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強制的な孤独  作者: 藍内
9/31

しばらく先生に会ってないな

「そういえばさー、美奈都はそんな感じの髪に冒険しないの?」

「私があんまりそういうことしないの知ってるでしょ?」

「だよね」

 私は社会人になる前から、もっと言うと小学生のころから髪はほとんど伸ばしていない。伸ばしても大体肩から数cm間があるくらいまで。なんとはなしに髪を触る。そこまで気を使っている訳ではないけど最低限のケアぐらいはしている。そのかいあってかお世辞でも「髪きれーい」ぐらいは言ってもらえる。

 この髪の長さの話をすると、小学生の時の北見先生を思い出す。あの頃は「ゆかちゃん先生」と呼んでいたな。


 ほんわかとした優しい先生で、それでいて私が嫌がらせをされていた時は――私がムカつく男子にキツイ言い方していたのが原因かもしれないけど――、一生懸命かばってくれたりした。

 そのゆかちゃん先生がふんわりとしたボブカットだったので、当時の私は七五三のころから長かった髪を、両親の反対を押し切ってバッサリ切ってもらった。

 夏休み明け、先生は私のちょっとした冒険を、

「わー、かわいい。先生とおそろいだねー」

 と喜んでくれた。ただしそう言った先生の髪は、耳にかかる程度のかなり短いヘアスタイルになっていた。

「あっ、そういえば先生気分転換に結構短くしてたんだった」

 そう言って恥ずかしそうに笑う先生に私は何も言えなかった。


 先生と同じ髪型にはならなかったけど、夏休み中ずっと眺めていた私のその髪型はお気に入りになり、微妙にアレンジすることはあっても基本形は何だかんだずっとおんなじままだ。


 ゆか先生どうしてるかな。ここ数年会ってないし、卒業後にしていた手紙のやり取りも流石にもう無くなっている。

 元気でいて欲しいな、昔と変わらずに。

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