雨模様。
鬱陶しい雨が降り続く。
ざあ、ざあ、ざあ・・・
オレンジペコを飲みながら、私は窓に伝う雨をぼんやり見ている。
学校帰りの子供たちが色とりどりの傘で雨の中家路を急いでいる。
白い靴下に容赦なく跳ね上がる水たまり。
「ついてないやー!」
子供が大きな声で叫ぶのが窓越しでも聞こえる。
犬が子供の声に反応して突然吠え出す。
木蓮の花が雨に打たれ、花びらを少し散らしている。
浮き沈みがある、私の心みたい。
大好きな人が突然いなくなった、寂しさ。
いつのまにか、少しずつ平気になった気もしている。
気持ちって時と共に変わってくものなんだ。
ライムグリーンのバッグを持った女の子が通り過ぎる。
いつかの恋をしていた私みたい。
どこに行くの?
これから彼とデートかな?
彼氏がずっとそばにいてくれたらいいね。
いつまでも彼とお幸せに・・・
「結婚したいと思っている」
9月の夜に、あの人は確かに言ったのに。
楽しい日々がずっと続くと思っていたのに。
薔薇の花束も忘れない。
レースのリボンがとても素敵だった。
「綺麗だったな・・・」
映画のワンシーンのような出来事だった。
ロマンティックな夜だった。
些細なことですれ違いが起きて、彼はどこかへ行ってしまった。
夜に眠れなくなってしまった私。
泣いても泣いても、もう元に戻らない。
落胆の日々だったが、少しずつ涙も乾いてきた。
鬱陶しい雨は、あの日の私の涙のようだった。
ざあ、ざあ、ざあ・・・
オレンジペコを飲み干して、私は席を立った。
~雨模様。(完)~
ホラーな部分、わかっていただけましたか?実は・・・(キャー!)