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婚ぎの月、26日
以前リオに、このあたりに井戸はないのかと聞いたが、海に近い井戸水は塩辛くて飲める代物ではないのだそうだ。海の近くに住むのは初めてであったが、そういうものなのか。
ここら辺の家は基本、雨水を貯めて使っているらしい。灯台守の家もそうして水瓶に雨水をためているのだが、溜まった雨水さえも少しだけ塩味がした。井戸よりはマシだということなのだろうか?
外の薪を運んだ時にワインを混ぜた水を飲んで気付いたのだが、それにしてもこの体は外に出るのさえも億劫になる。ランプ交換のための灯台の登り降りは最たるものだ。常に着けなくていいのがせめての救いか。
リオは魔道具を改良し、灯台をより明るく、管理しやすいようにすると言っていた。そんなことより、私が奴隷を買いに行った方が数段早そうだ。