049話「ケンタウロス族決戦」
ミノタウロスの素材を使った武具を装備させる事でスケルトン達が進化し攻撃力・防御力が飛躍的に上がった。
「まずは、正攻法だな」
ファランクス100体で半円の壁を作りだす、ストライカーの代わりにマジシャン50体で代用、乱戦になればブレイダー50体とセイバー30体に出てもらう。
俺はロックバードに乗り、地上にいる総勢230体のスケルトン軍を見ている。
前回と違ってスケルトン達が進化し装備品が充実しているといことだ。
戦力は相変わらず向こうが倍以上だが善戦はするだろう。
「ファランクス、防御陣形そのままで前進」
一番の防御力を誇るファランクス達が動き出して、中で控えているブレイダー、セイバー、マジシャン達が歩行速度を合わせて連動して動き出す。
ヴォオオオオ!!
俺たちの存在を感知したケンタウロス達が3部隊に分かれて防御陣形の前へと迫りくる。
「マジシャン部隊、放て」
「「「「「ダァアアァアクフレァアアアロォオオオ」」」」」
魔法の矢150本が点ではなく面での攻撃で右側から迫りくるケンタウロスの部隊へと殺到する。
ヒュンヒュンヒュンヒュンッ
次々にケンタウロスの戦士たちは倒れていった。
「セイバー!」
セイバーがファランクスの肩を足場に飛び越えて左側から迫りくるケンタウロス達に肉薄する。
ギィン
防御力195は伊達ではなくケンタウロス達と善戦している。
乱戦となったがケンタウロス達が即座に離れていった。
「戻れ」
深追いさせずに陣の中に戻す。
「今だブレイダー、ファランクスを押せ」
ファランクス自体は動きが遅いが押せば真っすぐに進む。
槍を構えたままのファランクス達はブレイダーに押されてタイミングよく横切ろうとしたケンタウロスの3つ目の部隊に突き刺さる。
「ブレイダー」
ファランクスを押したことによって出来た隙間からブレイダー達は足止めをくらったケンタウロス達に殺到する。
ブォン
ロングソード2本を持つブレイダー達がガリガリとケンタウロス達の体力を削っていく。
何頭かは離脱していくが、今の攻防で50以上削れる。
こちらの被害は殆どない。
「これなら・・・」
ケンタウロス達は何部隊にも分けて俺達の対処する隙をついて攻撃に転じようと動き続けた。
時には後ろに回り込み、防御陣形内に入り込もうとするがセイバーがそれを阻みブレイダーで迎撃する。
「おぉ」
ケンタウロスの1頭が足場となり別のケンタウロスがファランクスの防御を上から突破し陣内部に到達する動きには驚いた。
即座にマジシャン達の魔法で沈む。
ヒュンヒュンヒュンヒュンッ
数十本という弓術士達から矢が放たれるもファランクス達の盾で防がれ、中にいたスケルトン達も自身の防御力で防いでいた。
ミノタウロスを先に倒すことがケンタウロスを倒す鍵だったとは思わなかった。
時間が経過するにつれてケンタウロス達は倒れていく。
俺は次々に命令をだして近づくケンタウロス達を撃破していく。
ヴァウァアアアアア!!
残り200頭という所でケンタウロスの全員が動き出した。
「セイバー、防御陣形に加われ」
半円の防御陣にセイバーを加えさせて防御陣形を円陣に近づけさせる。
ギィン
ファランクスではなくセイバーへ殺到しはじめるケンタウロス達。
「マジシャン!!」
「「「「「ダァアアァアクフレァアアアロォオオオ」」」」」
中で待機しているマジシャンがセイバー前にいるケンタウロス達に魔法を叩き込む。
「ブレイダー、前に出てセイバーを守れ」
セイバー達の間からブレイダー達が飛び出して近づくケンタウロスと乱戦となる。
「セイバーも混ざれ、ファランクスは陣形を縮小しマジシャンだけを守れ」
セイバーとブレイダーが抜けた空間を縮めて最大火力を誇るマジシャンだけを守るようにファランクス達が円陣防御を形成する。
俺が指示を出している事に集中していて発見が遅れた。
数十頭ほどのケンタウロスが数部隊に分かれて俺に向かってきたのだ。
「弓術士がいないのに俺をターゲットした?」
ケンタウロスの数十頭がジャンプした。
20mを飛んでいる俺に届く訳がないと思った。
「なっ!?」
ケンタウロス達は仲間の背中を飛び、2回・3回と跳躍を繰り返し俺のいる場所に迫ってきた。
「ダークフレア~」
四方八方から迫りくるケンタウロス達が必至の形相で己が手に持つ武器を振りかぶる。
ヴァアアアアアア!
武器を放ち攻撃が多段ヒットし俺の体力がガリガリと削れていく。
「くそっ」
俺はロックバードの足に掴まり落下を防ぐ。
「上昇しろ」
ロックバードに命令を出してより高い位置へと上がる。
「あれは、なんだ?」
ケンタウロス達がいた場所にひと際大きなケンタウロスの戦士が攻撃の体制でいた。
【ケンタウロスチャンピオン(Lv27)】
グググッ
上半身を限界まで捻り、鬼の形相をしたケンタウロスチャンピオンは右手に持つ長槍を握りしめていた。
ウガァアアアア!
ブォォオン
双眸が赤く光り、一気に足腰を使って振りぬいた。
「まずっ!?」
ガシャァアン
長槍の速度に目が追い付かず胸を貫通していった。
体の中心部から衝撃波が放たれて視界がグレー色に染まりながら体中がバラバラになって地上へ落下していく・・・
俺という使役者が死を迎えスケルトン達が動かなくなった。
視界の中では1分間のカウントが始まっている。
≪蘇生ポイントにて復活しますか?≫
次々に壊されているスケルトン達を眺めながらYESを選択する。
≪デスペナルティが発生します。これより30分間は全ステータスが20%ダウンします≫
俺は復活ポイントの礼拝堂で起き上がる。
完全に油断していた・・・ケンタウロスの中に指揮者となるモンスターが居ないと勘違いしていた。
「次は油断禁物だな」
そう呟いて俺は再戦の為に準備を開始する。
戦場に置いてきてしまったスケルトン達は全滅したようだ・・・初めから準備しなおしだ。
数時間の準備を費やして、今度は本気の卑怯戦法を投入する事にした。
「イーグナー、投擲せよ」
全てのスケルトンをイーグナーに費やした結果230程引き連れて舞い戻ってきた。
ミノタウロスですら反撃がままならなかった上空からの一方的な攻撃に戦法を変える。
ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンッ
1体につき2本のスピアが地上に向かって放たれる。
460本のスピアが無警戒のケンタウロス達の頭上から降り注がれた。
流石にこの1回で倒れるほど弱くないケンタウロス。
だが、20本まで所持できるスピアをドンドン投擲していくイーグナー達。
「制作:ミノタウロスボーンスピア」
スピアの本数が減ってきたら俺が魔力の続く限り足していく。
「やはり残ったか」
殆どのスピアを放ち終わった頃ケンタウロス達は殆どは倒れ、瀕死状態の者が数頭、ケンタウロスチャンピオンがダメージを負っているが生き残っている。
「イーグナーやれ」
ロックバードに乗ったイーグナー達が瀕死のケンタウロス目掛けて上空から突撃する。
ドガシャァアン
イーグナー諸共ぶつける捨て身の攻撃。
名づけてバードストライクで瀕死のケンタウロス達も倒れていく。
ブァオアアアアア!
ケンタウロスチャンピオンが吠えて突っ込んできたイーグナーを長槍の薙ぎ払いで粉砕する。
「さすがチャンピオンだ、一筋縄では行かない」
何度も突撃をするイーグナー達を一薙ぎで防がれてしまう。
時間を掛けてゆっくりとケンタウロスチャンピオンの体力を削るが倒れる気配がない。
「くそっ!数の暴力もここまでか!」
たった1頭の英雄になす術がなくなる。
物語の悪役になった気分だ。
スケルトンキングだから悪役で正解か。
ウガァアアア!
今まで防御一辺倒だったがケンタウロスチャンピオンが走り始める。
他のケンタウロスとは別格の速さだ。
何処へ?
ケンタウロスチャンピオンはあらぬ方向へ向けてダッシュしていく。
向かう先は断崖絶壁だ。
「まさか」
信じられないことにケンタウロスチャンピオンは断崖絶壁を強靭な足腰だけで駆け上がってくる。
ダンッ
踏み込んだ壁に穴を開けながら空中へ跳躍。
「あの体勢で放てるのか!?」
俺を死に追いやった槍投げの体勢だ。
「イーグナー!!」
バサバサバサバサバサッ
ケンタウロスチャンピオンが投げる前に近くのイーグナー達を集めさせて盾とする。
風切り音がイーグナー達を巻き込みながら俺の真上を通過していった。
バラバラバラバラバラッ
数十といたイーグナー達が投槍によって粉砕されて地上へと落ちていく。
ドォオン
ケンタウロスチャンピオンも力を使い果たして地面に落下して死亡する。
≪グランドクエスト、人馬族との決戦をクリアしました。SPが4増えます≫
≪経験値:225,000取得。報酬としてケンタウロスを従える力が発動されます≫
≪ケンタウロス氏族を配下に加えた事によりケンタウロス語が日本語に変わります。会話もできるようになりました≫
≪今よりケンタウロスの荒野はプレイヤー:ハデスの所有になります≫
≪死霊術師のレベルが23になりました≫
≪闇魔法:ダークホールが取得可能です。消費SPは7となります≫
≪ハデスのレベルが20になりました≫
≪SPが1増えます≫
≪ゴブリン、コボルト、オーク、ダークエルフ、ケンタウロスの5氏族の領域を取得したことによりハデス領は拡大されます≫
≪魔領主(小規模)の称号を得ました。効果は領民への潜在能力が+35%増加されます≫
≪ダークネスドラゴン:リウイの監視下は離れ、プレイヤー:ハデスが支配者となります≫
≪グランドクエスト、侵略が追加されました≫
・ダークホール
収容数無制限のインベントリ
≪闇魔法:ダークホールをSP7消費して取得いたしますか?≫
YES
≪闇魔法:ダークホールを獲得しました≫
これで、荷物の問題が一気に解決したな。
今回の戦いで手に入れた戦利品をダークホール内へと入れる。
ピ~ンポ~ンパ~ンポ~ン
≪これは、魔大陸内部でのアナウンスです≫
突如、システムメッセージの機械音声が空から降り注いできた。
≪これは、魔大陸内部でのアナウンスです。たったいま特殊種族のスケルトンキングが1つの領域を支配下に置きました。現特殊種族7人の中で最初に辿りついたために運営側から褒賞を与えます。他の方々も奮起して下さい。以上です≫
全体アナウンスだと・・・聞いていないぞ。
パアアアア
厚い雲に一筋の光が俺の目の前を照らし始めた。
片手で抱えられるくらいの小さな箱がゆっくりと落ちてくる。
パカッ
≪種族スキル:武装制限解除(小)が獲得されました≫
・武装制限解除(小)
現在の職業上の制限を小規模で解除する。
骨製までならば全身鎧に加え剣と盾の装着が可能。
なるほど、これで地力を少しでも上げられるという事か。
あっちがケンタウロスの集落だな・・・行ってみるか。
【ステータス】
名前:ハデス
種族:スケルトンキング
レベル:20
職業①:死霊術師(Lv23)
職業②:細工師(Lv9)
体力:1335/1335(+445)
魔力:1845/1845(+615)
攻撃力:331.5(+83.5)(+81)
防御力:231(+52)(+75)
【装備】
頭:なし
体:ミノタウロスレザーローブ
腕:なし
腰:なし
足:なし
右手:ミノタウロスボーンスタッフ
右手:なし
【死霊術師スキル(Lv23)MAX.276】
▶死霊召喚リスト
▶闇魔法リスト
【細工師スキル(Lv9)】
▶武具・防具クラフトスキル
▶アイテムクラフトスキル
▶素材クラフトスキル
【種族スキル】
・骨特化
・騎乗
・武装制限解除(小)
【召喚物一覧(82/276)】
名前/主装備/体力/攻撃力/防御力/グループ
・スケルトンイーグナー×82




