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120話「北からの侵略者」

レベル上げをしていたら遂にこの日がやってきてしまった。


ピッピッピッ


「そろそろか・・・」


VRFPSゲーム「インフィニティスペースオンライン(ISO)」で行われているベータテスト最後のイベント、”大侵略”の時間が今日に行われる事を知り準備を整えてきた。


ウォオオオオオ!


東と西の主戦力となる魔族達にブラチライトの装備を配り北の大地へと集結した。


総勢10万の軍勢が陣取って待ち構えている。


「それにしても圧巻っすね」


空から眺めていたスロウスが東の陣営をみて言う。


「魔王イヴは正真正銘の魔王だったな」


100mは超す体格を持つ魔王が東の陣営で仁王立ちしている。


俺達と会っていた人物の面影はなく角が生え、怒りの形相をし、恐怖の象徴に相応しい装備を身にまとっている。


「こっちも凄いわよねぇ」


全長100mのリヴァイアが陣取っている。


「古竜達も結構集まっていますね」


ズシィンッ


リウイだけは元々100mの体を持ち、普段はサイズ調整で20m位の体になっていたそうだ。


数千頭のドラゴン達が空中を覆いつくしている。


どうやらドラゴンズアイランドのフレイヤ達も参戦している様だ。


「来ました」


ブォオオオオッ


氷の大地上空に直径500m程の巨大な宇宙戦艦が姿を現す。


そこから何百と言う小型宇宙船が現れて、地上に機械人(FPSプレイヤー)達を降ろしていく。


ヒィイイインッ


巨大宇宙船の外周部が淡い緑色に光り始めた。


「なんだ、あれは」

「開戦の合図ですね」

「あの一撃で妾の父が亡き者にされたのじゃ」

「今回の戦いではワシ等も抜かりないわ」


魔王、魔蛇、古竜達が中央に集まり詠唱を開始する。


迎え撃つ構えだ。


「グラトニー、最初に頼めるか?」

「分かったスラよ」


グラトニーを魔族軍の中心へ運ぶ。


ブワッ


巨大宇宙戦艦から光の奔流が放たれる。


「「「魔力砲!」」」


負けじと3人の魔力を掛け合わせた七色の魔力が放たれた。


ブワッ


2つの力がぶつかり合い、氷の大地に熱気が吹き溢れる。


「「「くぅうううう!」」」


3人が苦痛の声を上げる・・・流石に生物VS機械の攻撃では力の源が違いすぎるようだ。


「くぉおお!」

「魔力が!」

「足りなくなってきおった!」


ブブブブッ


7色の魔力の奔流に乱れが生じた。


「今だ、グラトニー!」

「ブラチライト化! それにサイズ調整100mスラよぉ!!」


ブワァアッ


グラトニーが真っ黒に染め上がり、体積を100mにも膨れ上がらせた。


フッ


魔力砲が途切れる瞬間を狙ってグラトニーを割り込ませる。


ガギィインッ


球体上のグラトニーの体に極大レーザーが直撃して空へと跳ね返す。


「なんて強い力、スラぁああ!」


ジュォオオオオッ


ブラチライトと化したグラトニーの体力が削られていった。


シュォオッ


どうにか、向こうの攻撃が終わったようだ。


シュルルルルッ


「あともう少し遅ければ死ぬところだったスラよ」


体力をレッドゾーンになりながらもグラトニーは元のサイズに戻った。


「あの一撃で本来はコチラの最大戦力を削る筈だったんだろうな」


地上に降りてきたFPSプレイヤー達の数は2万居るかどうか・・・こっちの10万は健在だ。


「すまぬ、妾達は一時休憩じゃ」

「魔力を使いすぎた・・・」

「休ませて貰いますね」


最大戦力であるイヴ、リウイ、リヴァイアの3人は後ろに下がっていった。


「爺さん! 後は俺達に任せろ!!」

「ハデスさん、空中は私達ドラゴン一族に任せてください」

「行くぞ野郎ども!」


ドラゴン達が空中を飛び交う小型や中型の宇宙船を攻撃しに向かう。


「サイズ調整30m」


ググググッ


中央で30mの体になる。


「西軍はリンドールを中心に動け! 東軍はシモン軍団長の指示に従え。後方支援は俺達が行く」


ブラチライト製の攻城兵器を持ち出してスケルトン達に運用させている。


ドドドドドドドッ


西と東の魔族達が一斉に走り、FPSプレイヤー達へと進んでいく。


対してFPSプレイヤー達は待ち構えている姿勢を取る。


『一斉射撃、開始!』


カッ


緑の光線が魔族軍に向かって放たれた。


2万発になる緑の光線は真横に降る雨のように感じた。


10万の黒い軍勢に2万発のレーザーが吸い込まれていって通り過ぎる頃には数千名の魔族が倒れ伏した。


ブラチライトで防御できず致命傷を受けた魔族達だ。


接近する前に約1万の魔族達が氷の大地に倒れ伏す。


ワァアアア!


ドゴォンッ


至る所でプレイヤーへ魔族達が襲い掛かり、連携してレーザー銃を放つFPSプレイヤー達。


手榴弾を投げて対応するも数的有利はコチラの方が軍配があがる。


ビィイイイイ


地上に目線を送っていた為に反応が遅れていた。


極太のレーザーが魔族軍を薙ぎ払った。


「もう撃てるようになっていたのか」


シュウウウッ


巨大宇宙戦艦から第二射が放たれていた。


”被害報告”

”西軍2万4000を失いました”

”東軍3万2000が焼かれた”


約5万強の魔族達が一撃で倒されてしまった。


残りは4万程、比べてプレイヤー側は1万7000人と殆ど削れていない。


「対飛竜弩、投石器を放て!」


ヒュンヒュンヒュッ


グォンッ


射程位置に入り攻城兵器を使い始める。


魔族軍と接敵していない場所へ集中的に攻撃が断続的に続けられる。


「アレをどうにかしないとな」


頭上の巨大宇宙戦艦を見上げる。


何度もレーザーを放たれたら甚大な被害が出てくる。


「内部破壊か」


ズシィンッ


「面白い事を考えるのぉ」


休憩していた筈のイヴが横に来ていた。


「まずはアノ空飛ぶ円盤を如何にかするべきだと妾も考えておった。策があるようじゃな?」

「策と呼べるかは分からないが」

「お主に任せるとしようかの」

「必ず成功するという保証はないぞ」

「うむ、任せ{ザザァ~}」


突如、聞こえていたイヴの音声がかき消えた。


「なんだ?」

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