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天才少女の転生譚・Memory Restoration  作者: はとかぜ
phaseⅠ lost memory
8/26

EP7 神薙里菜

 



「じゃあ、もう私に逆らわない?約束できる?」


「わっ…わかったから勘弁して!」


 私は、昔から……具体的に言うと、幼稚園の頃に男子を腕っぷしで従わせてからずっと、人を支配するのが好きだ。


 でもドSってわけじゃない。ひたすら痛めつけても人の支配なんてできっこない。


 だから、顔と言葉、アメとムでうまく人心を掌握する


 友達なんて不明瞭なものより、こっちの方が学校生活を掌握するには簡単だ。


 中学校を卒業する頃には、私は学年の過半数を支配することに成功していた。




 だけど、高校ではどうやっても丸め込めない、メンタルも知能も桁違いな少女に出会った。


 初めて友達を作ったのはそのときだった。


 ◇◇◇


「里奈さん、あの、大丈夫なのですか?」


「いいの、宿題ばっかりは貴方達は使えないわ、筆跡でバレちゃうもの」


「……分かりました、では失礼します」


 私は一人、教室の中に居た。今はかなり提出物がピンチなのだ。


「さっさと終わらせないと、明日は遊びに行く約束をしてるのに」


 私はノートにシャーペンを走らせる。新学校なだけあって、授業の進みもかなり早かった。


「……もう少し偏差値低くしても良かったかな?」


 私はふと、外を見る。何か、背筋に悪寒が走った。


 ピロンピロン


「……緊急地震速報、予想最大震度7、震源地は南海トラフ全体、推定マグニチュードは……」


 私は目を疑った。同時に、地面が小さく振動する。


「……10……!?」


 マグニチュード10は、チリ地震のときのマグニチュード9.5を上回る値だ。そもそもこれが地球で起こり得る地震の最大マグニチュードと言われているくらいだ。


 それに震源はこの付近だ。


 どんな状況になるかは、想像に難くなかった。


「…………っっ!!!?」


 ガラスが割れ、床が軋み、ヒビが入る。周囲のものというものは倒れ、破壊し尽くされる。


 天井もヒビが入り、校舎全体がボロボロとなった。


 私は、息もできない痛みの中で、意識を手放した。


 ◇◇◇


 ――――――…


 ―――――――――――――……


 10分……いや、15分は経ったかもしれない。


 私は息絶え絶えになりながらも、瓦礫の下で生きていた。


 脚は潰されて動かない。自分の下半身は見たくもなかった。


「…………あ………………」


 海の方から、大きな濁流の音がする。津波だった。




「…………バイバイ」




 ◆◆◆




「……一応、聞きます。根拠は何かあるんですか?」


「そーねぇ、たまごサンドの話とか。そもそもあなた、たまごのこと知っていたの?」


「……んー……味は知ってるのに食べたことはないし、他は形も何も分からないです」


 フィリアがわかるのは“味”だけ、しかし、味というのはかなり個人の主観に依存する。


 好きな人が食べれば、それを旨味として感じるだろうし、嫌いな人が食べれば、それを雑味として認識するだろう。


 体験したことないものを、完璧に予想するのはほぼ不可能だ。


 天気予報もそうだが、必ずどこかでズレが生じる。いつまでも100%でいられるわけじゃない。




(だからこそよ、私の『支配者の目』を使っても、嘘はついているように見えないし、盗み取ったイメージと私が感じた味は、ほとんど同じだ。というか、この子を買ったときから違和感はあった)


 私は、メイド服をきた、私と同い年くらいの少女を見つめた。


(この子の脳内で回り続けていた思考は、昔、私と同じ世界で暮らしていたことがあるなら、全て辻褄が合う、なら……


 私と同じ、転生者?)


「あの……どうかしたんですか?」


「あっ……いや、何でもないわ」


 私は慌てて、ぼーっとしていた状態から立ち直る。


 どうせ、これから6年は一緒に居ることになるのだ。焦っても意味はない。


(時間をかけて探っていけばいい、失ったであろう記憶を戻しながら、ね)

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