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031話「巨馬①」

オークリーダーの言う出口からでると視界が一気に広がった。


眼下に広がるのは荒れ果てた土地<荒野>だった。


雑草の類の物はちらほらと見える程度で殆どが硬い土で覆われた大地が延々と続いている。


「さて、何が居るのか」


俺はスケルトン達を従え荒野へと向けて歩き出す。


振り向くとオーク達の住む住処への出入り口が見え断崖絶壁が左右に広がる。


少し視線を上にずらせばダークネスドラゴンが住むと言われてる山の上部が覗いている。


暫く歩いていると荒野に馬らしき動物が荒野を走っている所を見た。


【暴れ馬(Lv16)】


馬といっても額には太い尖った角が生えており、体躯が2.5m超えの巨馬だった。


突進の一撃をまともに受ければ吹き飛ばれそうだ。


幸い一頭しか見えない為攻撃してみる事にする。


「スケルトン攻撃してターゲットをこっちに向けろ」


弓持ちスケルトンに命令をだして弓を引かせる。


矢が放物線を描き矢は暴れ馬に向かって飛来する。


トスッ


矢は暴れ馬の後ろの土に突き刺さった。


視界外から放たれた矢に驚き暴れ馬は嘶く。


馬蹄が地面を踏みしめる度に体重がどれだけあるのか分かるほど重い音を連続で発していた。


「射れ」


ヒュンッ


次の矢が暴れ馬に向けて放たれる。


今度は暴れ馬の左後腿に突き刺さった。


当たったことにより暴れ馬がこちらにターゲットした。


「散開せよ!」


ザザザザザッ


スケルトン達が暴れ馬が突進してくる直線上にいたため散開させる。


「ディフェンダーは弓持ちの護衛だ。ウォーリアは俺と共に来い」


ドドドドドドドドドッ


指示を出している内に暴れ馬が接近してくる。


「ダークボール、ダークアロー、ダークフレアアロー」


ターゲットが弓持ちスケルトンになっているため暴れ馬の脇腹に3連魔法を放った。


ドォン


暴れ馬は横からの攻撃に驚き横倒しになった。


「全員で掛れ!!」


俺を含めたウォーリア14体で畳み掛ける。


さすがに量で勝っているとは言え暴れ馬の体力は多く半分程度しか削れなかった。


暴れ馬も直ぐに立ち上がった。


「離脱」


バカァン


離脱する前に暴れ馬の真後ろにいたスケルトンウォーリアが後ろ蹴りの一撃で粉砕された。


「弓持ち射れ!」


離れた所から5体の弓持ちスケルトンによる矢が放たれる。


巨馬故に全部命中する。


「ダークボール」


ドォン


ちょうど脇腹を見せていた所に再びダークボールを放ち横倒しにする。


最後は量で押し切った。


「この戦い方は消耗が激しいな」


1戦にウォーリア1体と引き換えるのは痛い出費だ。


なんとか安全に狩れればいいのだが・・・


「なんの素材が出るのだろうか」


俺は剥ぎ取り用ナイフを暴れ馬の死体に突き刺す。


・巨馬の骨×10

・巨馬の皮×10


スケルトンウォーリア1体と引換えとしては旨みを感じられないな・・・


「一旦引き上げるとするか・・・戦力不足だしな」


俺はオーク達の住処への出入り口へ荒野を引き返す事にする。


「ん?」


オーク達の住処へ帰る途中に気がつかなかった場所を見つけた。


断崖絶壁の中間辺りにオーク達の住処へ続く出入り口がある場所より低い位置の離れた所に別の洞穴があった。


「なんだ、ここは?」


洞穴は狭く俺の体格がやっと入れるような高さしかなかった。


「ディフェンダー001防御姿勢のまま様子を見て来い。敵が2以上だった場合は速やかに後退するように」


カタタタ


俺はディフェンダー1体を送り込むことにした。


ロングソードを持っているウォーリアだと剣が振れるような洞穴じゃないしな。


ガキィン


ディフェンダーを送り込んで2分程度で奥から戦闘音が響き渡ってきた。


キィン


薄暗い奥では何が起こっているかは分からないが激しい攻撃を受けているディフェンダーが後退してくるようだ。


ガァン


ディフェンダーの背中が見えてきた。


僅かな光がディフェンダーを襲っている奴を照らし出す。


「見たことないモンスターだな」


【インプ(Lv12)】


体長30cm程度の背中には蝙蝠のような羽の生えた黒っぽい肌の人型モンスターが十数匹がディフェンダーに群がっていた。


手に持っているのはダガーやスピアだ。


「ダークボール!」


俺はディフェンダーの奥へ向けて魔法を放つ。


ボォンン


狭い洞窟内での爆発は力の逃げ場を限りなく少なくしたのか、ディフェンダーが盾を構えたまま吹っ飛んできた。


なんとかフレンドリィファイアーは防いでくれたようだ。


ギャギャギャッ!


何体か今の爆風で奥へ吹っ飛んでいったようだがまだ沢山俺たちに向かって走りよってきた。


「ディフェンダー002、003出口を塞げ」


ディフェンダー2体が横並びに盾を構えて出口を塞ぐ。


横幅もスケルトンが2体ギリギリの為、容易に盾を横に並べて構えただけで出口の3分の2が埋まった。


ギィン


ディフェンダーの盾にインプ達が群がっている様子を埋まらなかった3分の1の部分から除き見る。


「他のディフェンダーは002と003の後ろにて押せ」


残ったディフェンダー達が002と003の2列縦隊を組み前のスケルトンの後ろ両肩に手をついて押し始める。


「踏ん張れ。ダークボール」


ドォオオオン


至近距離でダークボールが洞穴内に炸裂する。


出口の3分の2が塞がれた状態で爆発すれば奥へ向けて爆風が押し流される。


ディフェンダー達も塞いだ盾が外れないように踏ん張っている。


僅かに照らされた中ではインプ達が殆ど体力が削れていない状態でワラワラと吹き飛ばされた奥から出てきた。


ゾンビといっしょで闇耐性を持っているようだ。


ガイィン


インプ達がディフェンダーの盾に群がるがダガーやスピアでは防御力を突破できないでいた。


「弓持ち、隙間から狙え」


弓持ちスケルトンがディフェンダー達の上に乗り隙間から弓を次々放つ。


的が小さく素早いインプ達だが、狭い洞穴内で回避行動もままならず矢を受け続ける。


弓持ちスケルトンが歯を鳴らして知らせてきた。


どうやら矢が尽きてしまったようだ。


「ディフェンダー左右に分かれて道を作れ。後はウォーリアが対処しろ」


ディフェンダー達が左右に分かれて道を空けると洞穴内からインプ達がワラワラと出てきた。


「ウォーリア攻撃だ」


ブォン


出て来た所をウォーリア達が一斉に剣を振り体力の削れたインプ達を一掃していく。


数匹程度が体の小ささと素早さを生かして逃げ延びていった。


「今日の所はこの辺で全軍撤退するぞ」


俺は残ったスケルトン達を率いてオークの住処へと帰還する事を余儀なくされた

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