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聖剣の力で全てを救う!  作者: 厨二病患者
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聖女契約

身の回りがゴタついて久しぶりの投稿になっちゃいました。


 翌日、俺たち勇者一行は王女に連れられて王都内にある教会本部、その中でも限られた人間しか立ち入ることのできない神聖な場所へと来ていた。

 この場所には最高位の神官や教祖ですら自由に立ち入ることができないそうだ。

 そのためこの場所には勇者一行と王女、そして全身を純白の衣で包んだ神官だけがいた。

 その神官は王女と軽く挨拶を交わすと俺たちに向き直り一歩前に出る


「はじめまして。勇者様方。私は現在、教祖を務めさせていただいているアークと申します。」


 そういうと、穏やかな微笑を携えたままその場で一礼する


「皆様にはこれよりいくつかやってもらうことがあります。まずはじめに聖剣解放度の測定など、次に聖剣についての説明、最後に聖女契約をしていただきます。それではこちらへ。」


 それだけいうと部屋の奥にある通路へと進んでいってしまう。俺たちもそのあとに続く。

 目的地に着くまでの間、俺は疑問に思ったことをアモルファスに尋ねる。


 なぁ、さっき言ってた聖剣解放度ってなんのことだ?


 …おそらくシンクロ率のことではないかと。


 ふぅーん、わざわざ名前変えてんのか。変なの。それじゃあ聖女契約はなんだ?


 …分かりません。


 お前にも分からないことあるんだな。


 そのままアモルファスと話しつつ、壁の装飾品を見ながら進むと、再び開けた場所へと出る。


「皆様にはここにある魔道具で聖剣の解放度を計測していただきます。この魔道具の名は「神の瞳」この世に実在する全ての存在を全て正しく鑑定することができる魔道具です。」


 そう言ってアークは目玉の様な見た目をした魔道具を指差す

 魔道具とはその名の通り魔法の力を宿した道具のことである。

 直接魔法を付与するものもあれば特殊な文字式、記号、数字の羅列によって作られたものもある。


 …神の瞳ね、あれも


 …はい、神が製造したものの一つですね。


「この魔道具の使い方は簡単、ただ魔道具の上に手をかざすだけで発動します。全員の鑑定がすみましたら一斉に表示させていただきます。それでは、心の準備ができた方からどうぞ。」


 そういうとアークは魔道具の前から横へとずれる。

 通路を通る際一列になっていた俺たちはその順番のまま手をかざしていく。ちなみに俺は一番最後だ。

 俺の一人前までが鑑定して俺はあることに気付く。


 これで鑑定して俺に何かいいことがあるのか?それに、コイツら当たり前のように鑑定を受けてたが、アモルファスみたいに自分の聖剣に教えてもらえばいいんじゃないか?


 …確かにそうですね。私がお教えするので必要がありませんね。ただ、ここで断った場合教会に目をつけられる可能性があるので大人しく鑑定した方がいいかと。

 そして、他の勇者達ですが、おそらく聖剣に私と同じ機能がないものと思われます。


 同じ機能がない?同じく聖剣なのにか?まぁ、それはおいといて、それはなんて機能なんだ?


 …自立思考プログラム、いわゆる自我みたいなものです。


 つまり、自分の聖剣と話せるのは俺だけなんだな。それじゃあ確かに鑑定を受けないと分からないか。


 俺は手をかざして鑑定を受ける


「これで皆様の鑑定が終わりました。それでは少々お待ち下さい。」


 そういうとアークは魔道具を操作する。そして、魔道具に付いているボタンを押した瞬間、俺たちの前に情報が書かれた半透明な板が現れる。

 はじめて見るやつもいる様だがこれは冒険者として仕事をする際に何度か経験したから知っている。

 これはステータスボード、鑑定した際に現れるやつだ。俺は目の前に表示されているステータスボードを見つめる。


 契約者 ラック

 聖剣 ???

 聖剣解放度 39%


 とだけ表示されていた。


 おかしくないか?ちゃんとした魔道具で鑑定した割に情報量が少なすぎる。

 不審に思った俺は隣にいた茶髪の勇者、昨日真っ先に旅に出ると言った、ユウガのステータスボードを覗く


 契約者 ユウガ

 聖剣 正義の(つるぎ)

 聖剣解放度 3%

 聖剣コード なし


 やっぱりおかしいぞ。なんで俺のだけ違うんだ?

 他の勇者のステータスボードを覗くが俺だけが違っていた。


 なぁ、もしかしてなんかやったのか?


 …はい、鑑定に対してレジストしました。


 レジストした?なんで。


 …あの魔道具は鑑定する対象を魔力で包み込み、対象を完全に掌握した上で情報を根こそぎ奪うという魔道具です。私は支配されるのが大嫌いなのでレジストしました。


 そ、そうなのか。アモルファスに好き嫌いがあるなんて驚きだぜ。

 というか、無機物に好き嫌いがあるってどういう事なんだ?!


 …聖剣とはいえ私にも好き嫌いはあります。特に苦手なのはトマトですね。


 苦手って食いもんの!?てか、どうやって食うんだよ。お前聖剣だろーが。はぁ…さて、お前にもう一つ聞きたいことがある。


 …はい、なんですか? 


 それはだな


「ラック様!凄い数値です!聖剣解放度が既に39%になっているなんて。歴代の勇者の数倍はありますよ!」


 俺のステータスボードを見たアークが興奮気味に話す。


「過去最強と呼ばれた初代以外で初めから10%を超えていたのはラック様が初めてです。しかも、10%を大幅に超えているなんて。信じられない。こんな光景を目にすることが来るなんて。」


 アークは感動に打ち震え目にはうっすらと涙すら浮かんでいた

 それを見た俺は無意識に頭の後ろをかく


 はぁ、なんかめんどくさそうなことになったぞ。さっき他の勇者のステータスボードを見て聖剣解放度が俺と比べて低すぎるとは思っていたが…


「えぇ!本当!ちょっと見せて!」


 そう言ってレッカが覗き込んでくる。


「うわっ!本当だ!本当に39%超えてるよ。」


 それに続く様にその場にいる全員が次々に俺のステータスボードを覗き込む


 どうすんだ?この状況。どうおさめればいい。


 …違う話をして注意を逸らせばいいんじゃないですか?


 なるほどな。よし、


「なぁ、アークさんよ。さっき初代と言っていたが、初代の聖剣解放度はどうだったんだ?」

「初代ですか?」

「ああ、ちょっと気になってな。」

「なるほど、それでしたらきっと驚くと思いますよ。」

「へぇ、そうなのか。」

「はい、初代勇者様の聖剣解放度は」


 ここで、注意をずらすために聞いたとはいえ高くても50くらいだろうと考えていた俺は


「100%です。」


 度肝を抜かれた

 う、ウソだろ…100%って。なぁ、聖剣は最大で


 …100%が最大です。


 そうか。てことはつまり


 …はい、初めから完全に聖剣とシンクロしていたということになりますね。


 なんだそりゃ。初代勇者強すぎだろ。


「驚きましたか?とはいえ、初代勇者様を除いて考えるとラック様が歴代最高なので気にする必要はないと思いますよ?」


 いや、気にしてる訳じゃぁない。俺はどうやって100%にしたのかが気になるんだ。


「明確な情報はありませんが、聖剣を何度も使うことによって聖剣解放度は上昇する様です。過去の記録では数週間から数ヶ月で1上昇したということです。ですので長い年月をかければ初代勇者様と同じくらい聖剣解放度が高くなる可能性はあります。」


 ん?数週間から数ヶ月だと?俺は1日で上がったぞ。もしかして俺とアモルファスの相性がいいのか?


「なぁ、初代勇者はなんか特別なことをしてたか?聖剣解放度を上げる手掛かりになるかもしれないから知っておきたい。」

「たしか、当時の記録では聖剣解放度測定の前日、大量の回復薬を部屋に持ち込んで一日中何かをしていたらしいです。ただ、何をしていたかについては何も答えてもらえなかったようです。」


 大量の回復薬を部屋に持ち込んで一日中何かをしていた?怪しすぎる。

 もしかしたらこれが聖剣の解放度を上げる手がかりになるかもしれない。覚えておくか


「さて、聖剣の解放度の計測は済みましたが、そもそも聖剣解放度がなんなのか説明していませんでしたね。そういったことも含めて今から聖剣について説明させていただきます。」


「まず、聖剣解放度についてですが、数値が高いほど身体能力が強化されます。数値が10%越えるたびに聖剣に秘められた力が解放され必殺技を放てるようになります。」


 これはアモルファスから聞いた内容と同じだな。


「次に聖剣自体の性能ですが、まず、聖剣は壊れません。どれほど凶悪な魔物からの攻撃だろうと傷一つきません。そして、切れ味ですが現存するどの剣よりも鋭く切り裂けないものはないと思われます。次に…」


 それから聖剣に関する説明は10分以上続いた。






 聖剣の能力・ルール


 ・破壊不可

 ・契約は死ぬまで続く

 ・契約者の意志に合わせて変形可能

 ・個人にあった聖剣コードを発現する

 ・対魔物攻撃時、斬れ味、攻撃力向上

 ・契約者本人を聖剣で傷つけることはできない

 ・契約者が聖剣の名を呼ぶ、もしくは念じることで手元に聖剣を呼び出すことが可能

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