顔で睨まれたけど、その場から何も言わずにトンズラした。

多分これがいけなかった。


翌日から聖女を襲ったクソ野郎として噂が出回ったのだ。

仮にも王子、直接的になにかしてくる馬鹿はいないが皆の視線が痛い。

そして前とは違う意味で距離をおかれてる。

前までは王子様なんて畏れ多いだったのに、今は聖女を襲ったクソ野郎として敬遠されているのだ。


そこから卒業するまでは地獄だった。

遠巻きにされ、班を作るような時はその人達がイヤイヤなのが丸見え、でも王子だからということで仲間外れにも出来ず、仕方ないから義務でやってまーすってのがガンガンわかる。

お互い成績のことがあるから手は抜かないけど一緒にいたくないですオーラが凄い。

私のメンタルは死んだ、ガラスよりも脆いんだよ。復活も早いけど。


そんなこんなで卒業まで頑張って、最後のダンスパーティーの日をむかえた。

お兄様は令嬢と無事婚約式をあげられたし、聖女は他の攻略対象ではなく公爵家の跡取りとくっつきそうで安心である。


尚、私を誘ってくれる女性も、誘いにのってくれる女性もいなかったことだけが本当に悲しい。

ジュースを飲みながら皆を見ていると、


「君は王子に相応しくない!」


え!?なに?

驚いてそちらを見ると公爵家の跡取りが何やら紙の束を持ちながら、眼鏡をクイックイッとして私に叫んでいる。


「これは君が聖女にやった嫌がらせをまとめたものだ!裏付けもとれている!」


いや、え、どういうこと?


「何よりも!国王様もご承知だ!」


あの人は自ら調べもしてないだろうし、第三王子よりも聖女をとるよ。私はスペアにすらならない第三王子だもん。

でも、すっげえ、王政のこの国において、こうも堂々と王子を非難できるとは。

あー公爵家だもんな、金銭的な意味でも武力的な意味でも他国へいかれたらやばいからなー。


というか、これ、悪役令嬢の断罪では?

いつの間にか私が悪役令嬢ポジションになってた?

股にぶら下がってる物がある令嬢なんて私は嫌だなーと軽く現実逃避してしまう。


「国王陛下よりお言葉を賜った!第三王子は今日にて継承権を失い、北の塔へと住まいを移すようにと!」


まって!まって!まって!

幽閉ルートじゃん!それを回避する為に頑張ってたのに。


「申し開きはないのか。」


めちゃくちゃあるよクソ眼鏡、とりあえず目障りだからクイックイッするのやめろ。


「私は一切、聖女に嫌がらせ等してません。そして私は。」


長く伸ばした髪を魔法でバッサリ切り、陰険クソ眼鏡をぶん投げて、


「本日死んだということで。」


そのまま魔力で身体を強化して、窓から飛び降りて学園を抜けだした。

よし!このまま本気で冒険者になろう!他国へ渡ろう!

万が一に備えて市井のことは勉強しておいた。


あばよ!クソども!

とりあえず服についた宝石を換金だ!



その日勢いではじめて高級娼館に行ったけど緊張しすぎて何も出来なかった事は記憶から消したい。でも、お胸は触らせてもらったし!最高でした!





全く使えてないけど、銀髪の美男子設定だったんです。


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