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強制的な孤独  作者: 藍内
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誰も知る人のいない職場

 仕事終わり、比較的定時に帰れるこの職場。金曜ともなると仲の良い職員同士では食事や飲み会の予定に浮かれている人も少なくない。そこまでいかなくても通勤手段や経路が同じ物同士は仕事を終えた解放感で、帰り支度をする頃からおしゃべりが弾んでいた。

 私は誰にも声をかけず一人で帰る。どうしようもない。〝知っている″人間が誰一人いないからだ。


――ある日、自分の知る人達、同僚、友達、家族、色んな人達が別人に替わっていった――



 例えば斜め前の席に座って請求書の整理がようやく終わったらしい石井さん。特別仲良い訳ではないけど、少なくとも丁寧に手入れされた長い黒髪、暖色系のフレームのメガネ、険しい顔つきの事も多いけど私の――打率は低いけど――冗談に恥ずかしそうに笑う姿や、なんだかんだあんまり怒ってこない優しいところは結構好きな方だった。

 でも今いる石井さんは――、

「神田さん、またミスがありましたよ」

「あー、何かやっちゃいました?」

「ここの記載が抜けてますし、こっちは書式が古いです。週明けに改めて出してください。

 はぁ、これで三回目です」

「すいませんね」

 当てつけのようにため息までつかなくてもいいのに。こっちがはぁ、って言いたいわ。

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