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人口死設  作者: 山田モタ
2/3

開始準備

 前回は静流が謎の光に包まれたところで終わりましたね。絶対体に悪そうな気がする・・・・・・。言うなれば毒電波みたいですよね。

 静流、どうなるんだろう?とかもし思っててくれてたら嬉しいですなぁ(๑>◡<๑)さぁ、第二章、始まるよ!

 気づくと静流は、元いた部屋ではなく、全く知らない空間に飛ばされていた。

 「ここが、大勢製薬白星の、会社?」

 ひたすらに広く白い空間。テレビで見た何もない空間と一致する。

 すると、驚かせるように、静流の目の前の地面から出てきた白星。サプライズが大好きだから、こうして来校者にイタズラで驚かせるのが、彼の趣味なのだ。

 テレビや雑誌でしか見たことのない偉人が、自分の目の前に現れたのだ。静流は盛大に驚く。ちなみに、サプライズよりも目の前に偉人がいることだけに驚いている。サプライズは見事に失敗したが、白星は大成功を収めたと思い喜んでいる。

 「ふふふ。こんなにリアクションをとってもらえて、目の前に出てきた甲斐がありした」

 満面の笑顔を見せる白星。

 「遠いところから遥々お越しくださり、ありがとうございます」

 深々と頭を下げる白星。静流も同じように頭を下げる。

 大成製薬白星はブラジルにあり、そこには9000億人の天才日本人が在している。ブラジルの人口は日本人だけで、世界中の外人はみな人類の歴史と共に日本人に葬られた。

 世界に害を及ぼす外人は、地球では皆、害人と憎しみを込めてそう呼ばれている。日本は思想国家となり、その思想は当たり前のような価値観になった。

 日本は争いを好まない種族で、和平の邪魔をする者はなん人たりとも許さない。それが日本国家が掲げたスローガンなのだ。

 ロンドン、パリ、フランス、イタリア、メキシコ、アメメリカ、ドイツ・・・・・・。元々住んでいた害人の国は全て、日本が所有し、国の名前と文化だけが残されている。


  部屋の中央に球体があり、白星はそこへ案内する。

 「いったい何するんです?」

 「はい。今大変混雑している状態でして、長時間この中で待って「」いただく必要があります」

 「マジすか・・・」

 (全国の日本人が死設で臨死体験をしていることだろうか。長丁場になるかも)

 静流はとてもめんどくさい気持ちになる。何時間かかるこか想像がつかない。

 「はい、マジです。なにぶん長い時間がかかりますので、この謎に怪しい球体の中で、しばらくの間、過ごしていただきます」

 怪しいと言う自覚はあったのかと思う静流。

 「でも時間を潰せって、ここら周辺は圏外ですよ?アニメ見るのは好きなんですけど、長時間の鑑賞は集中力が続かないと思うんです。それに何時間かかるのか聞きたいです」

 「なるほど。ご安心下さい。ここに一度入ったら、脳の働きが活性化し、集中力や思考力が向上し、退屈には決してなりません」

 科学力がエゲツないことだけはわかったが、なんだか見下されているようで癪な静流。

 すると、白星は内ポケットからニモコンを取り出し、球体の電源をつける。

 白色だった球体が黒色になり、球体の中心に数字が書かれている。表示されている数字は3,600。数字の下には説明文のようなものが小さく表示されている。


 一、数字は待ち時間のこと

 二、システムの技術を盗もうと企む者の侵入をこばむ。侵入した瞬間、対象の体に電流が走り失神する。


 白星がニモコンを押すと球体が開く。中は快適なフカフカの、ひとりがけソファーがあり、ソファーの前にはモニターとニモコンが置かれている。

 「もしアニメやドラマを見たくて、自分の見たい作品がこのサブスクに投影されていないのではという不安があるなら、ご安心ください。どんなサブスクにないレアなものから、オーソドックスなものまで、無限のジャンルが楽しめます」

 かなり楽しめそうで、凄む静流。

 「じゃぁ中入っていきます」

 ひとりがけのソファーは案の定フカフカで、安定した座り心地である。

 「閉めていきますね。あ、そうだ。この球体の中ではあなたが全てです」

 (・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?)

 意味がわからない。静流は白星が何を伝えたいのかわからない。

 「僕が全てってなんですか?」

 「この球体の中でだけ、あなたは自由ということです。文字通りなんでも実現可能なのです。大事なのは強く念じること。何をやっても安全に物事を進めることができます。空間を改変しり世界を作ったり、生命でさえもあなたの思うがまま、自由に創造することができます」

 超無制限、超見放題のアニメからいきなり、球体の中だけの創造主になれると言われ、困惑する静流。

 「とにかく、この中に入った瞬間あなたが絶対なんです。私は今から被験者様の所に行きますので、そこで五ヶ月間待っていてください。では、五ヶ月後に」

 そう言って白星はニモコンを押し、扉が下に閉まって数秒間、暗闇が続く。


 しばらくすると、空間は薄暗く明るくなり、視界にモニターとニモコンが入る。

 「え・・・・・・じゃぁ、この空間から出る」

 「・・・」

 「何も起こらない・・・・・・なぜ?」

 この空間を出ようとしても何も起こらない。もう一度、今度はもっと強く念じてみるも、全く何も起こらない。

 「えっ?えっ?なんで?普通に全能ちゃうやん。えっ?外出して?」

 すると、彼の脳裏に【外への干渉はできない】の文字が浮かび上がる。

 「え!?なにこれ!?それ以外はできるってこと・・・・・・?じゃぁ全能じゃなくない?」

 可能性にがっかりする。

 「まぁ、それ以外だったらできるなら・・・・・・空間操作」

 空間を広く変えたいと、強く念じる。すると、狭かった周囲が嘘のように広くなる。100メートル走は余裕だろう。

 「すごい・・・・・・!」

 目を輝かせ、今目の前にある状況に驚きが顕になり、手足が震える。全身に鳥肌が出るほどに、興奮が収まらない。

 「なんでもできんじゃん!!」

 彼は早速めちゃくちゃにし始める。

 東京を創造し、ゴ○ラを出現させ、東京を火の海にする。彼は、ゴ○ラから放たれる放射能を全身に浴び、「放射能なんて屁でもない〜♪」と、まるでシャワーを浴びている陽気なお父さんのように歌う。

 次は、自分がゴ○ラになって、夢のゴ○ラVSゴ○ラを実現させる。

 逃げ惑う人々をまるで落ち葉のように踏み潰してゆく。戦闘は激しく、ビルは尻尾で壊された、放射能は辺りを火の海に変える。

 次に、彼の好きな大食いをこの目で見たいと言うことで、あり得ないほど大きく太った体型の男を出現させ、考えうる人間が到底食えない物を男に食わせる。

 バス停、コンクリート、ピラミッド、モアイ、ビル、化学兵器、爆発物、富士山、ロケット、キング○ング、星・・・・・・。口の開け方が尋常じゃない男を見て、彼はゲラゲラと腹抱えて笑う。

 「次何しようかなぁ〜」

 自分が全てを可能とする力を、どう活用するか迷う。全てが可能なのだから。可能・・・・・・。外への干渉は可能じゃない。そう言う面で言えば、全てを可能とする力を制限されると、それは自由とは言えない。

 彼はその矛盾に気づいていながらも気にしない。なぜなら今が楽しいから。楽しければなんでもいい。


 彼は次に、エイリアン動物園を生み出し、彼自身が思う問題を作り出していく。それは、エイリアンは基本人間の脳より発達していて、友好的なコミュニケーションが取れる彼らを、なぜか無情にも人間が見せ物にする、人間にしかない娯楽に対しての問題だ。それが彼の世界では社会問題となっている。

 彼自身が考える、動物園の存在している意味を、以下のように記載する。

 ・動物園の動物たちは人間の知能より劣っているから拘束される

 ・人間が行ってきた環境破壊のせいで動物が激減しているから、棲家を失ったから見せ物にされている

 ・親子が訪れ喜ばれる場所だから

 ・動物と触れ合えるから

 ・珍しい動物が見れるから

 ・檻の方が安全で食を約束され大事に育てられているからと、動物の気持ちなどまるで考えちゃいない、人間の尺度で大義を翳して、自分たちを正当化しているにすぎない。

 エイリアンは逆に知能があり、見た目が気持ち悪く、母星語を喋れば何言ってんだかわからなくて、珍しい生き物。見せ物にする理由としては単純に珍しいから。ただそれだけだ。それだけで彼らは地球の小さな土地の、小さな檻の中で、母星に帰ることもできぬまま朽ちてゆく。絶滅危惧種でもないエイリアンと動物とでじゃ驚くほどに違いがある。繁殖機能が充実しているエイリアンをただ地球に監禁しているだけ。大義の部分が全くない。まだ通常の動物園の方が、自分たちなりに考えた大義を遵守している。

 人間はみな娯楽の化身だ。娯楽のためなら倫理を超え、そしてその行動に誰かが避難すると、両者は強くぶつかり、そして蟠りができてしまう。

 この世は残酷で、視界に映すのも躊躇われる、度し難いものなのだ。


 彼はなんでもありの空間でやりたい放題である。

 球体の中はなんでも実現可能すぎて、概念そのものを作ってしまうほど自由度が高すぎる。恐ろしい機能である。

 ちなみに、動物園は環境破壊を行った愚かな人間が、罪滅ぼしのために作った施設なので、この社会問題は通常世界に浸透していない。むしろ立派な大義なのである。


 そして彼は数ヶ月後、静かな気持ちになりたいと思い、空間を自然界の広場に変えた。

 広場の中央に、お菓子とハーブティーが注がれたティーカップが添えられている、ガーデンテーブルとチェアが置かれている。

 小鳥は囀り、木々が揺れ、緑の匂いが彼を包み込む。

 歩き始めると、空気を目一杯吸い込み、おっとりとしながらテーブルに向かう。

 曇空は、彼が一番好む空の形である。灰色の空は、周囲を薄暗くしてくれる。暗く澱んだ森もまた美しい。

 テーブルに着くと、チェアに座り、お茶を啜り、お菓子を食べ、愛でるように森を眺める。

 仮想空間ではなく、本当にあるもので、彼は本物の自然に見惚れながら、優しい眠りにつく。

 ずっと仕事で疲れ切り、たまにの休みにテレビ鑑賞を楽しんでたらハイジャックに遭い、気づけば全能の力を与えられる球体に入って、好き放題に暴れる。こんな波瀾万丈な休日はあっただろうか。

 眠っている間、疲れが癒えるのにそう時間はかからない。

 目が覚めると、疲れは当然のように癒え、清々しい朝を迎えたようなそんな気分になる。そして彼の気分のように、雲がだんだん引いていき、美しい晴れ模様に変わってゆく。

 「ん・・・・・・?アニメ・・・・・・、そうだアニメだ!」

 寝起きの彼が思い出したのは、見放題無制限の、すごい機能のことだ。

 「早速アニメを見よう!」

 そう思い立つとPadという、今じゃ一部のマニアしか喜ばない物をテーブルに出現させる。食べかけだったお菓子とティーカップを抹消し、ポテチとコーラを出現させ、アニメを見始める。

 そして時間はとっくに五ヶ月を過ぎようとしていた。彼はこの機を逃すまいと、この空間の時間のスピードをあげた。彼の時間は超スピードで動き出す。それは現実世界の1秒に対して、球体の時間が一年になるというチートだ。下手すればアニメを見終わっても好き放題ができる。だが彼は球体の当初の目的を遂行させるため、超集中モードになり、アニメに没頭する。


 全てのアニメを見終わる頃には、彼はもう年老いた老人だ。いくら若さを保つ体とは言え、だが現実世界の本来の年齢に戻すと、老人になった時の疲労が嘘のようだ。

 そして時が通常のスピードに進むと同時に、タイマーが鳴り球体が開く。

 「ご堪能いただいたみたいですね。お待たせいたしました。これより臨死体験の方に移ります」

 えげつない世界線ですよねぇ。外国人の方を害人とかって、かなり失礼ですよね。日本人も害人な人っていっぱいいますよね。

 なったらいいなぁ、とか、ありそうな世界線だなぁ、とか、そう言う気持ちで作ったのですが、かなり閲覧注意でお願いします。

・・・・・・・・・・・・

 それ先に言えよ!!

 次回もよろしくお願いします。ご愛読いただきありがとうございました。

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