004話「特殊種族による雑談会」
俺はログインして礼拝堂内で目を覚ます形で起き上がる。
俺の周りには物言わぬスケルトン達が鎮座している。
ある意味怖い集団だな。
しかし、誰とも会わず黙々とレベル上げはちょっと辛い面がある。
中身は人間なのだから誰かと情報交換はしたいな。
たしか、掲示板機能があったはずだ。
掲示板機能は遠い場所にいる知らない人と匿名の名前で情報交換の出来る優れものだ。
ウィンドウを立ち上げ掲示板に掲載されている一覧を表示する。
掲示板には種族毎や職業毎と細分化されていて検索しやすく見やすかった。
横にスライドしていくと特殊種族別のタブがありアクティブ化してみると
一件だけ掲載されていた。
件名は【特殊種族による雑談会①】
問答無用で開いた。
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001:名もなきサキュバスクイーン
ソロプレイ、アキター
002:名もなきオーガジェネラル
これも、特殊種族の運命だあきらめろ
003:名もなきサキュバスクイーン
オーガジェネラル、どうにかして会えない?
004:名もなきオーガジェネラル
無理だろう。魔大陸は広く、ある程度の間隔で魔物のレベルが高く設定されているからな。
移動が困難だ。
005:名もなきサキュバスクイーン
β時代にいたスケルトンキングさんは 何処へ~
006:名もなきオーガジェネラル
話を聞く限り、スケルトンキングのみだと特殊種族最弱すぎて 去ったと聞いている。
007:名もなきサキュバスクイーン
素体が骨だしね。骨折り損のくたびれ儲けってやつかなぁ。骨だけにw
008:名もなきオーガジェネラル
正式サービスが開始されてユーザーが大幅に増えたと聞いているが他に特殊種族が増えても良さそうなんだがな
(ここまで見てると、この2人はβ時代からいる特殊種族の2人のようだ。)
009:名もなきヴァンパイアロード
ヴァンパイアロード、キターーー!!!
010:名もなきサキュバスクイーン
おぉ!新規さんが参戦して来たわ!!
011:名もなきオーガジェネラル
喜ばしい事だ・・・(涙)
012:名もなきヴァンパイアロード
ちっす、先輩方。特殊種族って少ないと聞き、速攻で決めました。これからよろしくっす!!
013:名もなきサキュバスクイーン
おぉ、よろしくね~。とりあえずソロオンリー生活へようこそ。
014:名もなきオーガジェネラル
うむ。よろしく。魔大陸に住むプレイヤーは我々2人しかいなかったのだ。挫けず頑張ってくれ。
015:名もなきヴァンパイアロード
了解っす。初期リスポーン地点が古びた館なんで最初ビビりましたけど、頑張ってみまっス!
016:名もなきサキュバスクイーン
私も古城がリスポーン地点だったわよ。
017:名もなきオーガジェネラル
俺は古い砦がリスポーン地点だ。
018:名もなきヴァンパイアロード
古城とか、イキナリ城持ちですかw
砦とか、オーガジェネラル先輩。パねぇっすww
019:名もなきサキュバスクイーン
もう一人β時代に居たスケルトンキングさんは不満だらけだったわよ、墓場がリスポーン地点と言っていたわね
020:名もなきオーガジェネラル
うむ、あれは流石に聞いたとき同情したな。
021:名もなきヴァンパイアロード
墓場がリスポーン地点って、どんなマゾゲーっすかw
022:名もなきサキュバスクイーン
うんうん。そう思うよね。スケルトンキングだから仕方がないかなーとは思うけど、ねぇ・・・
023:名もなきオーガジェネラル
特殊種族の中でも一番可哀想な種族でもあるな。
024:名もなきヴァンパイアロード
その方ってメイン職は何をしていたんっすか?
025:名もなきサキュバスクイーン
魔術師だったらしいわよ。元々特殊種族の中では地力が私たちに比べれば最弱だからね。当然の選択でしょ
固有スキルがあっても雀の涙ってやつね。
026:名もなきオーガジェネラル
流石に不遇すぎて辞めて行ってしまったがな。
おそらく、別種族で頑張っている頃だろう・・・
027:名もなきヴァンパイアロード
そうっすか~
じゃあ、この大陸には3人しかいないんすかね?
028:名もなきサキュバスクイーン
本サービスが開始されたから、もう数人位いると思うわよ~
029:名もなきオーガジェネラル
掲示板の存在自体しらなければ、話しかけてこれないしな。
または、知っていても完全ソロプレイを通す勢いなのかもしれないしな。
030:名もなきヴァンパイアロード
なるほど~
できれば、交流が持てればいいっすね。
人数が増えれれば会話が弾むっすからね。
別の掲示板みると、ヤバい数っすね。
031:名もなきサキュバスクイーン
向こうの大陸だと人数がこっちより多い分すごいスレ数になるのは当たり前よね
032:名もなきオーガジェネラル
うむ
033:名もなきヴァンパイアロード
そうっすね!
(どうやら、ここで会話が途切れてしまっているようだ・・このタイミング会話に入ってみようか)
034:名もなきスケルトンキング
あの~、会話に入れてもらってもいいですか?
035:名もなきサキュバスクイーン
!!?
036:名もなきオーガジェネラル
まて!?
落ち着くんだ、奴はこんな入り方はしないぞ!!
(速攻で反応が返ってきた。)
037:名もなきオーガジェネラル
一つ聞くが、βテストにいたスケルトンキングでは無いな?
038:名もなきスケルトンキング
いえ、本サービスからの参戦です。
039:名もなきサキュバスクイーン
会話の流れでわかると思うけど、βテストにもアナタと同じスケルトンキングが1人いたのよ~
だから、こんな質問しちゃったのよ。
ごめんね~
040:名もなきスケルトンキング
いえいえ、お気になさらず。
β時代のスケルトンキングさんと混同してしまいそうですね。投稿名に(本サービス参戦)と追加しておきましょうか?
041:名もなきサキュバスクイーン
そこは問題ないわ~
特殊種族はたった一人にしか与えられない種族なのよ。
貴方がスケルトンキングだから、β時代の彼はもうゲーム内にはいない証拠でもあるから大丈夫よ~
(それは知らなかった。つまり、特殊種族はプレイヤー1人にしか与えられない物なのか。β時代のスケルトンキングさんには感謝だな。辞めてもらわなかったら俺はなれなかったという事だ。)
042:名もなきオーガジェネラル
改めてよろしく。
名の通りオーガジェネラルをやっている
043:名もなきサキュバスクイーン
同じく、サキュバスクイーンよ。
私とオーガジェネラルはβ時代からいるんで、分からない事はガンガン聞いて頂戴!
044:名もなきオーガジェネラル
魔大陸では常に戦いの連続だからな。軽い心得位なら教えてやれるぞ
(どうやら、この人達は優しいプレイヤーのようだ。数少ない特殊種族だからというのもあるだろう。)
045:名もなきサキュバスクイーン
やっぱり、メイン職は魔術師かな?
046:名もなきスケルトンキング
いえ、最強と噂されている、職業に就きました
048:名もなきサキュバスクイーン
!!?
049:名もなきオーガジェネラル
な、んだと!?
050:名もなきサキュバスクイーン
それって、まさか
レア職のアレね!!?
051:名もなきオーガジェネラル
レア職であり、他種族だと不遇職と言われている。
まさに、スケルトンキング用に用意された夢の職業だな!?
052:名もなきヴァンパイアロード
あの~、なんの話をされているんっすか?
053:名もなきサキュバスクイーン
遂に夢に見た下剋上が来たみたいよww
054:名もなきオーガジェネラル
どちらかが欠けても不遇とされていた、幻の特殊種族と不遇職業が現れたぞ!
055:名もなきヴァンパイアロード
一体、何の話っすか?
全然、見えてこないっす?
056:名もなきサキュバスクイーン
特殊種族内ではスケルトンキングのソロプレイは火力不足やらで不遇種族と数えられ
他種族で死霊術師ではパーティーも組めない不遇職業と数えられ
057:名もなきオーガジェネラル
さんざん、忌み嫌われて来た種族と職業が合わさった場合がこのオンライン最強種として噂されていたプレイヤーが現れたのだ!
これは黙っては居られん
058:名もなきサキュバスクイーン
っで、スケルトンキングさん。その最強種になった感想は!?
059:名もなきスケルトンキング
ソロプレイ?
何それって感じですかね。
まだレベル低いですが、6体のスケルトン従えて狩りを頑張ってます。
060:名もなきオーガジェネラル
なんと簡素な感想だ
061:名もなきサキュバスクイーン
今後の成長が楽しみね、その内こっちに来るかもしれないわw
062:名もなきヴァンパイアロード
ちょっと待ってくれっす!
スケルトン6体ってパーティーメンバー上限超えてるっすけど?
063:名もなきサキュバスクイーン
類似職であるサモナーなら超えているわね。
でも、レア職である死霊術師による召喚は種類が同じならカウント1なのよ。
スケルトンが10体だろうが20体だろうが、パーティーメンバーカウントはプレイヤーを含めてカウント2なのよw
064:名もなきヴァンパイアロード
マジっすか!?
激ヤバじゃないっすか
065:名もなきオーガジェネラル
なにも数だけじゃないのがスケルトンキングの能力だ。
この特殊種族は骨に関する事なら元々あるステータスの50%も上乗せする種族スキル「骨特化」がある。
066:名もなきヴァンパイアロード
50%っすかw
067:名もなきサキュバスクイーン
つまり、スケルトン自体も骨だから他種族の死霊術師より1.5倍の強さを持つスケルトンを何体も召喚できるのよww
ヤバすぎww
068:名もなきオーガジェネラル
死霊術師の職業もかなりエゲツない特性もあってな。
レベルが上がる度に召喚できるスケルトンの数がレベル分上乗せされるのだ。
死霊術師Lv50になった場合召喚できるスケルトンの数は単純計算で1275体。
それでもパーティーメンバーは2でカウントされるという訳だ
+スケルトンキングの1.5倍ステータス上昇スキルもパーティー全体に発生する。
069:名もなきサキュバスクイーン
スケルトンキング率いるスケルトン1275体 VS 他種族率いるスケルトン1275体で戦っても
1.5倍差は物凄いアドバンテージがあって負ける事は無いわね。
しかも死霊術師で召喚したスケルトンには装備もつける事で出来るのよ。
つまり、骨装備のフルで武装されたスケルトン軍団が出来上がる訳なのよ。
もちろん、骨装備1つ1つにも固有スキルで地力が上がる寸法よww
考えただけで震えが来るわw
ガクガクブルブル
070:名もなきヴァンパイアロード
つまり、スケルトンキングに死霊術師の組み合わせは最強という事っすかww
マジ、パネェっすwww
071:名もなきオーガジェネラル
流石にそんな軍団に押し寄せられたら、速攻白旗上げるぞ。
俺のリスポーン地点の要塞じゃ耐えられん
072:名もなきサキュバスクイーン
私の所の古城だって無理よ。
防衛失敗する自信があるわww
073:名もなきヴァンパイアロード
ウチの所もアウトじゃないっすかww
074:名もなきスケルトンキング
それは、いやですねw
075:名もなきサキュバスクイーン
怖っww
076:名もなきオーガジェネラル
冗談でも、襲わないでくれよ
077:名もなきヴァンパイアロード
同じくっす。仲良くしましょうw
078:名もなきスケルトンキング
了解しました。
今はリスポーン地点から行動範囲は狭いですが
頑張ってLv上げて、何時かはスケルトン軍団を作って見せます
079:名もなきサキュバスクイーン
一度は見てみたい光景よね~
080:名もなきオーガジェネラル
うむ。
081:名もなきヴァンパイアロード
同じく、襲われないなら見てみたいっすね。
082:名もなきスケルトンキング
では、また何かあったらここに戻ってきます。
083:名もなきサキュバスクイーン
またね~
084:名もなきオーガジェネラル
楽しみに待っているぞ
085:名もなきヴァンパイアロード
ウチの所来る時は一報よろしくっすw
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こうして楽しかった掲示板でのやり取りは終了した。
恐らくこの情報はこのオンラインゲームをやっているプレイヤー中に知れ渡るだろうな。
さてと、狩りを開始するか。
今日の目標は死霊術師Lv4だな。
俺は掲示板を閉じて意識を目の前に向けると静かに鎮座していたスケルトン達が立ち上がっていた。
どうやら俺の考えがスケルトン達へ命令をしていたようだ。
この日、ゾンビドック80体やゾンビ50体を6体のスケルトンと共に狩り続けた。
死霊術師がLv5になった。
俺自身もLv3になった。
新たに増えたスケルトンの為に装備を作る。
ナンバリングもグループ毎にカウントする事に変更してみる。
そうすれば、何のグループが何体いるのか分かるからだ。
総召喚数は一覧の所に簡略表示されている事に気づいて変更したのだった。
レベルが上がって効率よく狩れ、低コスト装備が功を奏してかなり蓄える事ができた。
明日からは更に奥へ向もうとしよう。
ゾンビからだともう経験値やLv差ボーナスのうま味は無くなった。
ゾンビドックもLv3になった事で襲われなくなった。
どうやら相手が各上の場合はアクティブモンスターでも襲わないアルゴリズムが組み込まれているようだ。
更に死霊術師Lv5になったため新たな死霊召喚が可能になった。
5体のスケルトンを媒体にスケルトンリーダーが召喚可能となる。
こいつの特性は名前の通り俺の代わりにスケルトン達をまとめ上げてくれる事だ。
ただし、まとめ上げられるのは1体につき30体までとなっている。
今のところ使ったとしてもあまり役には立たないだろう。
【ステータス】
名前:ハデス
種族:スケルトンキング
レベル:3
職業①:死霊術師(Lv5)
職業②:細工師(Lv2)
体力:270/270(+90)
魔力:360/360(+120)
攻撃力:54(+17)(+3)
防御力:34.5(+11.5)
【装備】
頭:なし
体:なし
腕:なし
腰:なし
足:なし
右手:ボーンダガー
左手:なし
【死霊術師スキル(Lv5)MAX.15】
・死霊召喚[スケルトン]
・死霊召喚[スケルトンリーダー]
・ダークボール
【細工師スキル(Lv2)】
・ボーンダガー
・ボーンスピア
・革紐
・葛篭(小)
【種族スキル】
・骨特化
【召喚物一覧(15/15)】
名前/主装備/体力/攻撃力/防御力/グループ
・スケルトン001、ボーンダガー、75、 9、3、短剣
・スケルトン002、ボーンダガー、75、 9、3、短剣
・スケルトン003、ボーンダガー、75、 9、3、短剣
・スケルトン004、ボーンダガー、75、 9、3、短剣
・スケルトン005、ボーンダガー、75、 9、3、短剣
・スケルトン006、ボーンダガー、75、 9、3、短剣
・スケルトン007、ボーンダガー、75、 9、3、短剣
・スケルトン001、ボーンスピア、75、12、3、槍
・スケルトン002、ボーンスピア、75、12、3、槍
・スケルトン003、ボーンスピア、75、12、3、槍
・スケルトン004、ボーンスピア、75、12、3、槍
・スケルトン005、ボーンスピア、75、12、3、槍
・スケルトン006、ボーンスピア、75、12、3、槍
・スケルトン001、素手、 75、 4、3、荷物
・スケルトン002、素手、 75、 4、3、荷物
【素材所持数】
・犬の骨×284
・犬の皮×231
・屍の骨×151
・布きれ×1
・腐肉×51