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016話「獣道」

俺は一度スケルトン達にパーティーを組み直して一旦戻ることにした。


かなり近づかないと分からないが茂みの奥に別の道が続いていた。


ここから先は茂みが多く獣道らしき道を歩き続ける。


ガサガサ


奥の方から茂みをかき分ける音が響く。


警戒しつつ前進する。


茂みの中から獣道に何かが飛び出した。


【コボルト(Lv5)】


犬のような頭部を持ち体中体毛だらけで人間の体に近い体躯を持つコボルトが現れた。


手にはシミターに近い曲線を帯びた剣を持っている。


身長的には160㎝位だろうか。


グルルルゥ


俺達に気づきコボルトは唸り声をあげる。


獣道は狭く、後方に控えるスケルトン達は展開できない地形での戦闘だった。


交代するにしても難しく思えスタッフを構え前進する。


グルァ!


コボルトも俺にターゲットを決めて跳躍して襲いかかってくる。


「ハッ!」


跳躍したのが愚の骨頂。


それだけ俺の攻撃範囲に入ってくるようなものだった。


バキィッ


コボルトの顎下からを右膝を跳ね上げさせてアッパーカットを見舞う。


追撃にボーンスタッフで殴りつけてコボルトは後方に吹き飛ぶ。


タッ


犬のような姿形は伊達ではなく空中で体勢を整えて着地する。


「ダークアロー」


ブスッ


着地と同時に俺の魔法を叩き込みコボルトは痛みに悶えた。


コブリンの時といいモンスターにすら痛覚というのがあるのか?


ここまで再現するゲームは無い。


大抵、痛む表現なんかモンスターには無く攻撃をしてくる。


もちろん、こっちも同じで切り付けたりしたらその部分が痛覚として感知して痛む仕様となっている。


まぁ、スケルトンキングの俺にとって痛覚も無いからかなり有利だ。


切られようが体力が削られるだけで痛くないのだから。


アォオオオオオオオオオ!


ダッ


コボルトは不利と悟ったのか遠吠えをして逃亡した。


モンスターにもAI機能があり逃亡もする。


モンスター毎にどの程度AI機能があるかはそれぞれだがコボルトは逃げる事はするようだ。


コブリンはどんなに仲間が死のうと不利だろうと突っ込んでくるばかりだった。


俺達も警戒しつつ前進を再開する。


暫く、歩いてもコボルトは現れなかった。


「ふぅ」


ガサッ


!?


俺の左背後をとるようにコボルトが飛び出していた。


気をゆるんだ所の思わぬ奇襲であった。


キャイィン


ボーンスタッフでコボルトを迎撃。


後ろに控えていたソルジャーがトドメを刺した。


「全速前進!」


茂みの多い場所では俺たちが不利だと悟り前へ続く獣道を走り抜ける。


ガサッ


前の茂みからコボルトが直列で飛び出して俺はその場で跳躍する。


「ダークボール!」


先頭にいたコボルトに魔法を放ち後ろにいたコボルト諸共吹き飛ばす。


「全員伏せろ」


ドシンッ


俺がガニ股で着地する。


走り抜けようとしていた3番目を走っていたソルジャーが伏せていた。


「匍匐前進」


3番目のソルジャーが匍匐前進して股下から出ていく。


「全速前進」


3体のソルジャーが先行して走り始める。


何度か横合いからコボルト達が茂みから飛び出して奇襲戦法を仕掛けてくるがなんとか迎撃しながらの前進だった。


ガサッ


しばらくして獣道を抜けて広い場所へと抜け出た。


ゾンビ等が居た場所とは打って変わって緑溢れる森の中に出たようだ。


「警戒体制」


いつものフォーメーションをスケルトン達が取り始める。


今までとは違いLv5のコボルト達が相手だ。


この人数でいけるかは不安である。


ガサッ


「ダークアロー」


キャウゥン


コボルトがソルジャーの背後から襲う形で飛び出してきたが即魔法で迎撃。


地面にたたき落とされソルジャー達の連撃で沈んだ。


コボルトの特性は地形を生かした奇襲攻撃が得意のようだ。


予想外の敵対方法にこの人数で攻めるべきではなかったな。


甘く見ていた。


視野内にはコボルト1体位隠れられる茂みが至る所にある。


何処から奇襲されるかは分からない状態だ。


探知系の魔法があればいいのだが、そう簡単にはいかない。


手持ちも殆ど無い以上対抗策も無いに等しい。


「撤退!」


このままだとジリ貧だと感じ撤退を余儀なくされ、来た道を戻る事にした。


コボルトの領域は拠点から往復1時間30分程度の行程だった。


墓地で待機させていた全スケルトンをパーティーへ入れ直して総勢28体のスケルトンと俺で再び進軍を開始する。


細い獣道をソルジャー、ファイター、アーチャー、俺の順に進んでいく。


キャンキャンッ


前方の方で奇襲が起こったようだ、叫び声からしてコボルトがソルジャー達の攻撃を受けている模様。


此処からでは、戦っている姿は見えずに音しか聞こえない。


ある程度進み、先ほどの場所まで戻ってくる。


ソルジャー18体を前面に押し出し、ファイターとアーチャーで援護攻撃する布陣を広くなった土地で展開する。


「前進」


俺の号令でソルジャー達がゆっくりと着実に歩を進めた。


前方の至る所からコボルト達が躍り出てきた。


見えた限りでは5体のコボルトが奇襲してきた。


コボルトの持つシミター見たいな武器がソルジャーのボーンシールドに阻まれ奇襲は失敗に終わった。


アーチャー達5体が一斉に矢をコボルトに向けて放つ。


キャイィン


その内の2体が矢に反応できず足に痛撃を食らって地に伏せった。


残りの3体は跳躍して避けきった。


ザシュッ


だが、1体がファイターの持つボーンロングソードの餌食になって落とされた。


地に伏せる事になったコボルト達はソルジャー3体の猛攻に合い事切れた。


残った2体は何とかソルジャー達の攻撃を躱して後退している。


「ダークアロー」


ギャウゥウ


俺が放った魔法の矢が後退した1体に突き刺さる。


ザシュッ


怯んだ一瞬の隙を突きソルジャー達が魔法を受けたコボルトに殺到して瞬殺した。


生き残ったコボルトは遠吠えをしつつ脱兎のごとく逃げた。


「前進せよ」


ソルジャー達が再び前進を開始する。


・コボルトの骨

・コボルトの牙


コボルトの死体4体から素材を剥ぎ取り背負った葛篭へ放り込む。


それからはコボルト達の奇襲を悉く潰し殲滅しながら前進していく。


奥に進めば進むほど広域に森が広がり茂みの数も多くなり、出現するコボルトも多くなってきていた。


あまり奥へ突き進むと背後を取られそうで不安になりソルジャー3体を後方を見る役割を与え後ろ歩きしつつ付いてこさせた。


ガサッ


思った通り藪の中から出てこないで俺たちの背後を取ったコボルトが襲いかかってきた。


ガイィン


3体のスケルトンが盾を掲げて俺へ迫る刃を防ぐ。


即座にアーチャーによる矢が殺到し地面にたたき落とされ、あとはソルジャー達にボコられ奇襲は呆気なく終わった。


「進軍停止、警戒体制」


一旦、進軍を止めて警戒体制に入らせる。


そろそろ、アーチャー達の矢が無くなってきたか・・・補充するか。


今まで倒してきたコボルト達の骨をボーンアローに変換させてスケルトンアーチャーの持つ矢筒へ補充する。


「進軍再開」


号令と共にスケルトン達が前進していく。


む?


少し先にコボルト達の集団が現れた。


今まで藪から飛び出してくる奇襲攻撃だけで各個撃破されていったの訳だが


姿を現して集団で構えているのは気になるな。


アオォオオオオン!


集団の中で一際大きなコボルトが遠吠えをすると、周りにいたコボルト達が動き出した。


【コボルトリーダー(Lv7)】

・コボルト達のリーダー。コボルト20体を率いて行動している。


注視すると、どうやらゴブリンリーダーのコボルト版が現れたようだ。


集団戦闘はゴブリンの時で経験している。


む!?


近づくにつれてコボルト達の動きが今までと違った動きが発生した。


周りの木々を利用してあらゆる方向へ跳躍しつつ近づくコボルトや低姿勢を維持して直進してくるコボルト、敏捷性を生かして回り込もうとするコボルトが分かれてくる。


「円陣防御!」


ザッザッ


スケルトン17体で円陣を組み360度の防御態勢に入る。


正面だけ守っていても仕方がない。


最初に接近してきたのは直進してきたコボルト達だ。


ガィイイイン


スピードの乗った突進は防御していたソルジャー3体を突破しやがった。


地に倒れたスケルトンを足場にしてコボルト達はリーダーである俺めがけて跳躍する。


ザシュッ


護衛として近くに配置していたファイターが1体目を撃墜する。


アーチャー達も矢を集中的に放ち2体目を撃墜した。


ガキィン


残ったコボルトの攻撃は他のファイター達が迎撃する。


後は内側に入ってきた手負いコボルトを瞬殺する。


倒されたスケルトン達もすぐさま立ち上がり次に来るコボルト達に備え始める。


「縦横防御陣形!」


上下横に盾を掲げさせ防御力を前方のみに特化させた防御陣形を組ませる。


ガイィ


木々を利用した移動をしてくるコボルト達が防御陣形に激突する音が響く。


その内の数体が防御陣形を突破して跳躍する。


そこに構えていたアーチャー達が矢を一斉に放つ。


ドガッ


ファイターと俺も突破してきたコボルト達を迎撃する。


防御に不要なソルジャー達も左右から離れ陣形内に入ってきたコボルトへ殺到して鎮めて戻る。


防御に回ったソルジャー達も一度防御陣形を崩し攻勢に入り体制を崩していたコボルト達を蹂躙していく。


あっという間にコボルトの団体は半数を失った。


ガァアアアアアア!!


前方に構えていたコボルトリーダーが咆哮を上げて残ったコボルト達を引き連れて突進し始める。


「左右防御陣形」


ソルジャーが分かれて左右に壁を作る。


ガイィンガイィン


リーダーの突進に合わせて回り込んできたコボルト達が奇襲してきた。


予測していた通り防御が成功してソルジャー達に蹂躙される。


「全速前進!」


すぐさま、ソルジャー達が前面に出てリーダー達へ向け全速力で駆ける。


突っ込んできたコボルト達がソルジャー達とぶつかり合い乱戦が開始される。


「ファイター、アーチャーはリーダーを集中的にねらえ」


ファイターとアーチャー達は顎を鳴らしてリーダーへ向けて集中攻撃を開始する。


「ダークボール、ダークアロー」


俺もリーダーへ攻撃を集中的に行う。


ゴブリン達との集団戦闘でリーダーを先に倒すと後々に楽だという事が分かっていたからだ。


ギャウゥン


俺とアーチャーによる遠距離攻撃とファイターの剣戟の集中攻撃の前ではコボルトリーダーが事切れる。


途端にコボルト達の動きが鈍くなり始めた。リーダーが居るか居ないかで配下のモンスターは動き方が変わるようだ。


残ったコボルト達もソルジャー達により壊滅させられる。


≪死霊術師のレベルが8になりました。≫


コボルトリーダー率いる集団戦闘を十数回繰り返していたら死霊術師のレベルが上がった。


更に8体もの召喚できるようになった。


今の所、ソルジャーは十分数は足りているな。


ファイターを増やすか。


近接で最大火力を誇るスケルトンファイターを増やす事に決めて一旦ゾンビドックの居る領域に戻る事にした。

【ステータス】

 名前:ハデス

 種族:スケルトンキング

 レベル:6

 職業①:死霊術師(Lv8)

 職業②:細工師(Lv5)

 体力:495/495(+165)

 魔力:675/675(+225)

 攻撃力:111(+32)(+15)

 防御力:81(+22)(+15)


【装備】

 頭:なし

 体:レザーローブ

 腕:なし

 腰:なし

 足:なし

右手:ボーンスタッフ

右手:なし


【死霊術師スキル(Lv8)MAX.36】

・死霊召喚[スケルトン]

・死霊召喚[スケルトンリーダー]

・死霊召喚[スケルトンソルジャー]

・死霊召喚[スケルトンファイター]

・死霊召喚[スケルトンアーチャー]

・ダークボール

・ダークアロー


【細工師スキル(Lv5)】

・ボーンダガー

・ボーンスピア

・ボーンショートソード

・ボーンソード

・ボーンロングソード

・骨弓一式(最下級)

・ボーンスタッフ

・ボーンスモールシールド

・ボーンシールド

・ボーンタワーシールド

・ボーン防具一式 (最下級)

・レザーローブ

・革紐

・革紐 (極細)

・葛篭 (小)

・ボーンピック    (極細)

・骨の裁縫針

・強制接合皮 (小、中、大、極大)

・回し車「車部分」 (大)

・レザークロス (小、中、大、極大)

・ボーンボード (小、中、大)

・ボーンネジ (小、中、大)

・ボーンハイング (小、中、大)

・ボーンボルト (小、中、大)

・ボーンナット (小、中、大)

・ボーンレンチ (小、中、大)

・ボーンスティック (小、中、大)


【種族スキル】

・骨特化


【召喚物一覧(28/36)】

・スケルトンソルジャー×17

・スケルトンファイター× 5

・スケルトンアーチャー× 5

・スケルトン×1

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