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俺の召喚獣だけレベルアップする  作者: アッキ@瓶の蓋。
第3章『決戦の北海道と、最強の召喚士シーヴィー/吸血鬼ココア・ガールハント・ヒアリング3世の章』

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第107話 冴島渉、頑張る

 ~~前回までの あらすじ!!!~~

 Sランク、超高難易度ダンジョン《ルベバの塔》にて、【三大堕落】の1人である甘言のシーヴィーと相対する事となった【召喚士】冴島渉の一行。


 冴島渉は吸血鬼ココア・ガールハント・ヒアリング3世と共に、甘言のシーヴィーと激突。

 しかし、甘言のシーヴィーが操る堕落戦車サンダーイの力によって、ココアが送還されてしまい、冴島渉は無防備になってしまうのであったっ!!



 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



「はい☆ ばいなら☆」


 召喚獣という俺の武器を奪い取った甘言のシーヴィーは、カチャっとオレに銃口を向ける。

 【召喚銃サモンショット】----ヤツの持つ、超高威力の銃である。

 そして、彼女が引き金を引くと共に、禍々しい紫色の光が、俺へと襲い掛かって来た。


「くそぅ……!!」

「これで、最強の【召喚士】の称号は、うちのものだぁぁぁぁ!!」


 そして、禍々しい紫色の光は、俺の方へ----



『クルルルンッッ!!』



 俺の持っていた、エルダードラゴンエッグに防がれていた。



「なっ?! バカなっ!? エルダードラゴンエッグは、このうちがちゃんと回収したはず?!

 なんで、レベルⅢのお前が、レベルⅤの【召喚士】スキル、【スペシャル召喚】でしか呼び出せないそいつを持ってるっ?!」

「その【スペシャル召喚】って事は後で聞いておきたいところだが----これは、うちのファイントが用意した奴だぜ?」


 そう、この俺の攻撃を防いだこのエルダードラゴンエッグは、前にシーヴィーが回収したヤツとは別の召喚獣。

 今、シーヴィーが持っているエルダードラゴンエッグは、赤。

 それに対して、俺が今持っているエルダードラゴンエッグは、"黒"。


「これはリョクチャという俺の融合召喚獣の後に出てきたボス魔物を倒したドロップアイテム……いや、ドロップ召喚獣。

 その名も、【エルダードラゴンエッグ・アルター】だ!!」



 ===== ===== =====

 【エルダードラゴンエッグ・アルター】 レベル;Ⅳ

 ドラゴンの中でも、長命種と呼ばれる超上位種の、ドラゴンの卵型の召喚獣。卵の中身はまだなんのドラゴンになるか定まっておらず、その身体は硬いドラゴンの卵の殻に覆われている

 条件を満たすまでは卵のままであり、長い時間を卵のまま生き残るために、別次元へと隠れ住む力と、普通のドラゴンと同等の力を手にしている

 ===== ===== =====



 そう、このエルダードラゴンエッグ・アルターは、墓碑銘龍エピタフ・エルダーデスドラゴンというボス魔物を倒した際に出てきたドロップアイテム。

 俺はあの幽霊船ホッカイドーに乗り込んだ際に、ファイントにダンジョンコアを消滅できないかと尋ねた。

 そして、消滅は出来ないが、ドロップアイテムの調整は出来るとファイントは言っていたのだ。


『まぁ、出来るとしたら、ボス魔物のドロップアイテムを調整する事くらい、ですかね☆ ドロップアイテムを1つから2つにしたりぃ~、ご希望のドロップアイテムになるよう弄ったりとか♪』


 なので、エピタフ・エルダーデスドラゴンを倒した際に、ドロップアイテムをファイントに調整してもらった。

 その結果、出てきたのが、このエルダードラゴンエッグ・アルターである。


 ココアに内緒にしていたのは、ココアがそんな雰囲気じゃなかったのが一因だな。

 あの怒りマックス状態のココアに見せても、「そんな子供騙しで妾が欺けるとでも?!」と怒られそうだったからな。


「このエルダードラゴンエッグ・アルターは、俺の召喚獣ではない。ただ自我を持つ、俺の近くにあるだけのアイテム。俺の武器でもない。俺が武装している訳ではない。

 だから、お前の【武装乙女】の影響を受けないのだっ!」

「~~~~っ! だからと言って、こちらの有利なのには変わりありませんのでっ! もう一発----!!」


 と、シーヴィーが新たな【召喚銃】を出して、再び俺に止めを刺そうとしてくる。

 そうやって銃口を構えようとしているシーヴィーに対して、俺はガチッとエルダードラゴンエッグ・アルターを手で掴み取る。


「どっせぇぇぇいっっ!!」

「へぷしっ?!」


 銃口を構えて撃とうとするシーヴィーの顔に、俺はエルダードラゴンエッグ・アルターを投げつけた。

 いくら武装を解除したとはいえ、攻撃を禁止された訳ではない。

 武器を装備するという事は出来ないが、物を投げつけるくらいなら、出来るみたいだ。


 まぁ、【召喚士】にとっての武器と言えば、召喚獣。

 石を投げつける程度、武装禁止の【武装乙女世界(マキャベリストパンク)】にとっては、武装にも判定されない程度の行為なのだろう。

 

「いくら召喚獣以外は戦闘スキルがほとんどない【召喚士】とは言え、レベルⅢともなれば、投石(これ)くらい出来て当然だ」


 まぁ、投石ではなく、投卵だが。


「ウグワーッ?! ぼっ、ボタンが?! ボタンが取れたーっ!!」


 おぉ、さらに追加効果だ。

 どうやらエルダードラゴンエッグ・アルターを当てた際に、シーヴィーの瞳のボタンが取れてしまったようである。

 シーヴィーは慌てて、瞳の部分にボタンを縫い付けようとしている。



 ----実に、シュールだ。



「でも、チャンスが回ってきたっ!」


 後は、あの《武装乙女》の力を発動している、堕落戦車サンダーイを破壊すれば、俺は【召喚】によってココアを呼ぶことが出来る。

 しかし----あの硬そうな戦車を、どう破壊すれば良いだろうか?


「(さっきと同じように、エルダードラゴンエッグ・アルターを投げる? いや、戦車相手に投げたところで、意味はないだろう。

 だったら、さっきシーヴィーが落とした【召喚銃】なら----)」


 そうやって拾おうとするが、銃が手からすり抜ける。

 銃と手が反発するように、何故か銃が俺の手に収まってくれないのだ。


「(まさか、【武装乙女】の力----?!)」


 エルダードラゴンエッグ・アルターを拾って投げるのはアリだが、銃という武器を拾うのはダメという判定なのだろう。

 本当に厄介だな、【武装乙女】----!!


「(くそぉ、なんとかしないと……!! 速くあの堕落戦車サンダーイを壊さないと、ボタンを付け直したシーヴィーに今度こそ止めを刺されて----)」


 どうするべきだろうか、と思っていると、すっと俺の目の前に拾いたかった【召喚銃】が拾われていた。

 誰が拾ったのかと思っていると、そこにはぜぇぜぇと息を切らすように揺れるエルダードラゴンエッグ・アルターの姿が。


 卵の姿でどうやって掴んでいるんだろうと思っていたが、どうやらドラゴンパワーの力を使い、不可視の腕で掴んでるっぽいな。


「(----いや、俺が言わなくても理解してくれるのは嬉しいが、それにしたって、疲れすぎじゃないか?)」


 ほんのちょっとの距離だぞ?

 レベルⅣの召喚獣にしては、レベルⅠのゴブリンよりも体力がないんじゃないだろうか?


 いや、それよりも----今は【召喚銃】を手に入れたんだから、これで----!!


「エルダードラゴンエッグ・アルターよ!! あの戦車めがけて、引き金を引けっ!!」


 俺がそう言うと、エルダードラゴンエッグ・アルターの持つ【召喚銃】の引き金が、引かれる。

 そして----引き金が引かれることによって、禍々しい紫色の光が、戦車を飲み込む。



 ===== ===== =====

 堕落戦車サンダーイを 撃破しました

 スピリット系職業【武装乙女(マキャベリスト)】が 解放されます

 【召喚士】冴島渉の 非武装が 解除されます

 ===== ===== =====



「よし、解放されたっ!!」


 解放されたのを確認した俺は、すぐさまココアを召喚する。

 召喚陣から現れたココアはなんだかスッキリした表情で、俺の隣にいたエルダードラゴンエッグ・アルターを見ていた。


「あー……えっと、ココア。このエルダードラゴンエッグはだなぁ……」

「ははっ、本当(・・)じゃったか」


 ん……? 本当?


「なんでもないのじゃ、主殿! それよりも----」


 と、ココアはすぐさま雷の魔法を発動すると、目の前に発射した。

 雷の魔法はボタンを瞳に取り付けようとしたシーヴィーにぶつかり、それだけではなくボタンまで雷によって傷が入ってバラバラになっていた。


「----ここまでなのじゃよ、甘言のシーヴィー!!」


 バシッと、ココアは指を突き付けるのであった。

実は、ほぼ男性には無敵に見える【武装乙女】って、根本的に弱点がありまして……

そもそも、「女性=非力」だからこそ、女性だけが武装を許される世界なので、

男性は例え赤子であろうと、それなりの力を与えられるという……そういう裏設定もありますww


次回、怒りのシーヴィー?!

「第108話 甘言のシーヴィー」をお楽しみくださいませ……

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活動報告に今作の作成秘話を書きました
よろしければ、ご覧ください

今作についての活動報告

サイドストーリー、外伝を制作しました。第2章も始めましたので、こちらもどうぞ
俺の着ぐるみが超有能である
― 新着の感想 ―
[一言] 面白くなってきた どんな進化するかなあ
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