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強制的な孤独  作者: 藍内
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しっくりこない会話

 どういうこと? 中山さんとそういう関係だったっけ? 加山は真子の苗字だけど、真子自体も私と同じグループだから中山さんとはほとんど交流はなかったはず。

 しかし私の怪訝な気持ちとは関係なく中山さんはしゃべり続ける。

「やっぱり神田さんと話すの楽しいなぁ。こっちの仕事に転職してよかった。大学出てから一回地元に戻ったけど、岐阜のド田舎だからつまんなくて」

「そりゃそうよ。東京ほどじゃないけど名古屋は一応都会だし」

「やっぱり都会に出ないとね。社会人になって使えるお金が増えるとさ、行きたい店や買い物したい店がある都会は余計いいな、って思うの。それにここなら神田さんもいるし」

 と言って、中山さんはまたニコッと笑った。

 うーん、なんかしっくりこない。


 それからカフェで1時間ぐらい話す間、中山さんはずっとぐいぐい来ていた。そういう人だったらなおさら印象に残って覚えてそうだけど。


 ドリンクもスイーツも(きれいな焼き目のチーズケーキで結構おいしかった)あらかた片付き、話したいことも聞きたいことも尽きてきた。中山さんはまだまだいたそうだけど、こっちが帰りたいオーラを出し続けると察してくれたようだ。

 中山さんが立ち上がってカバンから財布を取り出そうとしていると長い髪がバサッと前に落ちた。その髪を中山さんが耳にかけると、サイドが刈り上げられているのに今さらながら気づいた。

「結構いってるね。意外」

「――そうなの。暑いし、目立たないと思って。秋になったからもう伸ばしていくつもりだけどね」

 そういうのはちょっと攻めてるんだ。中山さんはちょっと照れたような表情をしている。

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