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911話 終わりを祈る者・その2

 世界が闇に飲まれた。


 視界はゼロ。

 なにも見えず、なにも聞こえない。

 五感が曖昧になって、今、立っているのか倒れているのか、それすらもわからなくなる。


「ぐっ……!?」


 これは……相手の動きを封じる、補助系の魔法か?

 攻撃が連続すると思っていたが、そんな単純なことはしないらしい。


「……落ち着け」


 闇に飲まれ、正気を失ってしまいそうになる。

 そうならないように呼吸を整えて、心を落ち着けた。


 なにも見えないけれど、でも、感じ取ることはできる。

 心を研ぎ澄ませて、魂を精錬させる。


 そうすることで闇の綻びを見つけることができた。


「そこだ!」


 武器をクサナギに切り替えて、とある一点を突いた。

 なにかを砕く手応え。

 ピシリと空間全体にヒビが入り、そこから光がこぼれていく。


 最後に鏡が砕けるような音が響いて、闇が砕けて、元の景色が戻る。

 ほぼ同時に、みんなも姿を見せた。

 同じように脱出を果たしたのだろう。


「私の闇を退けるか」


 エーデルワイスは、やや感心したように言う。


「しぶといな」

「諦めの悪さには定評があるんでね」

「レインだからね」

「レインね」


 そこでみんなは納得しないでほしい。


 というか、みんなも無事だったようだ。

 信じていたけど、それでも心配になるわけで……

 一言ほしい。


「ならば……」

「そろそろ……」

「ソラ達の番ですよ!」


 ソラ、ルナ……そしてモナが同時に魔法を唱える。


「イクシオンブラスト!」

「イフリートディザスター!」

「グランドプレッシャー!」


 雷、火、土の超級魔法が同時に炸裂した。

 タイミングを重ねることで、互いの魔力がプラス方向に干渉。

 威力が数倍に増している様子で、余波で城全体が震えているかのようだ。


「甘いな」


 強烈な魔法を受けつつ、しかし、エーデルワイスは顔色一つ変えない。

 一瞬で魔力による盾を作り上げて、三人がかりの攻撃をあっさりと防いでしまう。


 無茶苦茶だ。


 あれだけの攻撃、防ぐ人は防ぐことができるだろう。

 それでも、ある程度の予備動作が必要なはずだ。

 それなのにエーデルワイスにはそれが一切ない。


 無詠唱。

 思った瞬間に、思った通りの魔法を発動させている。


「おいおいおい、ここまでなんて……よし、ボクは帰ろうかな?」

「戦え」

「へい……」


 ラインハルトに睨まれて、モナはしゅんっとなっていた。


「ルナティックボルト!」

「ホーリーアロー!」


 エーデルワイスのメインの武器は魔法なのか?

 それとも、近接戦を得意とするのか?


 それを見極めることができていないため、迂闊に近づくのは危険だ。

 シフォン達はそれを理解しているらしく、俺達と同じように魔法を放つ。


 が、意味がない。

 こちらも事前調和とばかりに、エーデルワイスは瞬き一つで防いでしまう。


「なんてやつだ……」

「なぜ驚く?」


 エーデルワイスは静かに問いかけてきた。


「我が力、知らないのか」

「全然、底が見えていないから困っているんだ。魔法がものすごく得意、っていう感じだと嬉しいけど……」

「ふむ」


 考えるような仕草。

 それと、わずかな間。


「確かに、私は魔法が得意だ」


 意外というか、エーデルワイスは素直に答えてくれた。

 ただ、知りたくない事実もセットにする。


「得意であり、そして、それは当たり前のことだ。なぜならば、魔法は私が開発したものだからな」

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― 新着の感想 ―
[一言] 「得意であり、そして、それは当たり前のことだ。なぜならば、魔法は私が開発したものだからな」 Ω ΩΩ< な、なんだってー!!
[良い点] エーデルワイスの衝撃の一言 彼女が類まれな才能の持ち主だということ・・あるいはそれ以上の可能性も [気になる点] 「得意であり、そして、それは当たり前のことだ。なぜならば、魔法は私が開発…
[一言] >「得意であり、そして、それは当たり前のことだ。なぜならば、魔法は私が開発したものだからな」 こりゃあオババ精霊が来ても歯が立たなさそうやで…… アル「ちょっとこっちにこい^^」
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