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6. 実食およびゼリーのおいしさに関する評価

 多層積層バケツゼリーもまた,普通のゼリーと同じく美味であった.程よい弾力が特徴的で,柔らかすぎず固すぎず,実に理想的なぷるぷる感を醸し出していた.よく冷えたそれは健やかなのどごしをもってお腹の中に納まっていき,夏の暑い日に一時の幸福をもたらしてくれた.


 味に関しては,全体としてサイダーのしゅわしゅわ感が思った以上に残されており,使用したみかんの缶詰に含まれていた甘いシロップと見事な調和を見せていた.サイダーの爽やかな甘さと,みかんのどこか懐かしい甘酸っぱさが互いを引き立て合う様は素晴らしく,一口,もう一口となかなか手を止めさせてくれないほどのコンビネーションは筆舌に尽くしがたいほどであった.贅沢にみかんがごろっと使われている点もすばらしく,弾む様な心地よいゼリーの弾力に時折アクセントを加えていた.このような食感にも飽きをこさせない工夫も評価点の一つだろう.


 上層部に関しては,赤く着色しただけのはずなのに,中層部の透明なゼリーに比べて仄かにイチゴのような香りが感じられた気がした.また,メロンシロップによって着色した下層部に関しては,想像していた以上に強いメロンの風味が残っており,メロンソーダゼリーのような味を楽しむことができた.意外にも,ここに投入されたみかんはメロンソーダの風味と喧嘩することなく調和しており,どことなくフルーツポンチを彷彿とさせる味わいを堪能することができた.


 しかし,全体として見れば満足する結果ではあったものの,やはり食べ進めていくうちに味に飽きが生じる点については否めなかった.今回においては三層のうち二層が同じ味だったほか,そもそもの体積が大きいため,異なる味を食べ比べることができるといっても,相当な量を食べねばならなかったのが原因だと考えられる.


 また,通常この手のバケツゼリーは上層部から食べ進めるため,ある程度食べるまで他の味を楽しむことができないのも大きな問題点だと判明した.これを回避する方法として,ゼリーを外周部から食べ進める,あるいはケーキのように等分して食べる手法があげられるが,これらの手法はバケツゼリーの崩壊を引き起こす可能性も秘めているため,そもそもの問題の根本的な解決に至らないという欠点もある.


 よって,様々なフレーバーを用いたゼリーを使用することで積層数を多くする,ゼリーに投入する具材の種類をより豊富にする,一緒にゼリーを食べるおともだちをもっとたくさん呼ぶ,そもそも作成するバケツゼリーをもっと小さくするなどといった方法を取ることで,これらの問題を解決できる可能性があると考える.

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