魔女の恋
これは、題名通り、魔女のお話です。
王様とのざまぁ系の悲恋を予定してました。
【ハイネ熱】
…原因不明の熱病。ある日突然発症し、高熱、激しい動悸、意識混濁などの症状が出る。三日以上熱が続き、完全に昏睡状態になると、数日で死んでしまう。明確な治療薬はない。また、他の複数の病気と酷似しているため、ほとんど認知されていない。
【ハイネリア】
…ハイネ熱の特効薬。効果は抜群。魔女に代々伝わっている。甘い香りの黒い液体。小瓶を一本飲み、魔女が一晩『泪の詩』を歌えば、次の日にはすっかり良くなる。
◉【ハイネリア】の作り方◉
◇材料◇
・蜂蜜…小瓶一本
・樹液…小瓶一本
・甘草の汁…小瓶一本
・蜂の毒…一滴
・かすみ草の蜜…一滴
・悪魔草の根…小指程度
・兎の骨粉…三匙
・かすみ草の実…三個
・沈黙草の種…三匙
・水…鍋と桶にたっぷり
・涙と『泪の詩』
◇作り方◇
1ーまず、鍋いっぱいに水を入れ、沸騰させる。桶にもいっぱいに水を張っておく。悪魔草の根を細かく刻む。
2ー兎の骨粉・かすみ草の実・沈黙草の種をすりこぎで撫でるように潰し、混ぜていく。
3ーある程度混ざったら、悪魔草の根を入れて混ぜる。さらに蜂蜜・樹液・甘草の汁・蜂の毒・かすみ草の蜜も全て入れる。
4ー『泪の詩』を歌いながら、涙を適量入れる。全体がまとまってダンゴ状になるまで混ぜる。
5ーできたダンゴを沸騰した水に入れて、溶かし、煮る。
6ー『泪の詩』を五回歌う。
7ー火を消し、鍋をすぐに桶に張った水につけて冷やす。
これで完成。
【『泪の詩』】
痛みの涙を三滴
怒りの涙を五滴
絶望の涙を四滴
苦しみの涙を二滴
悲しみの涙を七滴
虚無の涙を十滴
混ざれ混ざれ
流れてゆけ
絶望の果てへ
溶けろ溶けろ
消え去ってゆけ
虚無の導く場所へ
【魔女】
…不思議を使う者。薬草や病に詳しい『森の賢い女』。拒絶する者。
【『魔女の詩』】
私は拒絶する者
私は去る者
私は嫌う者
魔女は何物も欲しない
魔女は何物も受け取らない
私は【魔女】
孤独に生を置く者
【魔女】が欲するのは一度だけ
人生でただ一度
【魔女】が欲するのは一つだけ
人生でただ一つ
"愛しい人、ただ一人"
【灰の呪い】
…魔女は灰を使って、様々な不思議を行う。灰は、魔女の不思議の火で燃やしたものなら、何でも良い。
【魔女の呪い詩】
…魔女は、不思議を行うほとんどの時に、詩を歌う。詩は魔女に代々伝えられる物(秘伝)と、個人によって、行う不思議によって異なる物(小唄)と二種類ある。
・魔女の詩(秘伝)
・泪の詩(小唄)