表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/32

戦闘態勢

 期待外れに終わった第一の宝箱。

 まだ見ぬ先へと希望を乗せて、足を進める。


 今更ながら思うが…【初心者の試練】試練…。


 そもそも試練ってパーティとかで挑んでも良かったのだろうか?


 今更である。


 宝箱の中身もゲームを始めたばかりの初心者なら…。「畑作るぞ!」とか「ガーデニングやるぞ!」とか…テンション上がるかも?


 通路の細さもそうだ。パーティで戦うには不向きだよな。


「ここってさ…1人用とかだったのかな?」


 我慢できなくなった俺は、疑問を口にする。


「十中八九そうだろ?試練だしな!」


 ロイの軽快な声が響く。


 皆、頷いている。


「知らなかったの…俺だけ?」


「そうね。」


 優しい声音がダンジョンの奥へと響いていった。


 ヒタヒタ。ぴちゃぴちゃ。


 また、足音だ。やはり水棲の魔獣だろうか?

 先程の【狩魚人】に、似た影が浮かび上がる。


 ギョオオオォギョオオオォ。


 今度の【狩魚人】は鳴き声をあげている。


 此方に気がついたのか、一気に加速し槍を突き出した。

 レイの頬を掠め、手応えが無かったことに苛立ったのか、幾度も槍を突き出してくる。


 レイの頬からは薄らと血が流れ落ちる。


 さらに厄介な事に狭い通路に無理やり3匹連なり、壁を造り槍を突き出す。狙ってやってるのか、賢くないのか

 は不明であるが、槍は、出せても前に進む以外行動出来なくなったようだ。


 そうして、ザクッりと。レイが剣で左右から切断し…【狩魚人】は崩れ落ちた。


 カランカランカラン。


 突き出された槍が落ちる音だけが響き渡った。


 無言で頬を拭い、先に進むレイの後を静かに追うのであった。


 その後も、【狩魚人】しか出現しなかったので、レイの独壇場となった。


 この階層の、残りの宝箱の中には、ポーションセットの入った箱と、お鍋やフライパン、オタマそれから万能包丁が入ったお料理箱…。


 初心者向けだからな。


 既に中身について言及する者はいなかった。

 けれど、きっちり回収はしておく。


 いつから入ってるポーションなのかとか、細かい事は考えないのが鉄則だと思う。気にしたら負けだから。


 順調に、1階層は終わり突き当たりには更に下へと続く階段があった。


 階段に差し掛かると、先頭だったレイに変わり、ロイが先に降りていく。《探知》のためである。


 その後も【狩魚人】は出没するものの、大した脅威もなく、順調に2階層、3階層、4階層と地下へ地下へと降りて行った。


 宝箱については、触れないで欲しいと思う。


 村へ帰れたら…生活が楽になる事は間違いない!

 そう思える品々である事だけは良かった。


「次がいよいよ、最下層になるのか…。」


 呆気ないと言うか、ここまでの階層の魔獣ならさして脅威では無いと思う。猫獣人が逃げ出す程の()()がこの先に存在している事を思うと、身震いがした。


 最下層に降りる前に、携帯した水や欲し魚と干し肉で、簡易な休憩をとる。


 レイとロイ以外はたいして何もして無いのだが、喉は乾くし、やはり腹も減るのだ。


【狩魚人】に警戒しつつ、無言のまま休憩を終え。


「行くぞ!」


 ロイが声をかけ階段を降りていく。


 《探知》


 罠はなく、宝箱が幾つかあるとの事。


 最下層なら、さぞかし期待できるの…かなぁ?

 それに関しては疑問でしかない。


 慎重に階段を降りきった。


 青い洞窟が広がっていた。上の階までの人工的な造りとは違い、自然だった。


 上を見るも、天井がとても高くなっている。どうやら、この空間を囲う壁の周りに、各階の通路や階段があったのだろう。故に天井は上に向かうに連れ四角く層になっていた。


「行きましょ!」


 先程まで、縦一列になって進んで居たが、この階では横に、広がりはせず、お互い手が届く距離で移動する。


 気を抜いてはいけないのだ。


 不意に流れ落ちる水の音がしてきた。滝だ。

 大きな青い岩に苔を纏い、岩の登頂部付近から水が流れ落ちて壮大な滝を作りあげていた。

 滝の下で水飛沫があがっている。流れ落ちる水で大きな湖が形成されて、水ある所の傍に青白く発光する、草や茸が生えていた。


 綺麗だが何処か不気味であった。


「ここで行き止まりか…。」


 そう発した俺の言葉を合図に一同は歩みを止めた。


 俺は湖の中が妙に気になり、覗き込んだ。


 その刹那、湖面を大きく割り、大きな壁さながらに水を纏った ()()()は姿を現したのである。


「そんにゃ…」


 震えるキャロをロイが支える。


【黒龍種】だった。


 長く湖に生息していたのか、鱗は青く、白い角が4本、開いた口許には、尖って鋭い牙がびっしりと並んでいた。齧られたら死を覚悟するしか無いだろう。


 湖面を覗き込んでいた俺も、仲間の方へと飛びず去り。

 一応の距離は保てた。


 やる気満々に武器を構えるレイ。それに触発されたロイも構える。


 《身体強化》《魔族の微笑み》《防御》


 ミュラーのバフが幾重にも重ねがけされる。

 そうして、地を蹴り駆け出したレイに続きロイ、ミュラーが黒龍種に襲いかかった。


 何時もは難なく斬り伏せるレイの剣も、黒龍種の鱗に弾き返される。

 ロイの短剣も貫く事はできず。

 ミュラー渾身のパンチも効いていないようだ。


 グルぉぉぉぉ!


 嘲笑うかのように咆哮をあげ、その巨体からは想像も出来ないスピードで尾を振り上げ、3人を次々と打ちのめしていく。


 キャロは戦意が元々無く、ただ岩場の影で震えている。


 打ちのめされた3人は再び立ち上がり、再度攻撃を仕掛けていく。それを軽くあしらって打ちのめす黒龍種は楽しんでいるかのようだった。


 俺はその光景に動けずにいた。

【読者の皆さまへ】


この小説を読んで


「面白い!」


「続きが気になる!」


と思われたら、↓の☆☆☆☆☆ボタンを★★★★★に変えて応援していただけますと嬉しいです!


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ