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強制的な孤独  作者: 藍内
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二人合わせても情報が増えない

「それでさ、さっきの中山さんの話に戻るんだけど、私は美奈都ほど物覚え良くはないけどね、ちょっとは中山さんの事は覚えているつもりだよ」

「そうなの?」

 なんか接点あったのかな。

「名前の読みが似てるからまぎらわしくって」

 真子の苗字は加山だ。ナカヤマ、カヤマ……そういえば確かに。

「そういやそうね」

「でしょ? 美奈都はいつも真子って呼んでくれるから別に何ともなかったけど、他の人にナカヤマさんって呼ばれて、最初のナがよく聞こえなかったりはっきり発音してくれなかったらね。時々中山さんと「どっちだろ?」って顔を見合わせたりもしたりして」

 言われてみるとそういう場面を見たことある気がする。当然だけど、いちいちそんなところまではっきり覚えてなんかいない。

「あとはねー、えっとねー、……うん、美奈都が言っていたのと同じ感じ」

「あんまり情報が増えなかった」

 ぐぅ、と良く分からない声を真子は発した。ちょっと厳しかったかな。

「だってさー、あんまり印象に残ってなかったしー。はっきり言って普通の子って言うか、だいぶ控えめな子だったでしょ?」

 それは確かだ。むしろそうじゃなければ覚えている。

「あっ、思い出した。3年の時に急に髪を明るめにして、インナーカラーとか入れてさ、で、ベリーショートまではいかないけど結構短めにしてて、ギャップ的なとこでちょい目立ってた」

「なんかあったような無かったような……。でも別の子だったかも。だめねー、数年前のことなのに」

 30にもなってないのに、……まだこの年で記憶力が劣化しているとは思いたくない。

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