第三章 開始
前回はトンデモメチャクチャぶっ飛び驚きの球体で、トンデモメチャクチャぶっ飛び驚きの自由さを静流が見せつけてくれましたね。
今度は何があるのか!とても意外な方向に進みますよ〜。
では!!第三章 開始!始まり・・・・・・開始!
「では参りましょうか」
二人は部屋の隅にある、部屋と同色のドアに向かい歩く。
「あの」
「はい、なんでしょう?」
静流は疑問をぶつける。
「あの球体、あれはどうして」
「あ〜、気になっちゃいましたか?」
なんだか気に食わない物言いだと思う静流。
「まぁ・・・・・・後でわかることです」
意味深に笑みを浮かべる白星に、静流は不気味に思う。
「なんで教えてくれないんです?」
「そんなに気になっちゃいますか?いいでしょう。じゃぁ少しだけお話ししましょう。
なぜ我々の知能が他の動物たちよりも優れているのか、ご存知ですか?」
「え?えーと、すいません、わかりません・・・・・・。」
「そうだと思いました」
少しピキっとくる静流。
「人類の祖先であるホモ・サピエンスは、ここでは現生人類と言いましょう。なぜ、体力も知力も圧倒的に優れていたネアンデル・タール人を皆殺しにできたのか。賢いネアンデルタール人は、現生人類が集団で襲ってくることを予感できたはずなのに、なぜなんの対策もせずに滅んだのか。仮に現生人類を舐めていたとしても、何人かの同種を殺されたら危機感を覚え、自慢の脚力で逃げ切れるはず。単にネアンデルタール人の数が現生人類と比べて少なかったと、そう言った数々の説がありますが、どれも見当違いなのです。見当違いであることをどうして証明できるのか。
人類の脳にはヒュドロと、ヒュドロよりも小さな物質が存在します。脳細胞よりも多く、そしてヒュドロを見つけた時に使った顕微鏡、55.4マイクロビオンドでも観測ができない物質なのです」
「で、その謎の物質ってなんですか?なんで勿体ぶって本題に入らないんですか?」
静流はずっとイラついていた。前置きにしては長すぎると思ったからだ。
「申し訳ありません。少々饒舌になっちゃいました。我々の脳内には宇宙空間の約70%をしてめいる物質、ダークマターとダークエネルギーが存在します」
「・・・・・・」
コイツ何言ってんの?
それは白星が饒舌になってから自分が無言になった時間に至るまでの感情で、無言になった瞬間呆れ返った数秒思考停止した。
「はは。驚きましたか?そりゃぁ驚きますわ。だって、話をだいぶ端折っちゃいましたからね」
お望み通り、大事な過程を無碍にしてやったぞ、と言わんばかりである。白星は自分の饒舌を遮られるのが一番嫌いなのだ。
「では過程の説明をしますよね。本来の現生人類の力じゃ、どう及んでも範○刃牙のような腕力を持つネアンデルタール人には勝てない。現生人類は着実と滅びの一途を辿っていました。
そんなある日です。今現在観測可能な宇宙、1恒河沙光年先まで離れている宇宙では、大規模超新星爆発が起き、周囲の星を飲み込むほどの爆発が起きました。そして新たに星が生まれるのですが、星ができるスピードはあまりにも早く、完全に出来上がるまでおよそ数日という、前代未聞なスピードで星が誕生日しました。その新規星の周りをガスが包み、星は神々しいし光にしばらくの間晒されました。
しかし突如、謎の物質がガスを浄化させ、そのおかげで新規星は紫色へと変化し、いずれ水や酸素のない星に生命が誕生しました。いずれ星に異能力を持つ微生物が何兆個も生まれ、1恒河沙光年離れた地球にわずか数十ヶ月て到着し、ネアンデルタール人の血管に入り込みました。腕の血管から脳を辿り・・・・・・と、ここはコレぐらいでいきましょう」
「え、なんなんですかそれ・・・・・・それはないでしょ。あんだけ長々と語っておきながら途中で中断なんて・・・・・・壮大な話に釘付けなんですけど」
気になる所で話を強制終了させれ、とても腑に落ちない静流。
「ダークエネルギーとダークマターが体の内部にある、放射性の生物がネアンデルタール人を苦しめた、とでも言いましょう」
「いやわけわかんねぇだろ。じゃぁなんで僕らの脳みそに大袈裟な物質があんの。てか大袈裟な物質がなんで謎の宇宙生物の体ん中にあんだよ」
さながら宇宙海賊ゴー⭐︎ジャスのような口調に変わり、少し驚いてしまう白星。饒舌を邪魔され仕返ししようと思って、途中で話を終了しこの先は言わないことにしていた。だが科学者のプライドが彼をまた饒舌にさせる。
「宇宙生物の生態についてはわかっておりません、我々の遺伝子は現生人類のDNAと、わずかではありますがネアンデルタール人のDNAが混ざっています」
静流は義務教育で一度だけ習った気がする。だがこの話は中学生の頃の話だったので、記憶は曖昧だ。
「でもよくわかんないですよ。普通にネアンが宇宙生物のせいで死んでたら、ホモとネアンが交配することはあり得ないと思うんです。おそらくネアンの中で宇宙生物に耐性のある個体がいたと考えられる。だとしても遺伝子がホモを仕切ってるのおかしくないですか?一匹の個体が相当なヤリチンだったり?」
少し考えた後、白星はこう答える。
「確かにその説も濃厚ですね。あっても良いかもですね。実に興味深い。でも半分正解で半分不正解です。耐性のあるネアンデルタール人はオスだけだった。しかし耐性のないオスが圧倒的に多かったためネアンデルタール人はどんどん脳がやられ、狩りに行くのも、水を飲むのも、なにもしなくなり、衰弱死や餓死しで死に始めるネアンデルタール人が増え、彼らと現生人類の立場が大きく代わりました。ただどういった経緯で交配に至ったのかは謎です。種族が違う二人が同種に気づかれず、人知れず愛し合った。と考えるとロマンがありますね」
以外と乙女な白星。
「では、中に入りましょう」
部屋の扉は二重構造となっており、一つ目の扉を潜ると、薄暗く肩幅分ぐらいの狭い廊下が真っ直ぐに続いていて、その道を5分間歩き続ける。壁には心許ない明るさのライトが等間隔で設置されており、天井は何も見えない。どこまでも続く天井だと推測する静流。先が見えない。そして全体的に肌寒い。
「すごく長いですね。なんでですか?」
静流は不気味で謎に長く続く廊下が気になる。なぜこんな設計にしたのか、意味はあるのだろうかと。
「これも、あとでわかることです」
ずっと話をはぐらかす白星に腹を立てる静流。
(なんなんだよ全く)
二つ目の扉も元いた場所と同じで、薄暗い空間と同色である。
「では、こちらへどうぞ」
扉を開け、静流を中へ誘導する白星。
意味わかんねぇだろ!!と思った方は、多分たくさんいると思います。これは以前僕が調べた、宇宙の構造と人間の脳の構造が類似している、と言う記事に影響して、とりあえずその説に合点がいく、ぶっ飛び設定を作りました。結構無理があるかもしれないけど・・・・。
良かったらご指摘の方をよろしくお願いします(゜∀゜)