人口死設
こんにちは!初めてなろう作品に自分の作品を投稿しました。人々に知られる小説家を目指して、不定期にはなりますが応援のほど、宜しくお願いします(土下座)
ご指摘の方も時間があれば言ってくださると今後の励みになります。
では!記念すべき作品一号!人口死設第一章 開始準備の始まり!(^_−)−☆
一章 開始準備の始まり
二章 開始準備
三章 開始
最終章 終幕
おまけ
第一章 開始準備の始まり
静流[しずる]はソファーにくつろぎながらテレビを見ている。休日の昼間、バラエティ番組が豊富で、静流は暇な時間を余すことなくテレビ観賞につかっているのだ。
すると、画面が変わり、白い空間に白衣を着た男の映像がながれる。
静流と同じように、コレを見ている視聴者はみな唖然とする。本当に突然だった。得体の知れないものに恐怖と、少しの期待を抱く。
男が喋り出す。
「至福のひと時をお邪魔して大変申し訳ございません。大成製薬白星の白星[しらぼし]です」
大成製薬白星は、医療の発展に大きく影響を与えた製薬会社で、全ての癌をコンプリートしただけではなく、人生200年の長寿命を実現した、なくてはならない会社なのだ。薬だけでなく、装置の開発、病院の設備と建築、医療や科学の発展のための研究など、幅広い分野で活躍している。
そしてこの男は、その会社の動きを指揮する責任者である。
だが、そんな人物がなぜテレビに、それもなぜテレビをハイジャックしているのか。静流はソワソワしながらも、テレビを凝視する。
「みなさんにはコレから、臨死体験をしていただきたい」
(コイツ何言ってんの?)
静流の頭の周りを『コイツ何言ってんの?』の文字がグルグル回っている。
流石に天才でも英雄でも偉人であっても、変なことを言うとそれ相応の感想が出てしまう。そんな話をするためにテレビをハイジャックしたのか?なんのため?と、頭が混乱する。
静流は訝しみながらも、話の先を聞く。
「突然こんなことを言い、(コイツ何言ってんの?)と思ったかも知れません」
思考を読まれ、驚く静流。
「臨死体験は未だ未知で報告例も相次いでいます。しかし、果たして死後は多数存在するものでしょうか?」
臨死体験とは、事故や病気などで生死を彷徨い、心肺が停止したときに、一時的に死後を経験する現象のこと。そして、死後の報告が相次いでいるのだが、いずれも信憑性に欠けるものばかり。具体例としては、三途の川を見たり花畑を見たり。
「臨死体験は曖昧すぎて、どれもコレも疑わしい情報ばかりです。実際に臨死体験者とコンタクトを取り話を聞きましたが、疑いは晴れることはありませんでした。私たちはどう真実の死後に辿り着くかを考えましたが、我ら天才の頭脳を持ってしても、真実の死後に到達することができませんでした。
すると、私はある考えに行きつきました。[霊の力を使う]というものです。死後なんて生者がどう足掻いても知れるはずがないから、諦めて、藁にもすがる思いで霊媒師に協力を依頼しました」
霊の存在は科学的に解明されている。ウイルスよりも100万倍小さな分子で構成されているのが幽霊で、幽霊の物質をヒュドロと命名された。
ヒュドロが発見される前に、実は世界にはウイルスよりも小さな分子が大量に発見された。それは西暦2080年の頃だ。
そこから使える分子を大量に使い、ヒュドロが発見された西暦8000年の今では車も必要のない時代となった。大昔に流行っていた猫型ロボットが活躍するアニメの道具が、ほぼ実現可能なのだ。
「研究員全員で信頼できる霊媒師を探しました。信頼できる人物を見極める天才の営業マンが、幸いにも我が社に6億はいまして、一人一人に同じ仕事を一斉にやってもらいました。そして見事に30億人という大量の、本物の霊媒師を我が社に招き入れることができました。
さて、こんなに霊媒師を集めて何をどうするのか。皆さんはそれに疑問を抱いていることでしょう。幽霊は死後に関係があり、幽霊になること自体死後だと思いました。そして幽霊の力を借りればもしかして、臨死体験の成功に繋がると思いました」
気づかないうちに白星の話に魅了される静流。
「6億人の天才一人一人に、自分が受け持った霊媒師様と対談するよう指示しました。何を質問させたか。それは、幽霊の力をどう使い、生者に死後の体験をどうさせるのか。
得た情報は、守護霊の力を借りれば本当の死後を生者に体験させることが可能、というものです」
目を丸くさせてテレビに齧り付く静流。
こんなことは前代未聞だ。
臨死体験をしたい気持ちが徐々に膨れ上がってしまう。
だが、疑問点は一つ。それは、なぜテレビをハイジャックしたのか。SNSを開くも、大成製薬白星が前代未聞のテレビハイジャック!怪しき製薬会社に直接インタビュー、という話題が全くあげられていない。
静流が推測するに、静流が住んでいる地域でしか放送されていない、と考えられる。
(いやどう考えても合点いかないだろ!)
周辺に住んでいる者たちは高齢の者だけと言うわけではない。ちゃんと若い者も住んでいる。ネットフィッシングしている者が、コレを話題にしないはずがない。
しかしなぜそんなことを?考えれば考えるほどわからなくなる静流。
「そして!守護霊の協力で臨死体験の装置が完成しましたー!」
すごく嬉しそうなのが映像を見て伝わる。そしてテンションが上がっているのは静流も同じだ。
「臨死体験の実験において、一人として死者も出さず、一発合格で臨死体験の安全性が確実に保証されました!」
死ぬ体験が安全にできる。
そんな確かな現実に静流や視聴者の鼓動は、期待と不安でバクンバクンしている。
早まる鼓動を抑え、静流はテレビを見る。
「体験場所は我が社の地下室でやりますが、安心しください。我が社の地下に瞬間移動をしていただきますので、ご足労はかけません」
そう言うと、テレビが突然白い光を放ち、静流の身体を包み込む。目を瞑る静流。
驚きですよねぇ。私たちは亡くなったらヒュドロっていうわけわかんない物質になるんですから。でもやっぱり死にたくはないですよねぇ( ̄∀ ̄)死期が来るまで生きたいですよねぇ。それが・・・・・・いや!なんでもないですよ!
コレから人工死設を何卒宜しくお願いします〔土下座〕