第3話 アリスは危ない人
アリスとリナ二人に俺は建物の中を案内された。
騎士見習いの建物は校舎と運動場みたいな広場。男子寮と女子寮である。
女子寮の中は風呂場とトイレと部屋が数部屋。食堂は男子寮一階。女子寮に限り女騎士が常駐しているとのこと。
名前はアレットさん。クロエさんと違い、金髪の女性だ。すごく綺麗。クロエさんも綺麗だったけども、この人も綺麗。アリスとリナも可愛い。女騎士は見た目も試験内容に含まれているのではないだろうかと思ってしまうほどだ。
まあ、日本人とは違う顔立ちだからそう思ってしまうのかもしれないけども。
ルドルフさん言ってたよな。男子、鼻の下伸ばさないようにとか。俺が伸ばしそうだ。
目の保養。目の保養。素晴らしい。
俺の部屋はアリスの隣だった。
男子寮の食堂で夕飯を食べる。夕飯は見たことがない肉料理とスープとパンと。美味しい料理でした。
その間、男子たちを見るが、ちょっと違和感。ふむ。
少ない人数だけども仲に差があるみたいだ。特に男子と女子の間に大きな溝がある。
どうして?
考えても分からない。これから分かっていくだろう。
夕飯を終えて、俺とアリス、リナの三人は女子寮へ戻る。
「ねぇ、リヴァちゃん。お風呂に入らない?」
するとアリスが聞いてきた。
ちなみにだが、アリスとリナは俺の年齢は聞いてこなかった。俺も二人の年齢を知らない。
だからか、ちゃん付けで呼ばれる仲となった。
「お風呂?」
「そう、お風呂。大浴場だから、皆んな入れるよ」
「あの、アリスちゃん。それは」
「良いから。良いから」
リナの言葉を遮り、アリスがそう言うものだから、俺は頷くことにする。
女子と一緒のお風呂?
こちらからお願いしたいぐらいだ。
でもリナの様子が可笑しい。なにがあると言うのだろうか?
部屋から支給されたパジャマのような服と下着を持って風呂場へ向かう。
すると、すでにアリスがいた。でもリナの姿はなかった。
「リナは?」
「リナちゃんは後から入るって。さ、先に入りましょ」
アリスに背中を押される形で、俺とアリスは風呂場に入った。
脱衣所は籠がいくつかあるだけ。
服を脱ぐ。身体をタオルで巻く。
「ダメよ。タオルを持って入ったら」
アリスにタオルを取られる。
「いや、でも。恥ずかしくない?」
「女の子同士だから恥ずかしくないでしょ?」
どうやらアリスはタオルを巻かない模様。
このままではアリスの裸を見てしまう。
なんて思っているとアリスがふふふと笑いながら俺の身体をジロジロと見てきた。
ちょっと恥ずかしい。
「どうしたの?」
「リヴァちゃん、すごく綺麗だよね」
アリスがうっとりとした様子で言った。
そして俺の身体に触れてくる。
「アリス?」
「今話すけども。あなたが見えた時、私あなたに一目惚れしたの」
「…………?」
一目惚れ?
でも女同士ですよ?
あくまで見た目はね。
どうして一目惚れするのですか?
「…………うん?」
つまり、一つの結論に至る。
「アリスは。つまり、同性が好きな方でしたか?」
「そうともいうかな」
アリスが俺の身体を押して、壁ドンに近いことをして。顔を近づけてきた。
「すっごく、綺麗な肌。髪の毛ツヤツヤ。顔のパーツが全部整いて過ぎてる。こんな子男には勿体無い」
そう言って俺の顔を触ってくる。
「アリス!」
すると、そんな叫び声と共に、リナが脱衣所に入ってきた。
「あなた、またそうやって!迷惑だとどうして分からないの?あなたのような人は少ないんだから!」
「リナちゃん。どうしてそんなに怒って」
「あなたがさっき私にしたこと、まさか忘れたの?」
「やだなあ。ちょっと腕と足を縄で縛って、口に布当てたぐらいじゃない。それでどうやって抜け出したの?」
「一体何回されたと思うの?それにぐらい?じゃあ今から明日の朝まで、リヴァちゃんのためにあなたに同様のことしてあげる」
「待って!お願い。リヴァちゃん助けて!」
リナがアリスを引きずっていく。
なるほど。
なるほど。
分からないことだらけだけども、一つ分かったぞ。
とりあえず、一人で風呂に入れば良いんだな。
キャラ紹介7
ヒロイン アリス
女の子。歳は十六歳。ガチレズ。世界中の男なんか消えてなくなれば良いと真面目に考える危ない人。
見た目はS。でも実はM。
リナとは幼馴染。
ちなみに、リヴァと出会う前は勝手にアレットさんの彼女を名乗っていた。