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そして、黒百合は手折られた  作者: 中年だんご
第5話 バッドガール・ミーツ・バッドボーイ
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バッドガール・ミーツ・バッドボーイ 1

あけおめ&ことよろ


間が空いて内容忘れてるだろうから前回のあらすじ


その1

葵が朝鮮半島からの亡命者5万人を、虐殺しました


その2

葵がバイト先の仲の良かった男の子を、射殺しました


「アオイ先輩が行方不明って、どういうことなんですか!?」


 地下基地アガルタの指令室で、聖技は石川に詰め寄っていた。


 その日の朝、葵は待ち合わせに来なかった。電話をしても繋がらない。もしかしてついに倒れたんじゃないか、そう不安になった聖技は葵のアパートまで足を運び、預かっていた合鍵で部屋に突入した。


 もぬけの(から)だった。


 そうしてようやくアガルタへと連絡をして、アストラでも葵の所在を掴めていない、ということを知ったのだ。


「落ち着いて、順に説明する」


 石川は疲れた声でそう言った。机の上の灰皿は綺麗なままだ。どうやら煙草を吸う余裕もないらしい。


春原(すのはら)ギャラクシィは知っているね?」


 全く考えていなかった名前だった。


「え? ラック君ですか? アオイ先輩のバイト先の、お孫さんですよね? 先週も会いましたけど」


 聖技は、向日葵(ひまわり)が殺された場所への献花を毎週続けていた。その時、いつも花を買うのに利用しているのが、ラックがいる春原花屋だ。聖技は葵がここで働いているのも察していて、けれども葵が隠したがるので、鉢合わせしないよう気を付けていた。


 もしかしてラックが葵を誘拐したのか。いや行方不明ということはすわ駆け落ちか。そんな想像を聖技がしていると、


「彼は殺された」


「……………………は?」


 石川が何を言ったのか、しばらく理解できなかった。


(死んだ? 殺された? 誰が? え?)


 じわり、と脳裏に浮かび上がる。ルインキャンサーのコックピットの中で見た、向日葵が殺された瞬間の映像を。


「な、んで……ラック君、が……?」


 めまいがした。いやな想像が心を蝕む。ラックが殺されたというのなら、今行方不明の葵も、もしかしたら


 パン! と破裂音が聖技の目の前で鳴った。石川が猫だましをかましたのだ。聖技の意識が現実に戻される。


「僕の推測に過ぎないけれど、星川さんはまだ生きていると思う。まずは座ってくれ」


 石川の言葉は、単に聖技を落ち着かせるための方便にも思える。けれども今は何もわからず、とりあえず言われた通りにソファーに座る。石川もわざわざ移動して、その対面に腰を下ろした。


「まず最初に起きたのは、星川さんの護衛が何者かに襲撃されたことだ」


「それで、アオイ先輩が誘拐された?」


「あぁ。君たちの持ち物や制服には、念のため発信機を取り付けているんだけれどね」


「え、初耳なんですけど」


「それは下野さんが覚えてないだけだよ。ともかく、星川さんの制服や持ち物は、近くの公園のトイレに捨てられていた。もし死んでいるなら、この時点で死体が見つかっているはずだ」


「それで、生きているってことですか。……あの、それとラック君と、何の関係が?」


「ある。春原ギャラクシィ本人ではなく、その父親だけれどね。彼は両親の離婚後、母親に引き取られ、まぁ紆余曲折あって日本に来た。一方で父親の方は、離婚の後、ポツダム半島に渡ったんだ。そして7年ほど前に、国内で事件を起こして捕まった」


 石川は、その時に葵の両親が殺されたことには触れなかった。


「その彼が、今日、刑期を終えて出所した」


「……7年くらいでってことは、そんなに大きな事件じゃなかったんですね」


「いや、それなりに大きい事件だったよ。何人か殺してるしね」


「それでたった7年!?」


「司法取引だよ。彼は当時のポツダム半島の情勢や不法入国に使った経路、ドール・マキナの搬入手口、同じく国内に不法入国している仲間の情報を供述したんだ。かなり減刑されたはずだよ」


「あのー、それってポツダム半島側から見たら、裏切り者なんじゃないですか?」


「その通りだ。出所の直後、春原と再会したところで襲撃されたらしい」


「防げなかったんですか?」


「防ぐつもりだったよ。出所直後に襲われるのなんて容易に想像できるからね。だけど星川さんの護衛が襲撃される辺りから、周辺一帯に強力な電波障害が発生した。連携が全く取れない状態にされて、その隙を付かれた。おそらく計画的な犯行だ。だけど父親の方はトラックで跳ねられただけで一命をとりとめていて、一方で息子は跳ねた後、頭部に銃撃を3発。明確に殺意を持って殺されている」


「ラック君だけ殺して、そのお父さんは殺さなかった……?」


「悪意だろうね。ただ殺すだけでは足りないと」


 突然、電話が鳴った。2人してそちらを見る。


「出てもいいかい? こっちにかかってくる電話は緊急性が高いものなんだけど」


「大丈夫です。ボクも分かってますから」


 石川は頷くと、席を立ち、受話器を手に取った。


「石川だ。…………。それは、確かなのか? ……。 あぁ、分かった。引き続き捜索に当たってくれ」


 受話器を叩きつけるように置くと、苛立たし気にドカリと座る。


「死んだ」


「え?」


「その父親が死にやがった。自殺だそうだ。クソが……! どうせ死ぬなら情報を吐いてから死ねばいいものを……!」


 石川は腹から怒気を抜くように息を吐き出した。


「続きを話そう。星川さんは、花山院の制服を見て偶発的に誘拐されたか、あるいは春原と交流があったから前々から目を付けられていたか、そのどちらかだろう。いいところのお嬢様だと勘違いされた可能性が高い」


「……大丈夫でしょうか」


「誘拐犯なら身代金の連絡をしてくるだろうけど、星川さんの身の上を考えると、言うことを素直に聞かないだろうからなぁ」


「でも裸にされてるんですよね!?」


「あ~、凌辱されているとは限らないよ。聖女誘拐事件で学習した可能性もある」


「聖女誘拐事件?」


「そう。聖女ラセリハは服やアクセサリーに発信機を取り付けていてね、誘拐されても所在を突き止めることが出来たんだ。花山院の生徒とみて、同じ対策が取られていると考えても不思議じゃない。それに単純に、女の子の場合は裸だと逃げにくいしね」


「アオイ先輩は恥より殺意の方が高いと思います」


「同感だ。だから心配なんだ」


「分かりました。じゃあ失礼しまーす!」


 聖技はそう言うと、勢いよく部屋から飛び出そうとして、


「あいったぁ!?」


 開かなかった自動ドアに顔面から突っ込んだ。


「え? あれ? なんで?」


 開閉ボタンを押す。動かない。


 手で引き開けようとする。ピクリとも動かない。石川の方を見ると、その手にリモコンらしきものを持っていた。遠隔操作で自動ドアをロックしたのだ。


「ちょっと隊長、開けてくださいよ!?」


「下野さん、君、星川さんを探しに行くつもりだろう」


「あったりまえですよこんなところで待ってられません!」


「気持ちは分かるけど止めろ。これは上官命令」


「でも!」


「誘拐犯や誘拐被害者を探す技術を持ってないだろ、君」


「ぐぅ……!」


「君が探し回ると護衛を付ける必要がある。その分捜索に使える手が減る。下野さんが探し回ると、星川さんを見つける可能性がその分下がるんだ」


「ぐぬぬぅ……!」


「あと単純に、君まで誘拐されたら堪ったもんじゃない」


「ぐぬぬぬぬぅ~~~ッッッ!」


「もし脱走しようってんなら麒麟ちゃんをけしかけるからね」


「いやちょっとそれはズルくないですか!?」


 石川は聖技の抗議を無視した。ドアにへばりつくような姿勢になった聖技を見てため息を付きつつ、


「誘拐犯と関係のあるドール・マキナが出てくる可能性もある。下野さんの役割はそちらに備えることだ」


「うぅぅ~~~……」


「スクランブル発進に備えて学園内に常駐するように。寝泊まりはアガルタなり寮なりを利用してくれ」


「了解ですぅ~~~」


 ものすごく不満そうな聖技を見ながら、再度の遠隔操作で自動ドアのロックを解除した。聖技は急に支えを失って廊下にはみ出て床にダイブして、潰されたカエルみたいな声を出した。


Q.なんで更新期間が空いたんですか?

A.7割くらい書いたところでまずスパロボYが出てぇ~~~、気が済むまで遊んだらFF14アプデとグラブルリリンク60%オフとACⅥ50%オフを立て続けに膝に食らってしまってぇ~~~そして1/6からはFF14高難易度コンテンツをやろうとしている

  一応今回の話は最後まで書き終わってるからこれまで通り週1更新なのでご安心ください

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