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離別

作者: 葵枝燕

 この詩を、亡き同級生Mに捧げます。

なんで

どうして


キミでなければならないのだろう


突然にやって来たキミとの別れ

それがどうして こんなに早くなければいけないのだろう


まだ二十一なのに

まだ高校を卒業して四年くらいしか経ってないのに


なんで

なんで


この空間は何だろう

この虚ろは何だろう


キミと言葉を交わすことも

キミと弁当を食べることも

キミと休日を過ごすことも

キミとかかわることそれ自体も

してこようとしなかったのに


それなのに

どうしてこんなに


キミのいない事実を

キミが消えた事実を

受け止めることができないんだろう


なんで

キミでなければならない?


なんで

こんなに早くなければならない?


なんで

なんで

私ではないのだろう


キミにも

遺されたキミの家族にも

何より私自身にも

それは 無礼で傲慢な思いだ


キミがいない

もう どこにも


ねえ こんなことならもっと

キミを知ればよかったよね?

かかわっていればよかったよね?


こんなふうに 思うくらいなら

もっとキミを


絶対に忘れないなんて

確証もない約束はしない


でもいつか

キミと出逢えたことを良かったと

そういうふうに思えるように


キミが生きるはずだったこの世界

私も生きてみせるから

だから


どうか安らかに

 こんにちは、葵枝燕です。

 『離別』、ご高覧ありがとうございます。作品名ですが、そのまま〝りべつ〟と読んでいただいてもかまいませんが、個人的には〝わかれ〟と読ませたいところです。ま、好きな方でお呼びください。

 この詩を書いたきっかけは、二〇一七年二月中旬、小学校から高校まで同じだった同級生を亡くしたことにあります。家が近所だった彼女だけれど、特別親しかったわけではありません。クラスだって、二回だけしか同じになったことがないくらいです。そんな彼女の死を、私は今受け止めきれずにいる、のだと思います。その死を聞いたその瞬間は、驚きつつも「ああ、やっぱりそうなんだ」と思えたんです。それなのに、それから数日経った今、「本当に、亡くなったのだろうか。夢なのではないだろうか」と思っているのです。でも、彼女の家の前を通る度に、自分の日記をめくる度に、事実なんだと突き付けられます。そんな彼女の死を、それについての思いを、忘れたくなくて書きました。

 ことあるごとに、きっと彼女を思い出します。その度に、知ろうとしなかったことを悔やむでしょう。それでも、彼女との数少ない思い出を大切にしていきたいと思います。

 願わくば、どうか彼女が安らかに眠れるように。

 読んでいただき、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 辛いですね……
2019/03/05 08:31 退会済み
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