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072話「廃坑の探索①」

「リンドール、クロスボウを大きくした物は無いか?」


早速、攻城兵器について知っていそうな奴に聞いてみる。


「ブフッ! 王よ。どうかした?」


丁度、お茶を飲んでいたようでせき込んでいた。


「先日貰ったクロスボウの大きくした物が無いか?」

「大きいクロスボウか・・・里には無いな」


少し考えてからリンドールは無いという。


「しかし、ドワーフがその様なものを作ったと伝承で聞いたことがあるな」

「ドワーフか。居場所とか知っているか?」


ハーピィの山の廃坑もドワーフが関係していた。


「残念ながら・・・先々代の言い伝えでも何処にいるかまでは書いていない」

「魔大陸にはドワーフが居ないのか?」

「ワシの知る限りでは居た形跡しか分からない」

「そうか・・・」

「別の場所を探してみるしかないな」

「別の場所?」

「オーガの出現する草原の最奥に洞穴があると書いてある。中には入れなかったらしいが」


新たな情報が出て来た。


リンドールの先々代ダークエルフ族長は探検家だったんだな。


「以前いっていた廃坑については何処まで探索が終わったのだ?」

「山頂に向かう道筋は探索が終わった」

「つまり、下はまだ未探索だと?」


たしかに山頂に向かう目的で上へ登っていったが下は未探索だ。


「ドワーフが使っていた廃坑なら、手がかりがある可能性は捨てきれないな」

「あぁ。いつも助かる」

「この位、お安い御用だ」


やはり、リンドールは頼もしい奴だ。


早速、廃坑の地下探索に乗り出す。


途中でオーガの草原を見てみたがオーガマスターは居なかった。


時間制限付きの召喚かもしれない。


ピピピッ


廃坑に到着しミニマップを3D化して下へ向かう道を探す。


「ここからか」


大分奥へ進まないと下へ続く道へたどり着けない。


「顕現:スケルトンダークセイバー」


対ミニデーモン用のダークセイバー達で固めて廃坑へ入る。


・・・


一番効率のいい道を選んで進むこと30分程で到着した。


何回かミニデーモンと戦闘になったがダークセイバーが役に立つ。


「さて、蛇が出るか鬼がでるか。顕現:ウィスプ」


マップ探索用のウィスプを顕現して地下へと続く道に先行させる。


壁を通り抜けて様々な方向に広がってミニマップの未踏破地域が見えるようになっていく。


「小部屋?」


上層には無い小部屋が地下には点在していた。


「これは骨が折れそうだ」


山というのは下に向かう程広がっていくもの、つまり地下の廃坑も迷宮のように広がっている。


そこに広い範囲で点在する小部屋の存在、何かがあると思わせる。


「罠ではない事を祈るか」


近場であろう小部屋に向かって進むことにする。


「ここか?」


先頭にいるダークセイバーと視覚共有化して部屋の様子を伺わせる。


「薄暗くて分からないな」


スゥウウ


ウィスプを部屋の中へと入れる。


カシャンッ


タタァンッ


壁がスライドして数本の矢がウィスプに打ち込まれた。


物理ダメージ無効でウィスプは問題なかったが、罠があったとは・・・


半透明状態でも物理判定はあるらしく、罠の起動スイッチである糸を引っ掛けたようだ。


「罠部屋か?」


ウィスプのほんのりとした発光で部屋が薄暗い程度見える。


「作業部屋のようだな」


酸化して錆びた工具やボロボロな作業机が並んでいた。


ここで、何かを作っていたようだ。


ボロッ


何かの設計図らしき紙を見つけたが触る前に崩れ去っていった。


「他を当たるか」


俺は次々に小部屋を探索していく、殆ど何もない部屋だった。


「これはアイアンクロスボウか?」


鉄製のクロスボウが作業机に沢山おいてあった。


どうやら、クロスボウはドワーフ発祥の武器だったらしい。


それがダークエルフ族に伝わった様だ。


≪アイアンクロスボウのレシピを入手しました≫


「・・・」


こんな簡単にレシピを手に入れてしまっていいのか?


これは、いつか会うであろうオーガジェネラルさんへの土産にしよう。


ダークホールにアイアンクロスボウとレシピをしまう。


鉄系の武器や防具は作れないし装備出来ないから土産になる。


さらに未探索の小部屋を確認するも何も見つからなかった。


スィッ


マップ探索していたウィスプ達が戻ってきた。


どうやら全ての探索が終わったらしい。


チカチカッ


ん?


「なんだ?」


チカッチカッ


ウィスプ達が明滅している・・・言葉を話せない代わりに何かを伝えようとしている様だ。


スィッスイッ


少し進んでは止まるを繰り返し始める。


「付いて来てほしいのか?」


チカチカチカチカッ


どうやら来てほしい場所があるようだ・・・それにしてもウィスプがした今の行動にはグッと来るものがある。


ウィスプに付いていくがマップ上では行き止まりの道だった。


「ここに何があるんだ?」


なんの変哲もない行き止まりだと思う。


フゥッ


ウィスプ達は地面へと沈みこんでいった。


透明化によって地面を通過していると感じた。


「なんだ、コレ?」


3D表示のマップでは行き止まりの地面の下に空洞が存在していた。


「落とし穴か?」


試しにダークセイバーを立たせてみる。


バカンっ


荷重反応型の落とし穴のようで両扉が開き、ダークセイバーを飲み込んでいった。


バキャァンッ


かなり深く掘られた落とし穴の底に激突してダークセイバーは消滅した。


バタンッ


役目を終えた落とし穴の扉は自動的に閉じた。


「スケルトンでは無理か・・・」


単純な命令なら聞くが途中にある横穴に入るという動作は無理そうだ。


ウィスプ達はそこで待機しているのだから、そこへ行かなければならない。


「返還」


ダークセイバー達をしまう。


「行くか」


覚悟を決めて落とし穴の上に立つ。


バカンッ


地面が消失して俺は暗闇に飲み込まれていく。


時間経過するにつれて落下スピードが増す。


ミニマップを逐一みてタイミングを見計らう。


「顕現:スケルトンロックバード」


ガリガリガリガリガリガリッ


落とし穴より体が大きいロックバードは壁に体が削られながら落ちる。


ダンッ


その背中に立ってその時を待つ。


フッ


ウィスプ達のほんのりとした光を見つけて飛び込む。


ダンッ


ガシャァン


横穴に着地と同時にロックバードの砕け散る音が聞こえてきた。


「お前の仇は取ってやるからな」


そう言い残して奥へと進む。

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