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第1話 ヨハン邸での話し合い

 あの事件から十日が経った。

 慌ただしい日々が終わり、一段落したこの街に新しく二人の騎士隊長が来た。男の名はキリルと女の名はディーナ。それを含め七人の精鋭の騎士により以前よりはるかに強固な警備へと変わった。

 そして終わったからこそ、新しく物事を考えなくてはいけない。

 ヨハン邸でヨハン含む五人で密かな話し合いが行われた。

「もうそろそろしたら騎士試験が始まります。これについては、騎士が増えるのですから何一つ問題はないのですが、リヴァについていかがなさいますか?」

 騎士副隊長の一人、マルクはそう聞いた。

 この中で最も騎士試験に大きく関わる彼がこの問題を重く考えていた。

 それはリヴァという存在である。

 本来、騎士見習いには半年以上在籍しないと騎士試験を受ける資格は有さない。だからこそ騎士見習いになる試験は年に二度、騎士試験のすぐあとに行われるのだから。

 しかしながらヨハン邸に在住が許された騎士二人係でも倒せなかった侵入者を一人で倒した彼女の強さは認めざるをえなく。また騎士が少ない今、彼女のような人材はすぐにでも騎士に上げたいのが本音である。

 問題は一つ。

 リヴァに試験を受けさせるか否か。

 この話し合いはこれを論点にして行われている。

「私はぜひ受けてほしいと考えています」

 ヨハンがマルクの言葉に素直な感情を述べた。

 騎士副隊長の二人はヨハンの下に着く身であり、ヨハンの言葉に賛成しかしない。それで話が終われば早いのだが。

「俺は反対ですね」

「私も反対だ」

 騎士隊長二人がそれに反対するから話は進まない。

 それにヨハンは顔を少しだけしかめた。

 二人は騎士隊長としてアルベール聖という大貴族と匹敵する価値を持つ。

 そして騎士隊長の一人。ディーナはアルベール聖と同等のファテーエワ聖の現当主である。立場としてはヨハンと同等である。

「何が反対ですかな?」

「彼女が何者か分からないからだ」

「…………」

 ヨハンは口を閉じた。

「彼女はどこから来たのか。何故それほどの実力を持っているのか。この二つが分からない以上、私には彼女が隣国からのスパイとしか思えないのだがな」

「アレックのようにですか」

「そうだ。盗まれた物は大きい。また同じミスは犯せない」

「しかし、彼女は友人のために侵入者と戦った。もしも隣国のスパイだとして、仲間を殺すだろうか?」

「ヨハン殿は知らないのだ。隣国の恐ろしさを」

「では、国民のために戦う姿以外で騎士として隣国と戦うことを証明しなくてはいけない。あなたたちはできますかな?」

「無理だ」

「無理ですね」

 ヨハンの言葉に騎士隊長二人がすぐさま返す。

「出来ることならば、私は彼女にすぐにでも騎士見習いを止めてほしい。そして危険人物として監視をしたい。しかしそんなことできるはずがない」

「できない以上、騎士見習いとして監視するか、騎士として監視するか。どちらがしやすいかを言えば騎士見習い。だから俺たちは反対したわけです」

「そしてこれは解決策でも何でもない。だから」

「だから?」


「私が彼女が騎士試験を受けるにふさわしい人物かどうか見定めようと思う」

キャラ紹介23

モブ ディーナ

30歳女性。騎士隊長第九位。

そこまで優秀じゃない。ただ国を想う気持ちと純粋な力強さがあるため、他の騎士隊長からはだいぶ信頼をされている模様。

見た目は肩にかかる程度の長さの金髪。どちらかというと騎士よりも女王様みたいな風貌。武器は剣ではなく斧を使うパワフルな一面がある。

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