春
キャラメル・ラテです!
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春……。それは別れの季節。
「卒業生、起立!」
今日は先輩の卒業式。私の大好きな東川先輩が卒業しちゃう。この式が終わったら私は告白する。もし、ダメだったとしても、悔いが残らないように……。
「卒業しても元気でね〜!」
「うちら、たまには会おうね!」
式が終わってグラウンドで先輩達が別れを惜しんでいる。
東川先輩はどこ?!
いた……!!男友達数名で話している東川先輩。
うーん、どうやって話しかけよう……。
「あ、俺彼女のところ行ってくるわ」
え、彼女?!
「おう、行ってらっしゃい」
あ、なんだ。東川先輩の友達が彼女のところに行くのね。びっくりした。
「俺もクラスの方行くわ」
「おっけー」
今だ!先輩が一人のときに……!!
「と、東川先輩……!!」
「ん?」
東川先輩は優しそうにこちらを見つめている。
緊張する。心臓がバクバクいってる。言わなくちゃ。『好き』って言わなくちゃ。
「あの……!先輩!!す、好きです。」
「え?!」
先輩困ってる。そりゃあそうだよね。部活が一緒だったけど、部員が多くてちょっとしか話さなかったもん。私のことちゃんと認識してるのかすら危ういのに……。こんないきなり告白なんか。
「ごめんなさい。1年の沢井春さんだよね?ごめんなさい」
そうだよね。振られるのわかってた。
なのに、どうして?涙が出ちゃいそう……。
名前、覚えてもらえてただけでも奇跡なのに。
「ごめんなさい。後輩としてしか見てなかった。でも、後輩としてはすげー好きだから。いつも1人で練習頑張ってたの知ってるから」
え……?!嘘。知っててくれたの?涙がこぼれ落ちた。
「だから、春には幸せになってほしい。でも俺には春を幸せにできないから。春を幸せにしてくれる人に出会って、幸せにしてもらって。ごめんな」
「いいえ、そんな」
「それじゃあ、たまには部活遊びに行くからまたよろしくな」
「はい!」
涙が溢れてくる。でもこれは振られて悲しい涙じゃない。先輩にあんなことを言われて嬉しい涙。
キーンコーンカーンコーン
新しい学年。新しいクラス。
「春!何組?」
新しいクラスが提示されているのを見て友達に話しかけられた。
「A組〜」
「うそ!一緒〜」
「やった!」
友達と同じクラス。嬉しい!
先輩のいない学校は少し寂しいけど、新しい自分にならなくちゃ。
え〜っと私の席は〜。
ここか!
「あ、隣の席?よろしく!俺、江東律也」
「沢井春です!よろしくね!」
春……。それは出会いの季節。
出会いと別れの季節。
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