第4話 豚が仲間になった
豚は言った。
ブヒブヒ、と。
うん、わからん。
豚の体長は50センチほど。
日本の豚と何1つ変わらない。大きさから子供だと思う。
親とはぐれたのだろうか?
俺は豚を拾い上げる。
「かわいいな、お前」
丸い目と鼻。体は小さく。綺麗なピンク色。
兎もどき同様に警戒心がない。
というよりも、懐いているみたいだ。
地面に置くと、俺の後を着いて来る。ちょっと可愛い。俺のことを親と思っているのかも。
よし、仲間にしよう。
もしもお腹が減っていたら今頃お腹の中だった。
まあ、非常食という考え方もしてるけども。
とにかく。
名前をつけよう。
豚だから、安直に。
「ブー」
そう言うと、豚は嬉しそうに鳴いた。
そんなこんなで、豚が仲間になった。
ブーを連れて歩くこと数十分。
森の中は先ほどのオーガぐらいしか危険が無いみたいだ。そのオーガは、俺の嗅覚で回避ができるし、出会ったとしても何ら問題はない。
無事、俺とブーは森を抜けた。
森の先は草原だった。
綺麗な緑色の景色が遠くまで続いている。快晴の青空とマッチして、心が洗われるかのようだ。
良いなぁ。
異世界素晴らしい。
来てよかった。
あたりを見渡すと、遠くに道が見え、その道が続く先に街が見えた。
街が見えると俺の口角が上がる。
ふふふ。
俺の考え通りだ。
目測で、数時間だろうか?そんなに遠くはない。街は見たところ大きな都市だから、様々なものがあるだろう。
何があるのだろう。
「よし!ブー行くぞ!」
と、言って俺は気づく。
ブーの元気が少ない。歩き疲れたみたいだ。
仕方なく、俺はブーを抱えた。
「さあ、頑張りますか」
そして気合いを入れる。
そんな時だった。
ふと、遠くから音が聞こえた。ガタガタと揺れる音。そして人間と獣の匂い。
徐々に近づいている?
俺は走って道を目指した。
道の近くで、しばらく待つと、馬車が近づいて来た。思わず隠れてしまう。
その馬車は、移動用だろうか。装飾から相当高位の人が中にいることだろう。
その馬車を守るように、甲冑を着た男が数十人ほど護衛している。
「あの街を目指してるよな」
そう呟いて、失態に気づく。
どうして隠れた!
助けを求めたら助けてくれたかもしれないのに。
でも、と思う。
出たら出たらで、槍を持った人間だ。信用してくれるだろうか?俺はしない。
槍は捨てるべき?
早くしないと、行ってしまう。
よし!
決めた!
もうどうにでもなれ!
「あの!助けてくだい!」
キャラ紹介2
ヒロイン? ブー
豚。ただの豚。体長50センチほど。年齢三歳の大人。性別は雄。
ペットみたいなキャラを出したいと思ったがために生まれたキャラ。役には基本立たない。