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021話「ゴブリン村復興」

往復で1時間位の距離だった。


かなりの量だったが人海戦術で運ぶので1往復だけで済んだ。


「氏族長、この村はどの位の守備範囲で展開されている?」

「守備範囲ですか?」

「この村には周りからの敵を妨げる防壁はあるのか?」

「門が一つあり、崩れかけた柵がある位ですじゃ」


まぁ、家屋も崩れかけている以上村の防御壁もイコールになる訳だな。


「わかった。今から、この村の者達にも手伝って貰うぞ」

「は、はぁ」

「分かっていないようだが。このままだと防御もままならぬままこの村は滅びてしまうようだからな。少しでも防御柵を作るという事だ。材料はかなりあるが、人手不足だ。ゴブリン達の力を借りるぞ」

「わ、分かったですじゃ!直ぐに集めまする」


氏族長は俺が何をしようとしているのか理解しゴブリン達を集めに走った。


『あの方、新たな王?』

『この村、守りに来た?』

『俺達、何すればよい?』


ゴブリン達は総勢60名近く集まった。


「今から、素材は俺の手持ちを使いお前たちは用意された材料で防護柵を組み立ててもらう。なに、簡単な組み立てだ」


俺は骨でボーンスティック(中)と皮紐を組み合わせた骨で出来た防護柵を作り出した。


縦横に5m近い防護柵だ。


【骨の防護柵(中)】

 消費魔力:10

 材料①:ボーンスティック(中)×15

 材料②:革紐×20

 材料③:ボーンダガー×10

・骨で出来た縦横に5m程の防護柵。


≪細工師スキル:骨の防護柵(中)の制作が可能になりました≫


「これを今から、どんどん作り出していくお前たちはこの柵を村の周りに張り巡らせろ。ソルジャー15体、ファイター2体、アーチャー3体はこの村の周りを巡回、敵対モンスターは殲滅せよ。他のスケルトン達はゾンビの領域で狩りをして死体を持って来い。新たに召喚したスケルトン9体はゴブリン達の手伝いをしろ。散開!」


俺の指示でスケルトン達は各々動き出した。


ゴブリン達も動きが遅いが俺の言う事を理解し作り出した柵を持ち村の外側へと歩いて行った。


カァンカァン


柵を地面に突き刺すために木槌で叩く音が聞こえるなか、俺は座りながらもドンドン防護柵を作り出し、ゴブリン達があらゆる方向からやって来ては防御柵を持って行った。


一括作成のお蔭でスムーズに作り出せているが魔力の減り具合が著しい。


戦闘スケルトン達もスムーズにゾンビ狩りで死体を持ってきて剥ぎ取り用ナイフに落とし素材化させてくれている。


数時間後、氏族長の報告により防護柵が村を囲んだ事を知った。


「王よ。この村は王の作りだした防護柵で安全度が上がりました」

「ゾンビドック位なら超えてこられない柵は出来上がったようだな。コボルトだったら防御出来無さそうだが」

「無いよりマシという事ですじゃ」

「なら、次に進みたいと言いたい事だが。俺も無限に制作できるわけじゃないし。素材もかなり減ってしまったようだ。ある程度の防御も可能になったようだし。スケルトン達は全部素材収集に回すか・・・新人スケルトン達はこの場で待機だ」


巡回していたスケルトン達も村からゾンビの領域へと離れていく。


残ったのは60近いゴブリンと9体のスケルトン達だ。


「まず、この村を村として機能させようと思う。つまり、崩れかけた家を修繕するのだ。見ると全然修繕できていないようだが?」

「お恥ずかしながら、我らでは家を建てる技術を持ち合わせておらず。廃村であったこの村を拠点として利用しているまでですじゃ」

「なるほど、一応何が残っているんだ?」

「こちらがこの村に残っている物ですじゃ」


・金槌×5

・鋸×3

・ナイフ×20本

・鉄の釘×500本

・まがった鉄の釘×300本

・割れた木材×20枚

・犬の皮×50

・屍の骨×30


「1軒、1軒作り直すのは面倒だな・・・集合住宅を作るとしよう」

「集合住宅とは?」

「ゴブリン全員が一つ屋根の下で暮らすことのできる巨大な家だ」


オォゥ!


周りで聞いていたゴブリン達が驚き喜ぶ声が上がる。


「とにかく、崩れかけた家を一旦全部崩せ。そこから使えそうな木材を選別して作り変えるぞ。なに、壊すのは得意だろ?」


俺の問いかけにゴブリン達が片腕を上げて示してくれる。


『崩れるぞ~』


ドガシャァン


村の至る所で朽ちかけていた家屋が崩れ去っていった。


崩れた家から木片を中央広場となっている場所に集められた。


「これは使えるな、これは使えそうにないな」


俺も集められた木材が使えるか使えないか選別しまくる。


使えるものは3割しか残らなかったようだ。


「かなり、少ないな・・・後は俺の力で補うほか無さそうだ」


とりあえず地面に家としての要である骨組をボーンスティック(小)で書き込んでいく。


「建設予定地は広場から北にある空き地にするか」


数十分悩み俺は残った木材の柱をゴブリンやスケルトン達に持たせ建設予定地へと移動を開始する。


「これを使って穴を掘れ」


骨を真っ二つにして作ったボーンダガーを手空きのゴブリン達に手渡し穴を掘らせる。


人海戦術のお蔭で穴の深さはあっという間に50㎝を超えた。


「その辺で良いだろう。ここを中心に5つの場所に同じ穴を掘ってもらう」


俺は掘ってもらった穴を中心に5箇所に目印を付けて更に掘ってもらう。


30分も絶たずに5つの穴が掘り終わる。


上からみたら五角形の形をした家を作るつもりだ。


「よし、この太い柱を中央に立てて穴を土で埋めろ。こっちの一回り細い柱を残りの穴に立てて同じ要領で埋めろ」


ゴブリン達が頷き指示した通り柱を立てて埋めた。


「埋めた土は踏み固めろよ」


聞いていたゴブリン達が足で柔らかい土を踏み固めていく。


家の柱部分は完成したようだ。


次は屋根の部分の制作だ。


「お前と、お前と、お前はコレ使って梁を作ってもらう」


近くにいたゴブリン3匹に鋸を手渡す。


「こうやって、柱を均等の長さに切りそろえろ」


ギコギコギコ


鋸の使い方を教え、俺が予め切る場所を示した柱だった木を切断してもらう。


「お前たちはナイフを使って細い木の棒を作り出してもらう」


ガリガリガリ


ゴブリン20匹には廃材から木の棒を作りださせる。


「氏族長、ちなみにゴブリン達の食料とはなんだ? 不死の体故俺には不要だったから分からないのだが」

「我らの食事は食べられるものなら何でも良いですじゃ。悪食ゆえ腐ったものでも食べられるのですじゃ」

「ほぅ、つまりゾンビドックやゾンビでもか?」

「最悪はあ奴らの体でも問題ないですじゃ。不味いので最終手段として残していますがの」

「ここの近くにそれ以外の食物でもあるのか?」

「更に奥へ続く森の中に果物が沢山成っている場所が我らの食料地帯ですじゃ」

「なるほど、現在の人数でどれくらい獲ってくれば賄える?」

「1日に1回人数分の果物があれば問題ないですじゃ。果物の成る木も魔力を良く吸うので1日で獲られた分の果物は復活する仕組みじゃ」

「なるほど、毎日獲っても減る事が無くて安心だな」

「しかし、その近くには巨大な蝙蝠が生息する地域でもあります。朝早くから1時間程度で収穫していたのじゃ。夜はまず行かない地域でありまする」

「なるほど。アーチャー達は戻ってこい」


数分後、スケルトンアーチャー達が戻ってきた。


こうしている間に屍の骨がドンドン集められてきていた。


まだ裸同然のスケルトン達をソルジャーに4、ガードナーに2、ファイターに3へ進化させる。


「俺達は食料を取ってくる。あとの事は任せたぞ」


アーチャー達に葛篭を背負わせて俺達は氏族長の言う食料地帯へと向けて歩く。


十数分ほどして果物の成る背の高い木が生えている群生地へとやってきた。


「ここがそうか」


むっ!?


【ビックバット(Lv6)】


人と同じくらいのデカい蝙蝠が空を飛んでいた。


なるほど、ゴブリン達が警戒するのもうなずける。


「アーチャー3体は果物を矢で射落せ。あとは俺と共に上空を警戒」


3体のアーチャー達は矢を果物に向けて放ちはじめる。


残りの2体は上空へ視線を向けている。


ヒュンッ


アーチャーが1匹のビックバットを撃ち落とした。


どうやら俺達を獲物と定め向かってきた所で撃ち落とされたようだ。


ビックバットが再び空中に舞い戻ろうと暴れている。


「ダークアロー、ダークボール」


グサッ


追撃として魔法を見舞う。


流石にLv6では倒しきれないようだ。


ドカドカッ


俺は近づき足でバットを蹴り続ける。


・ビックバットの羽


この羽は軽くて丈夫そうだな。


雨を防ぐ屋根の材料になりそうだ。


「上空に飛んでいる蝙蝠を射落せ。ソルジャー001~005はこっちにこい」


アーチャー達が好戦的になりドンドン矢を上空に向けて蝙蝠を射落していった。


地面に落ちてきた蝙蝠は俺が止めを刺して羽を剥ぎ取っていった。


ソルジャー達がやってくる頃には食料集めは終わりアーチャー5体による射撃大会が始まっていた。


止めを刺す俺の方が大変であった。


ソルジャー達も参戦し蝙蝠の羽をはぎ取っていく。


時折、蝙蝠たちも急降下して俺等を襲うが鎧や盾があるお蔭でダメージを負わずに済んでいる。


1時間程度で採取を止めてゴブリン達の村へと戻る事にした。


・リンゴ×50個

・ビックバットの羽×250枚


「作業は滞りなくできているようだ」


俺が戻ると命令を出していた通りに梁と木の棒が削りだされていた。


「ソルジャーとアーチャーは素材集めに戻れ。ファイターは全員戻ってこい」


これからは力仕事だ。


召喚物の中で一番力持ちであるファイター達を呼び戻す。


ソルジャーとアーチャーと入れ替わる形でファイター達が戻ってきた。


「ファイター達はコイツを持ち上げろ」


出来上がった梁を2体掛かりで持ち上げさせる。


持ちあがった梁を俺が更に持ち上げて中央の柱と5方向に立てた内の1柱の上に乗せる。


「支えてろ」


ファイターを2体1組を組ませて肩車をさせ乗せた梁が落ちないように中央柱と柱に配置して固定させる。


「この釘と金槌を使って落ちないように固定するんだ。こんな感じでな」


カンカンカンカンッ


梁と柱を固定させる為に金槌で釘を梁に打ち込み柱へと貫通させる。


「やってみろ」


一匹のゴブリンを梁の上に乗せると俺がやったように釘を打ちこんでいった。


「そうだ、あと3本打ちこんだら中央の柱にも同じように釘5本打ち込め」

『わかた』


ゴブリンは頷いて梁と柱を固定するために金槌を振った。


「他の奴もソルジャー4体とゴブリン1匹で組んで同じことをやってもらうぞ」


梁を持ち上げる所だけ俺が手伝い、後は任せる。


物の20分程度で梁は柱の上に固定された。


巨大な地震が来なければ倒壊する事はない柱と梁で出来た住宅の骨組が完成した。


「よし、後は梁と梁の間に作ってもらった棒を網目上に組むぞ。固定するのは革紐でいい」


ゴブリン達が梁の上に乗り、削って作った長い棒を革紐で中央から端まで約50㎝間隔で棒を縦横に張り巡らせて固定させていく。


「仕事が早いな。あとはビックバットの羽を端から中央に向けて括り付けていくぞ。広がる方を外側に向くように固定するんだ。向きには気を付けろよ」


新たに手に入れた軽くて丈夫なビックバットの羽を広げた所で屋根の上に乗せて固定させていく。


だが、羽の数が足らず、一部だけ穴が開いている屋根が出来上がった。


「とりあえず、屋根しかない家が出来たな。穴の開いている部分はまたビックバット狩りで羽をはぎ取ってくればいいな。よし、全員飯の時間だ!」


近くに置いた葛篭の中から取ってきた果物をゴブリン達に渡す。人数が多いのでソルジャー達にも分担させ配給する。


「氏族長、今日の所はこの辺で作業を止めようと思う。慣れない作業でゴブリン達も疲弊していると思うが」

「心遣い感謝いたします。たった1日でここまで作業が進んだのは王の指示があったからじゃ」

「分かった。全員、聞け。今日の所で作業は終わりだ、明日以降も集合住宅建設の為に働いてもらうぞ」


オオオオオォ!


ゴブリン達が雄たけびを上げて返事を返してくれた。


「狩りに出ているスケルトン達も各自死体を1体ずつ持ち帰ったら終わりだ」


ゾンビの領域へ出向いているスケルトン達がぞろぞろと戻ってきた。


終始ゾンビが運ばれてきて防護柵で消費された骨は元の量へと戻ったようだ。


目的がまた変わってしまったが、ちと掲示板で雑談と行くか。

【ステータス】

 名前:ハデス

 種族:スケルトンキング

 レベル:7

 職業①:死霊術師(Lv9)

 職業②:細工師(Lv5)

 体力:555/555(+185)

 魔力:765/765(+255)

 攻撃力:123(+36)(+15)

 防御力:88.5(+24.5)(+15)


【装備】

 頭:なし

 体:レザーローブ

 腕:なし

 腰:なし

 足:なし

右手:ボーンスタッフ

右手:なし


【死霊術師スキル(Lv9)MAX.45】

・死霊召喚[スケルトン]

・死霊召喚[スケルトンリーダー]

・死霊召喚[スケルトンソルジャー]

・死霊召喚[スケルトンファイター]

・死霊召喚[スケルトンガードナー]

・死霊召喚[スケルトンアーチャー]

・ダークボール

・ダークアロー


【細工師スキル(Lv5)】

・ボーンダガー

・ボーンスピア

・ボーンショートソード

・ボーンソード

・ボーンロングソード

・骨弓一式(最下級)

・ボーンスタッフ

・ボーンスモールシールド

・ボーンシールド

・ボーンタワーシールド

・ボーンダガースモールシールド

・ボーンダガーブーツ

・ボーン防具一式 (最下級)

・レザーローブ

・革紐

・革紐 (極細)

・葛篭 (小、中、大)

・ボーンピック    (極細)

・骨の裁縫針

・強制接合皮 (小、中、大、極大)

・回し車「車部分」 (大)

・骨の防護柵 (中)

・レザークロス (小、中、大、極大)

・ボーンボード (小、中、大)

・ボーンネジ (小、中、大)

・ボーンハイング (小、中、大)

・ボーンボルト (小、中、大)

・ボーンナット (小、中、大)

・ボーンレンチ (小、中、大)

・ボーンスティック (小、中、大)


【種族スキル】

・骨特化


【召喚物一覧(45/45)】

・スケルトンソルジャー×25

・スケルトンファイター× 8

・スケルトンガードナー× 6

・スケルトンアーチャー× 6

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