徒花
◉表◉
…地球。現代日本。奏河県(かながわ~けん)。虹茜市(にじあかね~し)。
◉裏◉
…地球。中世風味日本。日本皇国(にほん~こうこく)。奏河県。虹茜市。
裏の日本は皇国。
表の天皇家が、そのまま皇家。
地方を治める、総督
県を治める、知事。
市を治める、領主。
まとめて軍司。
基本、軍司は相続制。
行政は国の官僚が行い、軍司たちは、その名の通り、軍隊を有し、治安の維持に務める。
統治方法は軍司たちのそれぞれのやり方が優先されるが、主な役割は警察。
軍司の家は、"組"と呼ばれる。
最高司令官は、領主。
所属する戦闘員は、兵士。
現代兵器はあるので、主に銃を取り扱う。
武器(特に銃器)は、兵士のみが扱える。一般人は所持してはならない。
◉"表"日本◉
奏河県、虹茜市。
政令都市の一つ
ウサギ…野原兎(のはら、うさぎ)。女。18歳。高3。
◉虹茜市◉
…西区の市の一つ。
軍司は、ヒガンバナ組。(彼岸花)
現領主は、ロウ。
◉鴉菫市◉
…からすみれ~し。
西区の市の一つ。
軍司は、ハクレン組。(白蓮)
現領主は、オグマ。
◉歩海市◉
…あゆみうみ~し。
西区の市の一つ。
軍司は、サツキ組。(皐月)
領主は、カエル。
弟に、"サツキの良心"スマ。
◉蝶葛市◉
…ちょうかずら~し。
中央区の市の一つ。
軍司は、スズラン組。(鈴蘭)
現領主は、ネコ。
女性が多い市。
◉ヒガンバナ組◉
…虹茜市の軍司。
領主はロウ…男。23歳。狼。
領主代行はユウジシ…男。23歳。夕獅子。
情報幹部はビャッコ…男。26歳。白狐。
軍事幹部はオニトラ…男。21歳。鬼虎。
◉スズラン組◉
…蝶葛市の軍司。
領主はネコ…男。22歳。猫。
☆ストーリー☆
①出会い編
1.散歩に行って、【裂け目】から"裏"世界へと迷い込む。
2.歩いていると、一人の男に出会う。(男はネコ)。男に、この場所が虹茜市だと教えてもらう。
3.男にもっと質問しようとしたら、邪魔が入る。どうやら、男は追われているらしく、ウサギの手をとって逃げ出す。
4.しかし、追い詰められそうになった時、ウサギを囮にして、男は逃げてしまう。ウサギは追いかけてきた男達に捕まる。
5.ウサギは、何かの建物に連行され、尋問をされる。訳が分からないので、素直に供述する。
6.すると、銀髪の男が現れ、もう一度供述。"表"の人間だと証明され、仮釈放。また、"裏"世界の事を少し教えてもらう。
7.一時的に部屋をもらい待機していると、そこに黒髪の男が現れる。ちょっぴり脅され、仮面を被ると、あっさり見破られる。そして、契約。ロウの所有物という立場に。
8.それから、ロウの行く場所には、どこにでも連れられるようになり、周囲からは「領主の女」と認識される。
②誘拐編
1.ロウの隣は、気楽であり、苦痛。暴力や監禁、さらにたまにセクハラまがいをされつつも、"裏"世界で暮らしていた。
2.自由時間中、護衛つきで街を散策。ある時、護衛の隙をついて、ウサギに初めにあった男が接触してくる。ネコは正体はバラさず、ロウが好きな事を告げ、ウサギに彼女が置かれている立場を教える。
3.現在、ウサギは「あのロウの女」として、様々な組からロウの弱点として狙われていた。
4.ある日、自由時間中、これまた護衛の隙をつかれ、ハクレン組にウサギは誘拐される。しかし、これはヒガンバナ組が仕組んだ囮であり、ウサギは知らされていなかった。
5.ハクレン組で、初めウサギは手荒に扱われるが、仮面をつけたウサギにハクレン組の組員達は打ち解け、さらに、ハクレン組組長オグマにも気に入られる。
6.一方、ヒガンバナ組では、ハクレン組を潰す準備が着々と行われ、ハクレン組との交渉が進んでいた。
7.そしてついに、抗争の日が訪れる。ハクレン組の施設は次々と制圧され、ウサギは組長オグマと共に車で逃走しかし、街中でヒガンバナ組に包囲され、人質にされる。
8.オグマはウサギに、ハクレン組にこないかと勧誘する。それを聞いていたロウは、無自覚に焦る。しかし、ウサギはそれをきっぱりと断る。そして、銃撃が鳴り響き、オグマは死に、抗争は終わった。
9.助けにきた不機嫌なロウに、ウサギは車に押し込められる。ロウは、勧誘に乗らなかった理由を問う。ウサギはそれに簡潔に答えるも、ヒガンバナ組にて、監禁コース。
10.これにより、ウサギの組織内での立場は、対他組織用囮に決定。正式に組員になる。その後も、ロウの隣にいる事は変わらず。
③囮編
1.対他組織用囮の役目は、ロウの弱点だと思われる事。よって、相変わらず、ロウの行く場所行く場所に連れていかれる日々。また、意図されたゆるい警護つきでの散策も継続中。
2.その中で、散策中に、ウサギとネコは静かに仲を深めていた。一方的にネコが現れて、ロウについて語り合ったり、奏河県内の、軍司間の関係などを話し、帰って行くというもの。ネコとの交流は、ヒガンバナ組に知られる事はなかった。
3.協力関係にある組同士での会議で、ウサギはサツキ組が怪しいと勘ずく。よって、ウサギに初仕事が任される。
4.もう一度会議が行われ、その際ウサギはロウと「ラブラブ」の演技をする。その時ウサギが放った『大好き』の言葉に、ロウはひどく衝撃を受け、苛立つ。
5.予定どおりに、ウサギはサツキ組に誘拐される。そして、また仮面をつけ、サツキ組と親しくなる。また、"サツキ組の良心"スマにだけ、純粋な気持ちで懐く。
6.ロウは、ウサギの言葉に無自覚に動揺しつつも、いつも通りに抗争指示をだす。しかし、ビャッコには動揺を見破られ、その気持ちを自覚させられる。
7.抗争の日。あっさりと決着が着き、サツキ組組長カエルも、またウサギを勧誘するが、きっぱりはっきり拒否。サツキ組は、スマが継ぐことになった。
④別離編
1.サツキ組との抗争の後から、ロウとウサギの関係は歪みだす。ロウはウサギを避けながらも、ウサギへの束縛をきつくし始める。
2.ロウの命令で、ウサギは外出を制限され始めた。それを密かに嘆きつつ、ネコにだけ打ち明けていた。ネコとは直接会えなくなったかわりに、直通の通信機器をもらっていた。
3.ロウとウサギの関係に、幹部たちも気づいていたが、どうする事もできなかった。
4.そしてある日、ふとしたきっかけで、ロウがウサギの首をしめた。ウサギは抵抗しなかった。しかし、偶然通りかかったオニトラが制止に入り、ウサギは助かる。
5.その日から、ウサギはロウの部屋を出て、個室が与えられた。そして、それからほとんどロウとは会わなくなった。
6.ウサギは現状を涙ながらにネコに話していた。すると、ネコがウサギをスズラン組へと誘う。ウサギはそれを了承した。
7.そして、数日後ヒガンバナ組に、スズラン組からウサギを引き取りたいという要望が入る。ロウは一言で切り捨てる。
8.しかし、現状を憂いていたユウジシはウサギにその事を教え、その意思を確認する。ウサギは了。
9.ユウジシはスズラン組にそれを知らせ、スズラン組からの要請、さらにユウジシの説得もあり、ロウはウサギに直接選ばせる事になった。
10.選択の場で。ロウとウサギは久しぶりに会ったが、たいした会話もなく。選択を迫ったユウジシの言葉に、ウサギはネコの元へ行く事で応えた。ロウは焦燥感に焼かれながら、引き止める言葉を絞り出す。しかし、ウサギはただ首を振って拒否した。
11.この日、ウサギはヒガンバナ組を抜け、スズラン組へと迎えられた。