第3話 今ある問題を解決していこう
美少女になってしまった。
リヴァイアサンはメス。だから俺は女になってしまった。リヴァイアサンの姿だと性別なんか分からなかったからな。気づかなかったのは仕方ない。
変身魔法は俺の魔力が尽きるまで続く。つまり、魔力が尽きるまでずっとこのままの姿になる。
人間の魔力はリヴァイアサンと比べると微々たるものだから、人間はすぐに変身が解けるが俺は違う。魔法を無駄に使えば元に戻るのは早くなるが、それでも時間がかかると思う。
しばらく、このままか。
そう思って、ふと視線が下へ。
豊満な胸がある。すごく触りたい。彼女が出来なかった俺はまだ女性の胸を触ったことがないからな。
けども、我慢だ。
自分の体に欲情してどうする。
人として終わる気がする。人じゃないけども。
まあとりあえず、今ある問題を少しずつ解決しておこう。
1つ目、衣がない。今素っ裸。
2つ目、食がない。お腹ペコペコ。
3つ目、住がない。雨風を凌ぐ場所がない。
4つ目、人がない。人と会話がしたい。
5つ目、ここどこ?
1つ目の問題は簡単だ。
魔法とは便利なものだ。
様々な魔法の中、錬金術をしてみたいと思う。
浜辺の近くに落ちている木の皮だったり。葉っぱだったりを集めて、錬金術の模様を浜辺に指で描く。そこに魔力を注ぎ込むと集めた素材が光り輝いた。
服が出来上がった。頭の中思い描いた服になった。
青いワンピース。腰回りに帯。裾にフリル。我ながら可愛く出来た。
男物にしようかとも考えたが、人と出会った時のことを考えないといけないからな。
初めて着るワンピース。
股の辺りがスースーする。
なにこれ。めちゃくちゃ恥ずかしい。誰もいないのに恥ずかしい。
というか、ワンピースを着る俺。
変態なのでは?
いや、よそう。これで良いのだ。これしかないのだ。
次の問題へ。
これも比較的簡単だ。
服同様に錬金術で槍を生成し、力任せに森で動物を捕まえる。以上。
森へ入り、リヴァイアサンの優れた五感で動物を探す。匂いで、あるいは音で、耳で。驚異的な脚力で。
茂みに動物を見つける。
不思議な動物だ。
長い耳と足。兎に近いが、兎とどこか違う。何より、警戒心がなかった。
兎もどきと名付けよう。
槍を生成したが意味がなかったかもしれない。簡単に捕まえることができた。
兎もどきよ。
生きるためだ。悪く思わないでくれよ。
心の中で謝りながら、俺は兎もどきの首を斬った。
浜辺に枯れ木を集め火をつける。サバイバル知識はないが、俺はリヴァイアサンだ。毒や生だろうと、安全に食べることが出来る。
数分焼いた後、こんがり焼きあがったそれを食べる。
ふむ美味しい。
久々の肉だ。美味しくないわけがない。
ご馳走様でした。
さて、次の問題、住は飛ばす。
もしも近くに街があるならば、この浜辺に家を建てても仕方ない。というわけで、俺は森の中を探索する。
なにか人の痕跡がないかを探るのだ。
浜辺から見る景色から、ここは大陸だ。だから人はいるはずだ。しかし、ここが人が住まないジャングルの奥地だったり、秘境かもしれない。
匂いを嗅ぐが、人間の痕跡はない。
どうしたものか。
長距離を考えないといけないかも。
うん?
今まで嗅いだことがない匂いが混じった。
なんだ。この獣臭とほのかに鉄の匂い。
ここは異世界なんだ。何も、知能があるのは人間だけとは限らない。例えば、エルフとか。
この獣臭がエルフの匂いはないか。ドワーフとか?
よし!
その獣臭がする方へ行ってみよう。
そう思ったのが間違いだった。
獣臭の正体はオーガだった。
鉄の棍棒を持ち、二足歩行で歩く人間程度の大きさの生き物。知能は少ないみたいだ。簡単に騙せるらしい。ただ力は人間のそれとは大きく違う。
何だ。残念だ。
美しいエルフとかドワーフとかは見てみたかったけども、醜いオーガは見たくなかった。
オーガは俺に気づくと獣らしい雄叫びをあげた。
そして棍棒を振り回す。
単調な攻撃。
その棍棒を片手で受け止めた。
人間の姿になっても、力でオーガに負ける事はない。
オーガが力任せに棍棒を取り返そうと力を入れる。その隙にオーガの首を槍で突き刺し横に斬った。オーガの赤と緑が入り混じったような血が辺りに散らばり、オーガの頭が静かに落ちた。
オーガが倒れる時、棍棒が手から離れ、俺の手の中に残る。
ふむ。
棍棒を見る。
鉄でできた棍棒。オーガは頭が悪い。まさか鉄の精製方法を知るわけがない。だったら可能性は1つ。
「人間から奪った?」
それが一番納得する理由だ。
つまり、そう遠くない地に人間がいることになる。
そう思うと、嬉しくなり。俺はふふふと微笑む。棍棒は放り投げる。
よし!
この森を真っ直ぐ抜けよう。
探すんだ。人間の街を。
そう思って歩き始めた時。
目の前に一匹の豚が現れた。
キャラ紹介1
主人公 リヴァ
元日本人、現リヴァイアサン。心は男、体は女。
人間に変身し、リヴァイアサンの頃の1%の力も引き出せなくなったが、それでも普通に強い。
ハーレムメンバーは、女の子、男の子、ストーカー、豚が今の所考えられています。