9/13
ユーリの月、1日
天候:朝に雨、昼間は曇り
風向き:無風
今日は街に行ってきた。もう二度と行くものかと思うくらいに足が痛んだ。急ぎ足で行き過ぎたのかもしれないが。
リオの工房に顔を出すと、彼はとても驚いていた。足を休ませがてら、彼の徒弟たちの仕事ぶりを眺めていた。盛況という割には、彼らの仕事はとてもゆっくりだ。
急かさなくていいのかというと、彼は急かしてもいいものは生まれない、と答えた。急いで作った物にはどこかしらの綻びが生じ、それは工房が傾くことにつながる、という。
それを聞き、父を思い出した。彼は誰彼構わず急かしていた。私が子供の頃は早く大きくなれと、丁稚らにはすぐに帰って来いと、自分自身には歩くことを禁じて常に走れと。まったく逆であるのに、なぜだろう。
帰りはゆっくりと帰った。足の調子はだいぶましになっていた。