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トップ会談

「国王様、ラカユ国女王一行が面会に来られました。どう致しましょう」


「なに? 会談は明日の予定だが、そんなに早く儂の女になりたいのか? わかった。すぐ行く」


 下着を穿()かないでおこう。どうせすぐに始めるのだから、ズボンと服だけでいいだろう。ズボンだっていらないくらいだ。まあいいか。脱ぐ楽しみもある。


 女だけだったら、護衛も親衛隊の精鋭だけでいいか。女王がサインして、その後は5人と寝るだけだから、護衛も5人いれば十分だ。




「おねえちゃん、ホジェスが来たみたいね」


 ああ嫌だわ。ここからでも臭う。真司と同じ栗の花臭いわ。息を止めようかしら。


 私たちは待合室で待っていたが、用意されている椅子には座らない。見るからに汚い。私たちは雪ちゃんが用意した、簡易組立て椅子に座って待っている。窓は当然全解放した。


「おう、待たせたな。儂がホジェス・ミエラスだ。そんなに儂に早く抱かれたいか? いいだろう。おい、合意書を持ってこい。こいつにサインと母印を押させる。全員スカートは膝上のようだな。言ったことを守っているとは、なかなかいい心がけだ。ところで宰相はどいつだ?」


「はい、私が宰相のヘルシスです」


「おお、お前か。下着はちゃんと穿いてないだろうな。ちょっと見せてもらう。もし穿いていたらこの会談は打ち上げ、即刻戦争だ」


 ホジェス・ミエラスはヘルシス宰相のスカートを捲った。



 私はヘルシス宰相に穿いてないと言えばいい、みんながいる場で確かめたりしないよ。と話した。一国の王が重臣も見ている前でそんなみっともないことはしないと。一国の宰相であるヘルシスに恥をかかせたくなかった。


 ホジェス・ミエラスがヘルシス宰相のスカートを捲ったときは、ちょっとびっくりしたし、しまったと思った。

 ミドリ連合国が転移陣を持っているかわからないが、もし持っていて命令書を送られたら、国境地帯にある砦から一気に侵略される。越境は明日の計画で用意しているから、今越境されたらラカユ国軍の準備ができていない。当然国民に被害が出てしまう。



「おお、書状のとおり穿いてないようだな。なかなかいい体をしているじゃないか? 俺の子を産め。俺たちに似た天才ができるはずだ」


 ホジェスはヘルシス宰相の大事な場所を()めるように見ていた。驚くことに、ヘルシス宰相は本当に下着を穿いていなかった。


 さすがに、ヘルシス宰相も嫌な顔をしている。ここに来る前から怒り心頭だったから、隠そうともしない。さすがに生理的に受付けないようだ。確かに『ノーパンしゃぶしゃぶ』の意味を知ってしまえと、私も生理的に受付けない。


 よく考えると、ホジェスにしてもヘルシス宰相にしても、なぜ、私さえ知らない、ノーパンしゃぶしゃぶを知っているのだろうか? う~ん。考えても分からないが、この世界には楓のような転移者と私のような転生者がいる。大和で分かったが、時間軸も一致してないようだ。そう考えると、昔日本人がこの世界に来て、ノーパンしゃぶしゃぶを流行らせたのかもしれない。詳しくは聞かないでおこう。ヘルシス宰相の顔が怖いから。



「女王は誰だ」


「私です。ラカユ国女王鹿野ララと申します」


「そうか! お前が女王か。お――――――!! ヘルシスほどではないが、小ぶりだがなかなかいい体をしているではないか。早くサインしろ。俺はもう元気になった。早く行くぞ。今日はお前をバキュンバキュンして、ここをドキュンドキュンしてやる。これから、行くぞ。サインと母印は宰相でいい。お前が代わりにサインしておけ。今から部屋に行くぞ。その前に下着を確認するか。どれどれ……」


 ホジェス・ミエラスは、座っている私のスカートの裾を左手で(つか)み、右手を入れてきた。さすがに我慢の限界に来たが、ヘルシス宰相も耐えたのだ。国家間の話なので私も耐えていると、ホジェスの首が飛んだ。雪ちゃんは、我慢できなかったようだ。小町ちゃんはホジェスの右手を斬っていた。楓はあそこを潰していた。

ヘルシスは、近くにあった花瓶をホジェスの体に投げていた。



 小町ちゃんは同時に親衛隊の首も飛ばしていた。雪ちゃんは受付けをしてくれた兵士以外の首を飛ばしていた。兵士は精鋭らしいが、(まばた)きをする間もないほど一瞬だった。



 私は、受付けをしてくれた護衛兵に言った。


「降伏してください。我国と貴国の間にはホンドラ山脈があります。そこまでは戦後賠償としてラカユ国がいただきます。新国王に転移陣があればそれで、なければ伝令鳩で伝えてください。もし兵を引かなければ明日全員を殺害します。国境周辺の兵は全員捕虜にさせていただきます。あなたは一般兵ではありませんよね。国王に伝言できる立場のようですから、ここの司令官でしょ。調べはついています。


 これから一緒に戦争を止めに行きませんか? 今ならあなたのことは悪いようにはしません。兵士の方も一部の方を除き悪いようにはしません。


 今のところ我国の国民に手を出したわけではないので、帰国したい人は善人・悪人にかかわらず、一定期間奉仕活動をしていただいたら帰国を認めます。でも、きっと国の面積が半分になっていますから食糧事情は苦しいかも知れません。

 あなたの所在と階級を教えてください。無理矢理聞く方法もなくはないのですが、あなたなら今の状況を理解できますよね?」



 ホンドラ山脈を国境線とするのには理由がある。これもヘルシス宰相の受け売りだが、ホンドラ山脈を越えるには、相応の装備を用意しなければならない。ミドリ連合国の首都からラカユ国に攻めたいときは、通常ホンドラ山脈を迂回するため、こちらが対処するための時間が稼げる。



「私は、ハルドン方面後方支援軍司令官 ハッセ・ジルドア中佐であります」


「正直ね。では一緒に全軍指揮官の下に行きましょう。あなたは軍人にめずらしく素直ね」


「はっ! お()めいただきありがとうございます。この無駄な戦争を回避できるなら、微力ではありますが、ご協力いたします」


「あなたもこの戦争に反対なんだ」


「はい、今は敵国とはいえ、元は同じ国民でした。ラカユ国には私の親族もいます。できるなら、また一つの国に戻りたいと皆思っています。ホセ国にも親族がいます。親族同士で戦うのは悲しいことです。」



「全軍指揮官との話合いで、注意すべきことを教えていただけるかしら」


「はい、残念ながら、全軍を指揮しているイエルダンク・リーカス大将はミドリ連合国の創始者の一人で、国王と性格も性癖も一緒です。もう一人の創始者ギャバリン・ドルチェス大将も似たようなものですが現在王都で次期国王になられるレルト・ミエナス様の後見役をされております」



「まともな人はいないの?」


「はい、上は皆似たようなものです。ホジェス・ミエラス国王が亡くなったことを知れば、きっとイエルダンク・リーカス大将はご自身が国王を名乗って貴国に侵略を開始すると思います」


「話合いにはならないわね。だったら、どの階級まで廃除すれば話合いに応じてくれる人が現れるの」


「そうですね。ご存じのように軍は上が廃除されれば、下に指揮権が移動します。将官は全滅です。大佐もやはり全滅です。中佐ですと、まともな者が増えます。特に東部方面遊撃隊隊長のリデア・ポミアン中佐は女性ではありますが、若くて頭もよく部下の信頼も厚い方です」


「あなたと同じ階級なのね」


「とんでもありません。私は42歳でやっと中佐になれました。それも後方支援という食糧運搬です。リデア・ポミアン中佐はまだ18歳です。私は会ったことがありませんが、あの天才ヘルシス様に次ぐ秀才と言われています。私も実はヘルシス様の大フアンだったのですが、お会いすることができませんでした」


「あら、ヘルシスのフアンなの?」


「はい、もしヘルシス様の部下になれるなら、二等兵からでも忠誠を尽くしたいと思っております」


「そう。この戦争をうまく回避できたら、あなたの夢は叶うかもしれないわよ。でもそのためにも急がないとね」



 ハッセは部下に白旗を上げさせ、待機しているよう指示した。

 彼もそれなりだが部下に信頼されているようだ。


「ところでヘルシスちゃん、あなた、下着を穿いてなかったのね。まあ、あれがあったから心置きなく全員を殺すことができたのだけど、よく決心したわね」


「あの男は、ゲスの3トップです。品というものがありませんし、もし下着を穿けば、逆らう意思があると判断し、やつが警戒するからです。兵士の増員をされる可能性もあり、伝令鳩を送られたら国境周辺の住民が危険にさらされます。もし兵士から首元に剣を当てられたらいくら私でも対処できません。


 相手を屈辱し、その通りにすれば、服従すると考え、宰相である私に命令したのです。それを確認したからこそ、安心して無防備にララ様の下着を見ようとしたのです」


「でも、恥ずかしいでしょ?」


「減るものでもありませんし、どうせ死ぬやつですから。私の裸で済めば安いものですよ」


「さすが、ヘルシス宰相、肝が据わっている。でも大和に下着姿を見られたとき恥ずかしかったと言ったわよね?」


「下着の方が恥ずかしいですよ。汚れていないかとか、似合ってないだろうかとか、14歳といえ、もう立派な男性ですからね。彼には私のサイズは初日に、足の先まで全部知られていますから。気になりますよ」


「そ、そうなの。大和を男として見ているんだ。へ――――だから毎夜盛んなんだ。大和もてるんだ」


 ソフィアと大和がそういう関係なのも知っていたけど、そうかヘルシスの方が先で、そのあとがソフィアなんだ。それなら下着姿を見られる機会は多いよね。ソフィアが第二夫人でもいいと大和に言っていたのが聞こえたから、楓には黙っていたけど、あの場合の第一夫人はヘルシスのことだったのね。楓が大和と結婚するとは思っていないんだ。私もそう思うけど、そうかヘルシスは料理、裁縫ができる男子が好きだったんだ。まあ大和はこの世界の人には顔もいいらしいからね。まさかヘルシスが亡命したその日の夜の、そんな早い時期にそういうことをしているとは思わなかった。私はまだまだ甘い。


「雪ちゃん、このこと知ってた?」


「はい、ヘルシス宰相が、亡命した日の夜に採寸をしたのですが、興奮した大和がヘルシス宰相に覆い被さって、そのままそういう関係になりました。それからは大和とヘルシス宰相は毎日のように盛っていました。ソフィア専属秘書官とも関係をもってからは、毎日お二人を相手にされていました。


 それからはあっという間に残りの専属秘書官とも関係を持ち、楓様を寝かしつけたら隔日ごとにヘルシス宰相とソフィア専属秘書官、リゼ専属秘書官とセレス専属秘書官の部屋を訪ねて、楓様が起きる前に戻っています。あの4人は別館に住んでいますから、ララ様は知らなかったかもしれませんね。今晩にでも行かれたら、今日はちょうど最初がヘルシス様の順番ですから、ローカにいればヘルシス様の声が聞こえますよ。他の3人より結構大きいですから。


 でも安心していいですよ。4人とも結婚の約束をされています。ヘルシス宰相が第一夫人、ソフィア専属秘書官が第二夫人、リゼ専属秘書官が第三夫人、セレス専属秘書官が第四夫人と決まっています。むしろ皆さん相手が決まったことで、前より落ち着いて仕事に励まれていますから、いいのではないでしょうか。楓様は残念ながら暫定第一夫人です」


「そうなのね。私の専属秘書官はみんな相手がいるんだ。といっても一人の男性だけどね。いないのは私だけなのね。まあ必要ないけどね。真司がトラウマになって男は当分パスだわ」


 そういえば楓は大和のことを婚約者と言わなくなったわね。確か、ヘルシス宰相の秘書官ペトラ・マイネンに、若い軍人を紹介されたと話していたあたりから、大和に興味を失ったようだわ。もしかして、ヘルシスは……そういうことね。どんな子か知らないけど、きっと楓のタイプなのね。たぶん頭がいいわ。大和は単に高校生で早く習っていたから、特に頭がいいわけではないことに楓も気づいたのね。


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