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105/122

105話「大陸間戦争」

連載を再開いたします。


最終話まで一気に投稿します。


今回は通常より大ボリュームの内容となります。(約8000文字)

「メール?」


VRギア越しに送られてきたメールの受信がPCに表示されていた。


カチカチ


-------------------------------------------------------------


from:運営(GM)


to:五天辺境伯


件名:イベント企画のお誘いです

内容:いつもフリースタイルオンラインをプレイして頂きありがとうございます。

    

   現在、フリースタイルオンラインでは第三回目のイベントが企画が予定されております。

   その為にはハデス様を始めとした特殊種族の方々に協力要請をしております。


   イベント名は「大陸間戦争」です。


   内容は数々の困難をクリアしてきた魔族代表であられる五天辺境伯の方々が

   王都侵攻をしてきたという設定でプレイヤー自由参加型の大人数バトルをして頂きたくお誘いにきました。


   ルール:特殊種族は「王都の王城地下にある人魚の涙というアイテムを手に入れる」だけです。

       人族側プレイヤーは制限時間までに防衛する事となります。


   参加資格:グランドクエスト:魔王の依頼(4/5)をクリアする事


   これは、強制参加ではなく自由参加型なので不参加でも構いません。

   良い返事をお待ちしております。


   なお、魔族側が勝利した場合運営からの報酬が送られます。

    ※プレイヤー側が数的有利を考慮しての報酬です。   

                               以上となります。

-------------------------------------------------------------


プレイヤー参加型の一大イベントの通知か・・・俺達が参加しなかった場合はどうするのかは気になる。


ピコンッ


新たなメールがきた。


-------------------------------------------------------------


from:ラスト

to:ハデス


件名:イベント企画の話は聞いているわね?


内容:おはよう? こんにちは? こんばんは?


   挨拶はこれくらいにして、イベント企画について見たかしら?


   見たなら、どうするか教えて欲しいわ。


   ちなみに私達全員は参加希望よ。


   グランドクエスト:魔王の依頼(4/5)をそこらのプレイヤーと決闘してクリア済みよ。

   

   正直言うと、ハデス無しじゃこの企画は成り立たないのよね!


   相手は数千単位の軍勢になるそうじゃない? 4人じゃ瞬殺ねww



                              以上よ。

-------------------------------------------------------------


何とも、ラストらしいメールだな。


俺も決闘好きのプレイヤーと戦って条件をクリアする。


---------------------------------------------------------------

from:ハデス


to:運営(GM)


件名:Re:イベント企画のお誘いです

内容:スケルトンキングのハデスです。

    

   イベントについて誘って頂きありがとうございます。

  

   今回のイベントについて参加を希望します。


   イベント日の日時について詳しく聞きたいと思います。

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from:運営(GM)


to:ハデス様


件名:Re:イベント企画のお誘いです

内容:いつもフリースタイルオンラインをプレイして頂きありがとうございます。

   

   イベントに参加して頂きありがとうございます。


   この度は我々の企画内容では特殊種族の方々の参加は必須でしたので非常に助かります。   


   日時については1週間後の日曜日・午前10:00からとさせて頂きますが宜しいでしょうか?


                                      以上。

---------------------------------------------------------------


---------------------------------------------------------------

from:ハデス


to:運営(GM)


件名:Re:イベント企画のお誘いです

内容:スケルトンキングのハデスです。

   

   1週間後日曜日・午前10:00からは問題ありません。


---------------------------------------------------------------


少し、運営とやり取りして大陸間戦争というイベント日が決まった。


聖大陸プレイヤー数千人 VS 魔大陸プレイヤー5人による大陸間戦争というイベントは瞬く間にネットを通じて広まり盛り上げる事となった。


瞬殺されても良いのであればレベル1でも参加できるという意味の分からない事も広まっていった。


≪脳波正常、心拍数正常、初期設定値異常無し、生体データ認証。ハデス様、オンラインを開始しますか?≫


YES


≪ようこそ、フリースタイルオンラインの世界へ≫


ガヤガヤガヤガヤッ


イベント間近という事でプレイヤーが六の街に集まってきているようだ。


魔族は七の街から来るという噂がそうさせている様だな。


「さて・・・と」


俺は六の街を出ていく。


「遅いわよ」

「ラスト」

「皆いるわよw」


ラース、スロウス、グリードの3人も揃っていた。


「では、行きましょうか。王都へ」

「まさか、私達が六の街にいるなんて知らないでしょうね」

「王都には人化を強制的に解く結界があると聞く」

「デバフ系じゃなければいいわ」

「そうっすね」

「あと30分よ」


イベント開始時間10:00まで30分を切った。


「む・・・」

「どうしたのかしら?」

「5km先に冒険者の集団がいるな・・・先回りしたプレイヤー達か?」


スケルトンリーダー達を500m間隔で腰を屈めさせながら平原を先行させていた時に発見した。


「虚を突いたと思ったのだけど、勘がいい人がいたのね」

「ここで俺達がアイツらとぶつかり合うのは普通過ぎる」

「何を突然?」

「そしてフリースタイルオンラインというゲームは素晴らしいゲームだ」

「何が言いたいのだ?」

「つまり自由に行けばいい」

「なるほどね」

「それは良いっすねぇ」

「なるほど」

「では一時解散ですね?」

「2時間後、王都の門前で会おう」

「「「「2時間後に!」」」」


パァンッ


俺達はハイタッチをして平原をそのまま直進する者、道をそれる者とバラバラに動き出す。


・・・


『ギルド長、本当に来るんですか?』

『すでにシックスに向かった連中が戦っているのでは?』


10:15となって王都と六の街を結ぶ街道でプレイヤーたちが待ってた。


『情報屋からの情報だ。特殊種族の連中はシックスに潜伏している。つまり、直接ここを通る筈だ』

『ギルド長、誰かが来ました』

『来るぞ!』


ザッ


俺の目の前には100人と言った所か・・・プレイヤーの集団が陣形を敷いて待っていた。


『そこのプレイヤーに問う。お前は人か魔族か!』


代表格の人物なのか、大声で問いかけてきた。


「平均レベルは45程か」


恐らくトッププレイヤーの集団だろう。


色々なギルドがレイドを組んでいる。


「俺こそが魔族のスケルトンキングだ!」


人化を解除して本当の姿を現す。


視界が一気に高くなる。


「五天辺境伯が一人、ハデス。王都の秘宝を貰い受けに来た」


これがゲームだから、ロールプレイが楽しめる。


『させるか! 俺達が貴様も打倒す!! 魔法部隊は詠唱開始』


男の声で100名近くのプレイヤー達は動き出した。


「顕現:スケルトン軍!」


ブワッ


俺の背後に黒い靄が広がり奥からスケルトン達が出てくる。


カタカタカタカタカタッ


顎を鳴らして2145体のスケルトン軍が姿を現す。


「魔法効果拡散」


新たに取得したスキルを使って俺に掛かっている黒のベールの効果をスケルトン達にも拡散発動させる。


ブワッ


真っ白だったスケルトン達が一気に漆黒に染め上げられる。


それだとしても目の前のプレイヤー達はスケルトンだと思って何人かが笑っている。


『アレは死霊術師が使う普通のスケルトンと思い油断するな!!』


リーダー格の男が油断しているプレイヤー達に喝を入れる。


「ロイヤルガード前へ」


戦争という事で大人数による戦いを予測し壁を厚くした。


1000体のロイヤルガードが二列横隊で並ぶ。


『弓矢部隊、魔術師部隊放て!』


向こうから矢と魔法が放たれる。


「ロイヤルナイト部隊!」


ガシッ


ロイヤルナイト部隊がロイヤルガードの肩に乗り防御姿勢をとる。


カカカカンッ


矢を弾き


ドドォンッ


一番火力が高いファイアーボール系を防いでいく。


サァアアッ


煙が風に流されていく。


ウォオオオオ!!


近接系のプレイヤーがすぐ其処まで近づいてくる。


「リッチ」

「「「「「「ダークフレアロー・魔法連射」」」」」


ババババババッ


高い位置を浮遊していたリッチ部隊200体による魔法が発射された。


ダークフレアローの魔法攻撃力は30と低いがリッチの攻撃力の204が追加される。


トッププレイヤー達の防御力は鋼鉄以上の装備を身にまとっている事から魔法ダメージは期待できない。


数で力押す。


600本の魔法の矢が発射され、魔力が尽きるまで連射が始まる。


『ぐああああぁ』

『近づく前にかよぉ!』


途中で脱落するプレイヤーが続出した。


生き残ったのは20名近くで殆どがレベル45以上のプレイヤー達だ。


それでも魔法ダメージと炎症ダメージで体力が大幅に削られている。


「やれ、ロイヤルガード。突撃だ」


ガシャッ


タワーシールドを持ち上げて腰を低くしてロングランスを真っすぐに構える。


ドッドッドドドドッ


『ひぃいい!』

『来るなぁあ』


グサァっ


ロイヤルガードの重い突進攻撃にある者は貫かれある者は轢き殺されていった。


それでも生き残っている者達が2名だけ居た。


『こうも力の差があるのかよ』

『こっちだってフル装備だぞ』


重戦士のプレイヤーだ。


「ここまで良く生き残った。言い残す事はあるか?」

『運営のバカやろぉおお』

『こんな話聞いてねぇぞぉおおお』

「では死んでもらおう」


バサッ


『スケルトンドラゴンだと!?』

『あんな化け物まで飼ってやがるのかよ』

「アンデットブレス」


ブシャァアア


毒のブレスをが2人を包み込み猛毒状態で体力を削り切る。


「お前たち好きにやれ」


前衛を失った後衛の末路は見えている。


幾ら魔法を放とうがロイヤルナイトに防がれ、距離を取って矢でダメージを与えようがスケルトン達は止まらない。


生き残っていたプレイヤー達も後を追ってもらった。


”ハデス”


ラストからコールが入った。


”次々と王都でプレイヤー達が復活していっているわ。それと六の街にいた連中も続々と転移して来ているわね”

”そうか。そっちはどうだ?”

”王都の内側に来たんだけど、結界が邪魔で一向に進まないわ・・・”

”焦らずゆっくり進め。こっちは盛大に囮をしているからな”

”気を付けてね”

”あぁ”


デスペナルティを食らったであろうプレイヤー達が落としていった戦利品、死亡時に一定確率でレア度の高い武器や防具にアイテムが転がっている。


聖大陸側のルールではそうなっている。


「ダークホール」


落ちているアイテムを拾って進軍を開始する。


「こう見ると壮観だな」


先ほどの100名が可愛い集団に見えてくる・・・


ワァアアアア!


目視で数千人はいそうな規模のプレイヤー達が集まっていた。


『タンク隊前へ!』


今度は陣形を整えて連携する動きを見せる。


「ドラグーン部隊!」


バサバサバサッ


数は少ないが50頭のスケルトンドラゴンに跨ったドラグーン部隊が空へと飛びあがる。


「投下開始しろ」


ヒュォオオオ


ドゴォンッ


ドラグーン部隊が鉄球を次々に落としていく。


魔法も矢も届かない高い位置からの一方的な攻撃にプレイヤー達が慌てふためいている。


1つ50kgある鉄球が重力加速度も加わり盾でガードしても無駄に終わる。


「アンデットブレス」


ブシャァアア


毒のブレスを放ってから戻らせる。


すぐさま司祭プレイヤー達がエリアアンチドートの魔法で回復していく。


今のでは流石に持ちこたえるか。


数千人規模の多さだ・・・こっちは2000弱だが質は勝っている筈だ。


「こんな事くらいは向こうで慣れているさ」


戦力差は歴然だがドラゴンボーン装備で固めたスケルトン軍を簡単に突破できるとは思えない。


『騎馬部隊! 突撃ぃいい』


いつの間に背後に回っていた騎馬プレイヤー達が防御の薄い面に突っ込んできた。


ロイヤルガードの防御は間に合わない。


「顕現:スケルトンドラゴン!」


スケルトンドラゴンだけの部隊も用意している。


ズシィンッ


地響きを鳴らしながらスケルトンドラゴンが騎馬部隊の前をふさぐように横に並ぶ。


『進路変更しろ!』


一番前を走っていたプレイヤーの声で急激に進路を変える。


「アンデットブレス」


ブハァアアア


一部の地面を覆いつくすように十数体のスケルトンドラゴンが毒のブレスを吐き出して猛毒の結界を張る。


ヒヒィンッ


ゴホッゴホッ


命令が行き届かなかった数名が煙の中に突っ込み猛毒状態になった。


『ぐるじぃ』

『なんて強力なんだ』


馬ごとバタバタと倒れていった。


「やれ」


バサッ


奇襲に失敗したプレイヤー達が逃げていくがスケルトンドラゴンが追いかけていく。


ヒュンヒュンヒュンッ


別動隊に気を取られている隙に矢が飛んでくる。


「縦横防御陣」


ガシャシャシャッ


盾の上に盾を重ねて横並びに防御陣を敷いて遠くから射たれた矢を防御する。


「防御陣そのまま前進せよ」


ザッザッザッ


距離を縮めるためにロイヤルガード達を前進させる。


ヒュォオオ


ボォオン


ファイアーボールが幾つも降り注ぐがロイヤルガードの防御力の前では多少のダメージが通るが問題ない。


「リッチ部隊、薙ぎ払え」


十分近づいた所でリッチ部隊に攻撃命令を下す。


「「「「「「ダークフレアアロー・連続発射」」」」」


バババババババッ


数千本にまで膨れ上がる連続発射の魔法の矢がプレイヤー達へ降り注ぐ。


一本一本は弱い魔法だが数でカバーしている。


「む?」


フッ


意識が地上に向いていたが空から何かが降ってきた。


ドォンッ


いびつで大きな石が降ってきた。


「王都の内部からか?」


ヒュォオ


また、大きな石が降ってくる。


「ドラグーン!」


バサッ


空から降ってくる石はドラグーン部隊に任せる。


バキャァツ


パラパラパラ


石はドラゴンボーンロングランスの一撃で砕け散る。


ヒュオッ


ガシャァンッ


「なんだ?」


鋼の太い矢がロイヤルガードの防御力を抜いて地面に刺さっていた。


「あれは・・・バリスタか?」


王都の壁には等間隔にバリスタが設置されておりプレイヤー達が狙ってきている。


俺達が投石器やバリスタの届く距離まで誘導されていたようだ。


あの壁の高さまでリッチでは飛んでいけないな・・・。


「リッチ部隊はドラグーンの後ろへ」


フワッ


ドラグーンの後ろにリッチが1体ずつ乗り込む。


「ドラグーン、リッチ混成部隊は壁に張り付き上の奴らを叩け」


ヒィオッ


50体近くの混成部隊が王都の壁へと向かっていく。


途中で魔法や弓矢で妨害されるも射程距離よりも高い位置にいる為問題なかった。


ザッザッザッ


「防御陣そのままで止まれ」


まだまだ、数の優位は向こうが上だ・・・ある程度まで近づいて止まる。


「対飛竜弩、カノン砲、投石器」


ドドドドンッ


俺の後ろに三大攻城兵器を等間隔に地面へ置く。


スタッ


ロイヤルナイト達が発射準備に取り掛かかる。


向こうのバリスタや投石器は混成部隊によって封殺されている。


「順次、発射せよ!」


ガシャンッ


ドォンッ


命令通り次々にドラゴンクローアロー、鉄球が放たれていく。


ズゴッ


その内の何発が壁にぶち当たろうとした。


ギィィイイン


だが、何かによって弾かれた。


「防御結界ってやつか?」


ファンタジー世界にありそうな王都を守る障壁。


「人魚の涙という魔力を貯め込むアイテム・・・おそらくソレを使っての魔道具か」


随分、凝っている設定だな。


「目標、目の前の敵に変更だ」


壁よりプレイヤー達へ目標を変える。


ロイヤルガードの防御をうまく抜けず、頼りのバリスタや投石器が使えない以上、彼らの取れる行動は限られてくる。


オォオオオオオ!


近接戦闘職のプレイヤー達が突っ込んできた。


「ドラグーン部隊、集団突撃」


ヒュォオオッ


上空から一気に下降して、地面すれすれを飛行し突撃してくる近接戦闘職の集団を横切る。


スケルトンドラゴンの爪や体、ドラグーンのロングランスによって次々にプレイヤーは吹き飛ばされ、刺し貫かれていく。


今ので500人近くが脱落する。


再びドラグーン部隊は上空へと舞い戻っていく。


「バスター部隊! 突撃しろ」


今度はこちら側から攻める番となった。


身長はロイヤルガードに次ぐ大きさで刃渡り2mになるドラゴンボーンバスターソードを持つ戦士たちだ。


接近される前に魔法や弓矢の攻撃を受けるが体力は減るも問題ないレベルだ。


ブォォンッ


豪快にバスターソードを振り回してタンクへと攻撃を繰り返す。


バキンッ


タンクの持つ盾が破壊される。


『バカなっ』


グシャッ


盾を失いタンク達が戦死していきプレイヤー軍に混乱をもたらす。


「各自攻撃を開始せよ」


前線が崩壊し始める瞬間を狙って全軍をもって突撃をする。


地上から、遠距離から、空中からと様々な方向から一斉に攻撃を受けるプレイヤー軍はその数を減らす。


痛みを感じない、恐怖を感じない、アンデットの軍がどれだけ恐ろしいのかは分かっただろう。


攻撃をしても怯むモーションすらしないのだからな。


「補修」


シュォオオオオ


スケルトン達の体力は戻らないが武器防具の耐久値は戻せる。


時間が絶つにつれて数千人もいたプレイヤー軍は数を減らしていった。


その分こちらも数百体のスケルトンが崩れ去ってしまった。


「破城槌」


ブゥンッ


王都の固く閉ざされた城門が近くなり最後の攻城兵器を取り出す。


サッ


外からの攻撃を受け付けないように設計された屋根の取り付けられた移動式の破城槌に乗り込むロイヤルナイト達。


「サイズ調整10m」


ブワッ


俺は黒い霧に包まれて体のサイズを変える。


ズズズズズッ


視界があっという間に高くなる。


生き残っていたプレイヤー軍に衝撃を与える。


ガシッ


破城槌を後ろから掴み歩き出す。


ズシンッ


一歩進むごとに地鳴りが発生する。


ズシンッ


ヒュォオオ


ドォンッ


俺の体に魔法や矢が直撃する。


ドラゴンボーン装備に身を固めた俺には微々たるダメージだ。


ゴゴゴゴゴっ


プレイヤー軍を二分する形で俺は破城槌と共に門へと到達しようとした。


キラッ


プレイヤー軍の中で煌めきが放たれた。


ズッ


「なに?」


一瞬過ぎて見えなかったが一閃が俺の右肩を切断していった。


ドゴォンッ


右腕が地面に落ちてプレイヤー軍に歓声が湧きあがった。


「これは・・・」


バッ


白い衣服をまとった人物が飛び出てきた。


幾つもの光る糸を操るプレイヤー。


【アオイ(Lv48)】


『魔力強化版五斬鋼線!!』


キィイイインッ


無数の光る糸が俺に襲い掛かってくる。


アレはヤバいと直感的に感じ取り、サイズ調整を解除する。


『逃がすか!』


アオイというプレイヤーは糸を操り俺に攻撃を当てようとする。


ポイッ


「ダークボール」


ドォンッ


空中で体が縮む中、盾を放り投げてダークボールの爆発力で吹っ飛ぶ。


シュォッ


光る一閃の束が盾を切り刻む。


「ドラグーン!」


パシッ


近くに呼び寄せたドラグーンの足に掴まって糸の届かない範囲へと退避する。


『逃げるな』

「その危険な技に突っ込むバカじゃない」


ピ~ンボ~ンパ~ンボ~ン


≪プレイヤーの皆様。ただいまを持って王都の秘宝が魔族の手によって奪取されました。大陸間戦争の勝者は魔族側に決定いたしました。繰り返します≫


全体アナウンスが鳴り響きプレイヤー達が一斉に戦意を喪失する。


『何をした?』


まだ戦意を残しているアオイが問いかける。


「魔族というのは俺だけではないという事だ」


!!?


誰もが気にしていなかった、戦っていた相手がスケルトンキング率いるアンデット達のみだという事実に・・・。


「楽しかったぞ。人間たちよ! 今回の戦いは我ら魔族側の勝利だ」


ギィイイイイイッ


固く閉ざされていた王都の門が開いていきプレイヤー達は振り返る。


ラスト、ラース、スロウス、グリードの4人がボロボロという状態だったが生きて帰ってきた。


その手には光り輝く涙型の宝玉が握りしめられていた。


≪エクストラクエスト:秘宝奪還が完了しました。SPが4増えます≫

≪経験値:7,820,000取得≫

≪ハデスのレベルが75になりました≫

≪死霊術師のレベルが70になりました≫

≪闇魔法:風化が取得可能です。消費SPは10となります≫

【ステータス】

 名前:ハデス

 種族:スケルトンキング

 レベル:75

 職業①:死霊術師(Lv73)

 職業②:細工師(Lv20)

 体力:4402.5/4402.5(+1467.5)

 魔力:6315/6315(+2105)

 攻撃力:1198.5(+279.5)(+360)

 防御力:1419(+168)(+900)(+15)


【装備】

 頭:ドラゴンボーンヘルム

 体:ドラゴンボーンアーマー

 腕:ドラゴンボーンアームガード

 腰:ドラゴンボーンウェストガード

 足:ドラゴンボーンロングブーツ

右手:ドラゴンボーンソード

右手:ドラゴンボーンシールド

・セットボーナス、5か所(防+10)

・フルセットボーナス、7か所(攻+5、防+5)


【死霊術師スキル(Lv73)MAX.2701】

 ▶死霊召喚リスト

 ▶闇魔法リスト


【細工師スキル(Lv20)】

 ▶武具・防具クラフトスキル

 ▶アイテムクラフトスキル

 ▶素材クラフトスキル 


【種族スキル】

・骨特化

・騎乗

・武装制限解除(小)

・一括制作(小)

・霊感

・人化

・言語習得(魔族共通言語、人族共通言語)


【召喚物一覧(1970/2701)】

・スケルトンロイヤルナイト×550

・スケルトンバスター×500

・スケルトンロイヤルガード×500

・スケルトンローグ×100

・リッチ×200

・スケルトンドラグーン×100

・スケルトンドラゴン×20

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