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アレクサンダー英雄戦記 ~最強の土魔術士~  作者: 大野半兵衛
十二章

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097_失地奪還戦

 


 アレクの機甲科魔術部隊は、敵味方が入り乱れる戦場へ駆けつけた。

 思わぬ乱戦に機甲科魔術部隊の特徴の1つである魔術の破壊力が生かせない。

「閣下、敵の後方へ回り込みましょう!」

 機甲科魔術部隊の参謀を務めるジョナサン・アルバレス少佐の進言を受けて、アレクはそれを了承する。

「マッタンホルン大尉、敵の後方へ回り込んでください」

 機甲科魔術部隊の最前列を走るセリーヌ・マッタンホルンへ大声で指示する。

「了解しました!」

 セリーヌ・マッタンホルンは進路をやや左に取り、機甲科魔術部隊を先導した。


「閣下、あそこから敵しかいません! あそこを分断するように落とし穴をお願いします」

 ジョナサン・アルバレスが指さす場所にアレクが視線を動かすと、頷きトレントの杖を両手で胸の前で持つ。

 数秒の溜めがあり、魔法陣が浮かび上がるとジョナサン・アルバレスが指定した場所の地面が大きく窪みを作った。

 帝国兵が千人規模で地面に落ちていく。これで左翼が持ち直してくれればいいのだがと思う。

 ジョナサン・アルバレスだけではなく、機甲科魔術部隊の全員が相変わらずあり得ない魔術だと、落とし穴の規模に感嘆する。


「閣下、敵左翼に魔術攻撃をします」

 副隊長のトット・エギヌ中佐が魔術筒による魔術の掃射を促してきた。

「エギヌ中佐に任せます」

「はっ!」

 トット・エギヌが手を上げる。

「総員、構え!」

 その命令で魔術筒を持った兵士と魔術士が魔術をうつ準備に入る。

「狙いは混乱している敵の後衛部隊」

 手を上げてから十秒ほどで魔術士の詠唱も終わる。

「撃てっ!」

 トット・エギヌが手をスッと振り下ろし、魔術が掃射される。


 機甲科魔術部隊の武器の一つである機動力によって一気に走り抜けたアレクたちは、帝国軍の右翼本陣へ魔術を叩きこんだ。

 帝国軍右翼の本陣も、あり得ない規模の落とし穴ができて味方の兵が大量に餌食になったことから、ソウテイ王国の英雄アレクサンダー・デーゼマンがやってきたのだと気づき、素早く魔術士たちに警戒を促す。

 魔術士たちはあり得ない規模の落とし穴を見て、あんな落とし穴に対処などできないと諦め顔だ。

 だが、本陣への攻撃は普通の魔術の掃射だったため、慌てて防御する。


 右翼の指揮を任されていたアレクシス・フォン・ハインケス少将は帝国軍でも珍しい女性将官である。

 今年で35歳になるアレクシス・フォン・ハインケスは女性としてはやや大柄だが、その美しい金髪もあって金色の女帝と言われる女傑である。

 これまで幾多の戦場において武功を重ねてきたアレクシス・フォン・ハインケスは、帝国南部方面軍司令官のサンダー・カルコスに請われて南部方面軍へ配置換えになった。

 アレクシス・フォン・ハインケスは剣を抜き、視線の先に見えるアースリザードに乗った部隊を睨みつける。


「敵の数は少ない! 一気に押しつぶせ!」

 本陣ということもあって数は多くないが、それでも1500の騎兵が控えている。

 この騎兵を投入するところで地面が割けて味方兵士が地面に落ちていった。もう少しで帝国の勝利を決定づけることができたところで、邪魔された金髪の女帝は怒り心頭である。

 本陣から1500の騎兵が一気に駆け出した。


 一方、金髪の女帝アレクシス・フォン・ハインケスを怒らせたアレクは、魔術の掃射後フリオに突撃を指示した。

「バトルホース隊、突撃だ!」

「おおおおっ!」

 たった30騎のバトルホース隊だが、その突撃による破壊力は先の戦いで証明されている。

 もっとも、デーゼマン家の関係者でこのバトルホース隊の戦闘力を疑問視するようなものはいないが。


 フリオは先頭を駆けて、槍を構える。

 視線の先には1500騎の騎馬隊が土煙を巻き上げて突進してくる。

「怯むな! 怯めば死ぬぞ!」

「おうっ!」

 部下を鼓舞して自らが真っ先に敵の騎馬隊へ突撃していく。


「たぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 フリオが片手で槍を振れば、それだけで敵の騎馬ごと兵士を薙ぎ払う。

 帝国騎馬隊は次から次に薙ぎ払われ、無残に命を散らす。

「遅れるな、一気に突き破るぞ!」

「おうっ!」

 圧倒的な数の差がありながら、帝国騎馬隊はフリオのバトルホース隊になす術がない。

 バトルホース隊は一気に帝国騎馬隊を突破し、そのまま本陣を狙う。


 フリオのバトルホース隊が帝国騎馬隊を突破したのを見たアレクは、帝国騎馬隊に向けて魔術を掃射した。

 帝国騎馬隊に魔術士はおらず、魔術を防ぐことができずに多くの者が倒れていく。

 精強で知られた金髪の女帝の騎馬隊へアレクの機甲科魔術部隊も突撃するが、こちらはフリオのバトルホース隊が開けた穴をさらに開けるように突っ込んだ。

「撃って、撃って、撃ちまくれーーーっ!」

 トット・エギヌの大声が戦場に響き渡る。


 今回、機甲科魔術部隊にはマリアの姿もある。

 マリアは面倒がったが、カーシャがアレクのそばでアレクを守れと言って参加させたのだ。

 だからマリアはトット・エギヌの命にしたがって攻撃魔術は撃たず、味方兵が危なくなったらそれを助けるように立ち回った。そのほうがただ攻撃するよりもよほど大変だったが、そういったことをこともなげにできるのがマリアである。

 マリアに助けられた兵士たちは、戦場に天使が舞い降りたと後に語るのだった。


 

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― 新着の感想 ―
[一言] もう名前出てきても誰だかわかんないのが多いや。仕方ないんだろうけどそこら辺は読むのがしんどくなるね
[気になる点] アレクたちは、帝国軍の右翼本脳陣へ魔術を叩きこんだ。 誤字??本脳陣
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