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1000文字小説

夏祭りの思い出

作者: 赤月白羽

 うちでは毎年、近所にある神社の夏のお祭りに家族で行ってて、年末年始とお盆を合わせて我家の年間三大行事の一つになっている。

 あれは確か、小学3年生の時だった。いつも家族で行ってた夏祭りだったが、この年は父も母も仕事が忙しくて祭りに行くことができなかった。どうしても行きたかった私は「ひとりで行く!」と駄々をこねたものだが、大きな祭りで地元民だけでなく観光客も大勢くる祭りだったため、子供が1人で回るのは危ないからダメだとやり込められた。

 そんな時、悠ちゃんが、自分が一緒に行くからと両親を説得してくれた。悠ちゃんというのは悠真という近所に住んでいた一つ上の再従兄だ。当時人見知りな私はなかなか友達ができず、近所ということもあって、家族で親交が深く歳も近かった悠ちゃんについて回っていた。悠ちゃんもそんな私とよく一緒に遊んでくれ、どこかに行くときは一緒に連れていってくれた。私がいるときは危ないところには行かず、私を連れていることで友達に揶揄われても意に返さず、まるで兄のように私の面倒を見てくれてた。

 両親もそんな悠ちゃんを頼りにしていたらしく、子供の頃からしっかりした所のある悠ちゃんのことは結構信頼していたのか「悠ちゃんが一緒なら」ということでお祭りに行くことを許してくれた。

 その年のお祭りは最高だった。父たちがおらず、子供だけでの露天巡りはなんだか冒険をしているようで、それが悠ちゃんと2人きりだというのも気持ちを昂らせているのかもしれない。

 悠ちゃんは私をはぐれさせまいとしてか、しっかりと手を繋いで人混みの中を掻い潜りながら前を進んでいた。繋いだ手は暑さからか緊張してか汗ばんでおり、自分達より背が高い、まるで壁のような大人たちの中を進んでいるからか、父たちから私の面倒を任された責任感からか悠ちゃんの顔はずっと強張っていて、それが可笑しくもあり頼もしかった。

 帰るのが遅くなってはいけないからと早めに帰ったからあまり露天は回れなかっけど、幸せなひとときで、いまでも一番の思い出だ。

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