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約束 - Eternal Promise  作者: ゆう
Growth
3/50

eternity

彼女を追って暫く歩くと


森を抜けとある小さな村に着いた


太陽は、一番高い所に位置している……


時刻は…正午くらいだろうか……




『……此処は?』




『見ての通り村よ…』





と素っ気なく返して来た彼女に




『いや……

だから…此処は何処って聞いてるんだけど……』




僕は弱々しく彼女に尋ねた




『ああ……此処は…ユーサスの村よ』




『ユーサスの村?』




何かがおかしいと思った……


僕は此処で一度自分に起きたことを振り返ってみた…


… 突然声が聞こえてその声に答えた途端



辺りが霧に包まれ


近くに有った建造物が突如崩れて砂と化して消えた


そして僕は怖くなって慌ててその場を走って逃げ出した


暫く走るとそこには見知らぬ光景が待っていた…


辺り一面の草原……透き通る青空……


そして……黒いドラゴン……


普通に考えて異常な事態だ


何が異常かって?


そりゃ最初の場所が変わる事がだよ……


先ずこの時の僕が思った事は


此処は日本でも無ければ


僕の知っているセカイじゃないと


薄々感付いていた


なら此処は何処なのだろう?


それを知る手段は…根拠は無いけど


一つだけ確信していたのが有った


それは……彼女…サラだ


どう言う因果か知らないけど、


僕は彼女の声に答えた事に寄って此処に来た


だから彼女に着いていけば


帰る手段も見つかると思った


それに……彼女の事が気になっていたからだ


それは単純な興味本意だったんだろう


でも僕にはどうしても


脳裏にあの時の声が離れなてくれなかった



助けてよ ……… 誰でも良いから


誰か私を


…して



あんなに今にでも壊れてしまいそうな声を出して


彼女は何を求めているんだろうか?


全く分からなかったけど……


僕はサラの事をもっと知りたいと思った


それがまさか…


自分の運命を大きく変えてしまうとは


この時の僕には想像も着かなかった



『どうしたの?……此処じゃ目立つから

そうね……酒場に行こうかしら?』



『え?…でも僕まだ未成年……』



『大丈夫よ……私の付き添いって事にすれば…

行くわよ?』



『…うん……』


僕は渋々サラに着いて酒場に向かった



ギィ……



酒場のドアが聞き心地の良くない音をを立てながら


ドアを開けて入ると



『いらっしゃい……』



硬派でダンディな無精髭の男性……


マスターが挨拶をして『ご注文は?』と聞いてくる



『そうね……お勧めは有るかしら?』



『オーパス・ワンの40年寝かせたやつが有りますよ?』



『ならそれを……あぁ彼は駄目よ…未成年だから』



『おいおいお客さん……


此処は酒場だ…餓鬼を連れて来られちゃ…』



『えぇ…分かってるわ…


でもどうしても二人で話さないといけない事が有るの?


話が終わったら直ぐに出るから』



サラは必死に訴えかける表情でマスターを見つめた


暫くするとマスターは何も言わずに


奥にある棚からオーパス・ワンというワインを

グラスに注いで持ってきて


『用が済んだら早々に立ち去れよ』と言い残し奥のカウンターに引っ込んでいく


『さて…本題に入りましょうか?』とサラは真面目な顔で僕に投げかける


僕は小さく頷いた



『先ず薄々感付いてると思うけど…此処は貴方の

いたセカイとは違うセカイよ』



『うん…薄々感付いてたよ

ならこのセカイの名前は?』


eternity(エタニティー)


『eternity?』


『えぇ…私達はそう呼んでいるわ


このセカイは貴方のセカイと違って科学も遅れているし…


文明レベルも……はっきり言って低いわ』



『あの最初に襲ってきたドラゴンは何?』



『あれは魔獣よ……

このセカイには、普通にあんなのが彷徨っているわ』



『………』


『といっても、人を襲う魔獣は少ないから安心して』


『そう…なんだ』


『魔獣使いなら、話は別だけど』と無表情で言った後


サラの表情は真剣な顔に変わる



『それよりも…今このセカイは危機的状況にある』



『え?』


僕がそう言うとサラはグラスに注いで有ったオーパス・ワンを一口飲んで


『このセカイ……


eternityは大きく分けて二つの国家に分かれている…


一つは貿易国家’’ルカッツォ‘‘……


そしてもう一つ


武力国家‘‘ペイル’’……私達がいるユーサスは‘‘ペイル’’に属しているわ』



『それで、何が危険なの?』



『この二つの国は

もう千年も昔から争い有っているの…』



『そんなずっと前から?…』



『えぇ…』



彼女は目に悲しみを写しながら話を続けた



『でも最近’’ルカッツォ‘‘に動きが、有ったの…』

僕はゴクリと生唾を飲み込んだ


『’‘ルカッツォ‘‘で、


影を自在に操る少年が現れたの


年は、ちょうど貴方くらいで……


少年の名前は分からないけど


その彼の手にしている武器を人々はこう呼んでるわ……』


サラは一呼吸間を置いてその名を言った



『ダークディバイングゼロ……またの名を

虚ろなる光…虚光(ダークディバイングゼロ)



『その……名前の由来は?』



『さぁ……詳しくは知らないけど』



それを聞いた時落胆したよ……


此処まで話すから何か知ってるのかと思ったのに知らないって言い出す彼女に


『……はは』と苦笑する事しか出来なかった



『でも今の話と僕に何か関係あるの?』



『有るわよ……

貴方はこの戦いを

終わらせる為の救世主として喚ばれたのよ』



とサラは真顔で言ってくるから僕は『は?』と間抜けな声で返してしまった


『僕……


戦う力も無ければ人を従わす統率力も無いけど……


根拠も無いのに適当なこと言わないでよ』



と僕は弱気になると



『根拠なら有るわよ』ときっぱりと言い返してくる


僕は訳が分からずサラの顔を眺めていると



『根拠は……貴方が私の声に答えてくれた事』



『答えたって…僕が喚ばれる直前に聞いた君の声の事を言ってるの?』


サラはコクンと頷く



『実は、あの召喚はね……誰でも良いって訳じゃないの』


その言葉に僕は目を丸くした



『え?』



『要するに……何か特別な力を持った人間じゃないと私の声は……聞こえない』



『……』僕はじっとサラの次の言葉を待った



『でも君は私の声に答えた……

つまり貴方は、何か特別な力を持っているって事』



今思えば此処が僕にとっての人生の


‘‘ターニングポイント’’だったんだろう


この時の僕は誰かに必要とされたいと言う


気持ちが心の奥で燻っていたんだ


その機会がいきなり来て


貴方は‘‘特別……’’とかいうんだよ?


当然僕は舞い上がって



『そっか……そっかっ‼︎』満面の笑みで喜んだ


サラはそんな僕を気にも留めず冷静に



『ちゃんと言わせて貰うわ……私の……いいえ

私達の国の為に力を貸して貰えないかしら?』



と言いながら彼女は右手を差し出し握手を求めて来た


僕はその手をしっかりと掴んで



『あぁ……喜んでっ‼︎‼︎

どんな事が有っても僕は絶対に…


君の力になる……約束するよっ…』


と彼女に言っていた


この時まだ僕は理解して無かったんだ


彼女……サラに隠された深い闇……


そして………彼女の本当の望みを


それに僕は知らなかった……僕の中で眠る力が……


僕の運命……いや…


eternityという世界全体を巻き込むなんて……


この時の僕は知る由もなかった



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